定額使い放題社会の先にあるもの
「お金のない社会があったら」は、近年では忘れかけられているテーマです。共産主義国家が崩壊したことが原因かもしれませんが、国債の大量発行や日銀券の大量供給時代に再度考えてみるには、興味ふかいテーマです。
長嶋修氏は「空き家が蝕む日本」(ポプラ社)において「肉屋さんにゆけばタダでお肉がもらえ、野菜やお魚もタダで手に入ります・・・洋服もバスも電車もフリー。どんなサービスも自由に、無料で受けられるのです」と理想を記述しています。
この記述をヒントに、私が唱えている「月極め定額乗り放題輸送サービス」に、「飲み放題」「着放題」「住み放題」の使い放題社会が、その定額が国から保障される「ベイシックインカム」によって実現できるとすれば、一種の疑似共産社会が成立するのですね。
定額乗り放題制度は、原価が透けて見えやすい旅行業ビジネスモデルの脆弱性を補強する意味でも考え出したものですが、長嶋氏の記述をヒントに更に思考が進歩しました。
そもそも、モノやサービスの価格のうち、規制されているのものは暴利をむさぼらないという意味で、原価主義が採用されています。しかし、原価というものもフィクションで、世間の相場に従っているだけです。そう思えば定額使い放題制度が原価主義に反しているわけでもないわけです。
関連記事
-
-
中島洋『エネルギー改革が日本を救う』(日経BP社)を読んで、配車アプリを考える
昨日2015年3月25日夜、古い友人の中島洋氏と大門近くの居酒屋でお会いした。その時に日経BP社から
-
-
🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 韓国、台湾、香港等 運転手付きレンタカー制度の活躍 旅宅便(日本)は運行管理形式
済州島に行く機会があり、下調べをしているうち、運転手付きレンタカー制度が韓国には存在することに気が付
-
-
「ボランティアドライバー」 グローバリゼーションをダラスから考える 公研 2019年4月
ハンツヴィル 米国製造業の雇用がこの30年間で減少してきた原因は、グローバ
-
-
沖縄の中国人レンタカー報道
日本政府観光局(JNTO)が2016年6月20日に公表した訪日外国人のレンタカー利用状況に関する資料
-
-
新経済連盟の提言 「ライドシェア新法」の提案 に関する感想
新経済連が提案をしている。事務局から親切にも直接送っていただいた。役所の後輩が中心で活躍しているので
-
-
中国における配車アプリの動向
今後の外国人旅行者の増大を考慮すると、中国における配車アプリの動向は日本も無視できない影響力をもつも
-
-
crew の チップ 問題に関する東京交通新聞の報道
東京交通新聞で、担当局長が、CREWのチップについて、チップを推奨するようなHPは道路運送法の有償運
-
-
London Car Dispatch App Report ⑤ Uber
We reserve the Uber from tablet.
-
-
中国人白タク問題 運転手派遣業とレンタカーの組み合わせによる新規ビジネス
運送機能の分化:金沢学院大学の大学院の講義を契機に、二十年来運送機能の分化について考えてきている。
-
-
ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える
白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない
