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🌍👜シニアバックパッカーの旅 なぜチベットが国際問題になるのかーー中東と同じ構造

公開日: : 最終更新日:2023/06/15 シニアバックパッカーの旅

昨年雲南省の帰りにチベット旅行を企画したのだが、外国人は入国許可書が必要で簡単にはもらえないことがわかり、今回ユーラシア旅行社のツアーに申し込んだ。前回個人旅行を企画したときにチベット専門のS社の木で鼻をくくったような応対ぶりと比較して、ユーラシア旅行は親切に応対してもらったので、選択した。それにしても一人旅のツアーなので高くつく。黄龍を案内してもらったときの崔先生はその時の経験から高山病の恐れがあり無理を頼めないので仕方がない。

チベットが新疆ウィグル自治区と異なり外国人の旅行を制限しているのは、ダライラマ14世がインドで独立運動を展開しているからである。時折暴動が発生するので仕方がない。焼身自殺も時折報道される。

その原因は、歴史をさかのぼれば、はやり英国等にある。インドを植民地化した英国は、ロシアと中国の権益をめぐって対立していた。中国清朝は冊封体制の時代であるから、沖縄も朝鮮も、チベットも同じ扱いであり、近代国際法の国家概念で考えることは間違っている。そこへ、イギリスが例の二枚舌外交で、チベットには独立国としての取扱をささやき、清朝にはチベットのへの宗主権を認めるささやきを行っていたから、英国の力がなくなった後混乱だけが残ってしまった。下手をすれば沖縄もそうなっていたかもしれないのである。英国のおかげでインドとパキスタンと中国の間のシッキムは今でも危険地帯である。トルコを追い出し、中東にイスラエル建国を画策した結果が今日の状態である。マクマホンの名前がチベット史でも登場するから、罪作りである。ブラッドビット主演の「チベットの七年間」という映画があるが、「アラビアのロレンス」と同じでこれも欧米史観でできている。

なお、ミャンマーでロヒンギャ難民が問題になっているが、これも、英国が植民地時代にむりやりイスラム教徒をビルマに移住させ、対立をあおる政策をとった結果である。スターリンがとっら民族移住は、これをまねただけであるかもしれない。

イギリスの政策の延長であるから、蒋介石の中華民国もチベットは中国の領土であると認識し、当時の欧米主導の国際社会も認めていた。中国共産党が政権を握ると、アメリカCIAがダライラマに介入し、今日の混乱に拍車をかけることとなってしまった。ダライラマの活動資金がどこから出ているのか情報公開されればひと騒動が起きるであろう。更にはダライラマはオウム真理教の浅原彰晃ともツーショットの写真がインターネットで見ることができるからわきも甘い。ノーベル平和賞も政治的であり、ガンジーの受賞には英国が反対してつぶしているのであるから、中国共産党の行為を批判することも一方的である。

河口慧海の旅行記を読むまでもなく、そもそもチベットは後進地域であり、農奴制ともおもえる貧しい地域である。一妻多夫が残っているのもその証拠である。イデオロギーはともかく、共産党が主導する西部開発の結果、四川省やチベットでみたチベット族の生活は豊かになっており、日本の田舎が公共事業で潤い政治的に保守地盤が強いことと重なって見える。日本の場合、それでも沖縄では自民党の評価が低いのは、仕方がない。チベット民族が中国共産党を評価できない面があるのと同じである。
ダライラマが支配を続けていても、今日の中南米と同じようにアメリカの経済支配下では、現在のネパールやブータンと同じく経済発展は難しかったと予想される。時間が経過すればチベットの住民は共産党の政策を受け入れることになるであろう。

日本のメディアは例によって欧米メディアの情報の垂れ流しであるから、チベット問題の報道は、中国を悪、ダライラマを善とする報道であるが、そんなに単純ではない。ベトナム戦争時の日本のメディアは、ベトコン善、アメリカ悪の報道であったのだが、今ではすっかり嫌中ムードにのっかってしまっている。そうしないとニュースが売れないのであろう。なお、ベトナム戦争終了時、北ベトナム兵がサイゴン入りしたときに、その豊かさに驚いたという逸話も有名である。ハノイでベトナムの役人と会食をしたときに、日本はアメリカに負けて豊かになったが、ベトナムはアメリカに負けなかったからまだ豊かではないと20年前に聞かされた。そしてその話を北朝鮮でもした。北朝鮮もアメリカに負けてはいないからである。アフガニスタンもイラクもアメリカには負けていないといえるのか。まけたのであるが、豊かにはしてもらっていない。治安が悪くなっただけである。ないがよくて何がまずいのかよくわからない話である。物事には見方が二面あるということであり、評価が定まるには時間がかかるのである。

出発前に次の動画を見た。
https://www.youtube.com/watch?v=uBTqDcnmDVU
実録歴史】いったい正義は誰にあるのか!?悲しすぎるチベット問題の歴史
https://www.youtube.com/watch?v=g0ZsXdmY-pE

これに対して亡命側の動画もある
https://www.youtube.com/watch?v=J054cidpiGQ

ロシア対策で、イギリスのチベットのっとりが講じられる。シッキムチベット条約の二枚舌外交で、宗主権を持つ中国と、独立国チベットを使い分けた。日露戦争の結果ロシアが退くと、
ロシアを頼ったダライラマは亡命した。その一方パンチェンラマは中国を頼った。イギリスは清に賠償金を支払わせて宗主権を認めたのだが、辛亥革命後、シムラ条約でイギリスは再びチベットを独立国とした。マクマホンの活躍である。戦後、中華民国の宗主権を欧米列強は認めた。独立国とは認めなかった。パンチェンラマが台湾に逃げた中華民国によって発見される。
中国と一端締結した条約をダライラマは占いの結果で拒否したが、その背後にはアメリカがいた。1957年、CIAのたくらみでゲリラ活動を開始し、1959年にダライラマは亡命、1972年ニクソン訪中でCIAのチベット計画活動中止した。1974年からダライラマはCIAの資金提供を受けている。毎年18万ドルだそうである。

学術論文としてはチベットはなぜ国家承認されなかったのか 田﨑國彦があるが、動画の方がわかりやすいであろう。
https://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:D-i3kMXH6D4J:https://jissen.repo.nii.ac.jp/index.php%3Faction%3Dpages_view_main%26active_action%3Drepository_action_common_download%26item_id%3D373%26item_no%3D1%26attribute_id%3D18%26file_no%3D1%26page_id%3D13%26block_id%3D30+&cd=3&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

http://bismarks1976.blog92.fc2.com/blog-entry-40.html

ダライラマの伝記を映画にしたものに、「クンドゥン」がある。予告はhttps://youtu.be/D-nOYRCw4zw

河口慧海著『チベット旅行記』の記述  「ダージリン賛美が紹介されている」

世界人流観光施策風土記 ネットで見つけたチベット論議

『チベットの娘』リンチェン・ドルマ・タリン著三浦順子訳

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