*

『中国ライドシェア競争はすでに終結、米国Uber「外資本土化不成功」の魔手に阻まれる』

公開日: : 最終更新日:2023/05/16 ライドシェア, 中国人旅行者増大と白タク問題, 通訳案内と翻訳導游員

記録代わりに次の記事を掲載しておく。日本の状況がどういう状態かも理解できるであろう。国内市場を守ることに汲々としている間に世界は前へ進んでしまっているのである。
https://zuuonline.com/archives/165730

中国ライドシェア競争はすでに終結、米国Uber「外資本土化不成功」の魔手に阻まれる
世界各地でライドシェアが発達し、シェア争いが起こっている。日本人にはピンと来ないかもしれないが、中国では早くも決着が着き、現在は終戦後である。優歩(Uber)中国が“滴滴”に合併されて1年が立つ。かつて優歩は30カ月に及ぶ猛烈な活動を行っていたが“外資本土化不成功”の魔手を打破できなかった。Uberの中国での受難は世界戦略縮小への前奏曲か? 経済ニュースサイト「界面」は、Uber撤退1年に際し、ライドシェア業界の総括を行っている。

優歩(Uber)と滴滴の合併
Uber,シェアリングエコノミー,中国経済,界面
中国では既にUberは滴滴と合併しています (2016年5月撮影、写真=Natee Meepian/Shutterstock.com)
1年前の7月28日、“網約車経営服務管理暫辯法”が正式に発布され、ライドシェア(配車アプリ)の法的地位が明確となり、条件を満たした車とドライバーは正式に“運送業者”となった。そのわずか3日後、優歩(Uber)と滴滴の合併が発表された。この情報は多くの人を驚かせた。とくに優歩のドライバーにとっては寝耳に水だった。優歩のアプリは一夜にしてアクセスできなくなった。

これは優歩の中国人幹部たちをも驚かせるに十分だった。なぜなら当時Uberの全世界の都市別配車実績において、トップ10都市中の7都市が中国にあったからである。それが突然滴滴の一業務部門になってしまったからである。

2016年4月、正式合併の4カ月前、当時のUberカラニックCEOは滴滴と合併の可能性を考慮しつつ接触を開始した。Uber中国の財務責任者の告白によると、それより前の2015年9月以降、いろいろな異変が起こっていた。このころからドライバーへのインセンティブはは毎週のように大幅増加した。滴滴との間で“インセンティブ大戦”が勃発していたのだ。

2016年5月以降は米国本部との関係にも変化が生じた。Eメールのやり取りに支障が生じている。7月には人材招聘計画をスピードダウンさせた。それまでの猪突猛進ぶりからは考えられないことだった。

滴滴の最大株主に
そして8月1日、会社は突然空になった。カラニックは北京で合併を宣言すると翌日には中国を去っていった。

しかし投資収益率から分析すれば、Uberは利益を上げた。それは株式交換により滴滴の20%株主となったことである。滴滴の市場価値350億ドルのうち70億ドルがUberのものということだ。Uberの中国への投資は20億ドルだった。それが70億ドルで売れたに等しい。30カ月で3.5倍となったのだ。

それでもマスコミは、Uberは“外資本土化不成功”の魔手から逃れることはできなかった。Uberの撤退は2016年、ネット業界における最も遺憾な事件に一つと当時も現在も報じている。

不成功の根本原因とは
2015年8月、優歩(Uber)の中国戦略責任者は、優歩中国は、中国国内でのサービスシステムを確立した。優歩中国はすでに独立会社であると強調した。しかし記事はそうだろうか?グローバルに業務を標準化しようとする機構の一部ではなかったか、と疑問を呈している。

さらに問題点を挙げている。Uberのエンジニアや技術チームは米国から頻繁に出張し、中国固有の問題解決や内部システムの維持にあたった。こうした出張チームがUber北京で仕事に当たっていたとき、ライバルの滴滴には5500人の常勤エンジニアが同じように仕事をしていたのだ。

優歩中国にはグーグル技術者の出張支援があった。しかし滴滴には出資者でもある、アリババ、テンセントをはじめ強力な中国ネット企業の全面支援を受けていたなどである

これらも確かな原因であろう。しかしここでは中国における外資企業不成功の原因として、共通する原因を挙げておきたい。それは中国におけるビジネス事情があまりに非常識なため、現地は本社に説明することに疲れてしまうことだ。本社と現地との間が不信に陥るのである。それらの事情を真に理解できる海外担当取締役が本社に存在していないかぎり、どんな業種であれ成功はおぼつかない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

関連記事

no image

パッケージツアーとレンタカー

/http://www.jtb.co.jp/kokunai/promotion/theme/39

記事を読む

Google日本とBRIDJセミナー

1月28日Google日本の陣内裕樹氏に面談させてもらい、六本木ヒルズのオフィスを見せていただきまし

記事を読む

ライドシェア、ホームシェアに見る各国シェアリングエコノミー論の展開

1 シェアリングエコノミー論の登場  新経済連盟が2015年10月30日に「シェアリングエコノミー

記事を読む

no image

ヘルシンキのシェアリングエコノミー・サービス「Whim」

ヘルシンキのWhimがNewspicksで取り上げられて、好意的なコメントが多かった http:/

記事を読む

no image

crew の チップ 問題に関する東京交通新聞の報道

東京交通新聞で、担当局長が、CREWのチップについて、チップを推奨するようなHPは道路運送法の有償運

記事を読む

no image

ロンドンの観光ガイド付きレンタカー

ロンドンの観光ガイド付きレンタカーがネットに取り上げられていた。 運転手付きレンタカーの制度比較を

記事を読む

no image

「相乗り」「乗合」ライドシェア及びタクシー乗り放題制度(「タクシー定期券」)に関する大いなる誤解

2001年『モバイル交通革命』を出版したときに、乗り放題制度を提唱し、その前提にはライドシェアを置い

記事を読む

no image

ライドシェア「白タク」と健康食品の関係

有償運送サービスは、許可を受けたバス、タクシーでなければ営業できず、それ以外は違法というのが日本の制

記事を読む

no image

定額使い放題社会の先にあるもの 

「お金のない社会があったら」は、近年では忘れかけられているテーマです。共産主義国家が崩壊したことが原

記事を読む

no image

東京交通新聞 2021年5月投稿原稿 タクシー運賃等とパック料金の関係を理解するには

特別寄稿 タクシー運賃等とパック料金の関係を理解するには ㈱システムオリジン 人流

記事を読む

no image
🕌🎒2025シニアバックパッカー国連加盟国192か国達成の旅 計画作成

国連加盟国192か国を訪問するという計画も残り4か国となっている。その

no image
🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 福建省(24番目)厦門

中国渡航にビザが必要な段階で計画したので、金門島から廈門に渡る

🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 金門島

  昨夜桃園空港から台北駅に鉄道で移

no image
🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 台北

国連加盟国第一か国目は中国。1970年に香港、台湾と旅行した。当時は、

🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 パラオ共和国(国連加盟国188か国目)

    2024年12月4日早朝マニラから

→もっと見る

PAGE TOP ↑