*

Google日本とBRIDJセミナー

公開日: : 最終更新日:2023/05/20 ライドシェア, 配車アプリ

1月28日Google日本の陣内裕樹氏に面談させてもらい、六本木ヒルズのオフィスを見せていただきました(入館証の写真)。数年前偶然に機内で見た映画「インターンシップ」のイメージ通りのオフィスで感激しました。陣内氏はJTB社員の経歴があり、私がJTB時代にお世話になった鈴木雅己氏(執行役員)の紹介で、同じくjtb社員の野添幸太氏、江上顕生氏にも同行いただきました。Googleでは勤務時間中に自分の好きなことに2割の時間を使っていいという「20%ルール」があり日本でも適用されているようです。もっとも私も役人時代は20%ルールを自己流に使っていましたが。

Google社がUberへの出資等何故人流に興味があるのかを考えているのですが、ビッグデータの収集によるマーケティングの観点というより、世界中の情報過疎にある人たちに無償でデータを提供する社会的使命の観点から実施しているといったように受け止められました。いずれにしろ、Googleの観光データが無償で全世界の人達に提供されるようになれば、既存の有料観光案内は成り立たなくなるでしょう。逆に自治体がどれだけGoogleに映像を提供しても、世界中の自治体が提供していることが当たり前になりますから、ますます魅力ない資源は顧みられなくなります。私の言う、観光政策とは「売れないラーメンを売ることだ」という真実に近づくことになります。売れるラーメンは税金を使ってまで宣伝することはないのですから、売れないラーメン屋にこそ税金を使う必要があるということになります。ただし、そこまでする必要があるかという議論は残りますが。

Googleの動画の検索も文字検索だけではなく、顔認証のように非文字検索も導入されているようですから大変な時代になってきました。そのうちに音検索から匂い検索まで可能になるでしょう。2000年前後にNTTの友人からGoogleの存在を教えられ、何時の間にやらマイクロソフトの検索からGoogleの検索を使いだすようになったのですが、動画はどうするのか疑問に思っていました。しかし、人間が判断できることは機械で判断できるのでしょうから、もうあと少しの時間になったのでしょう。

六本木ヒルズを後にして、午後14時から運輸政策研究機構がホテルオオクラで開催したビッグデータのセミナーに参加しました。Uberのアジア地区担当の責任者の話を聞きたかったのですが、急にキャンセルになっていました。今逆風が吹いていますし、また国土交通省の外郭団体主催のセミナーですから遠慮したのかもしれません。

しかし、BRIDJの創業者の話を聞くことができました。内容的には人流研究所HPの「Uber等の動向」にもプレス報道の内容を掲載しておきましたが、目新しい話はありませんでした。2000年頃に桑原守ニ先生にご協力いただいた「位置情報研究会」で議論済みのことでしたが、アメリカのすごさはUberにしろBrijdにしろ実行することです。ただ、ビッグデータという表現は問題があり、本質的なことは「特定」多数にあると思っています。これまでは不特定多数と特定少数の交通市場に分類していたのですが、スマートフォンの登場により簡単に特定多数の市場が把握できるようになり、不特定多数ような概念を持ち出して公共交通と表現することが時代にそぐわなくなったのです。時刻表停車場方式にしがみつく規制制度を問いなおすべきでしょう。アメリカではそれが始まったということです。

日本では、規制を打ち破って実施したのはヤマトの宅急便程度ですが、その宅急便ブックサービスも、あっという間にアマゾンに追い抜かれ、今では足元にも及ばないようになってしまいました。アメリカ発の仕組みが日本を通り越して中国やインドで普及すると日本はますます交通後進国なり、国鉄改革を実施した日本の「誇り」までなくしてしまいかねません。国鉄改革も交通学者は誰ひとり参加していませんでしたから、改革実施者からは御用学者といわれたのですが、今回の位置情報活用も二の舞にならないように祈っています。

 

関連記事

no image

人流ビジネスと利用運送

旅客運送事業法が設備の数量規制を行っていた時代は、旅客運送行為は運送事業者が自ら行うことが前提となっ

記事を読む

ウーバーが「100ドルで乗り放題」 NYでも定額サービスを開始

フォーブスジャパンに乗り放題サービスの記事が出ているのをNEWSPICKSが紹介していた。

記事を読む

no image

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 韓国、台湾、香港等 運転手付きレンタカー制度の活躍 旅宅便(日本)は運行管理形式

済州島に行く機会があり、下調べをしているうち、運転手付きレンタカー制度が韓国には存在することに気が付

記事を読む

no image

『日本のタクシー産業』(太田和博等編著)の読後感想 

表記著作物は日本交通学会で表彰されており、目を通してみたが、 タクシー協会関係者を交えた勉強会をも

記事を読む

no image

白タクに関する記事の増加と、中国人の素朴な疑問(なぜ白タクがいけないのか?)

白タクに関する記事が増加している。日本のマスコミは付和雷同型の記事を書くから、誰かが情報操作に成功す

記事を読む

New 3PHL(Third party human logistics)  Transport app Moovit has arrived in Australia(http://mashable.com/2015/03/30/transport-app-moovit-australia/#:eyJzIjoiZiIsImkiOiJfeW80dTUya2M5cGVmdG95dSJ9)

ロンドンではタクシーの配車アプリを調査して、つくづく3PHL(サードパーティ人流)の時代が来ていると

記事を読む

November 3, 2016   Survey report No.3 on taxi dispatch application and tourism advertisement in New York by Japanese taxi business CEOs

   We visited the New York City Tourism Board.

記事を読む

ニューヨークのタクシーから予測すること ロボットタクシーよりも外国人運転者

VOAのニュースで、2016年4月の市議会で、外国語で与えられるべきタクシーライセンスを取得

記事を読む

no image

パチンコの換金用商品と白タクの謝礼

自動車運送の無償、有償解釈通達が出た。 法治国家であるから、きちんとした解釈をしないといけない

記事を読む

Boro Taxis(Green Cab) ニューヨーク市民の新たな足「ファイブボロー・タクシー」  ニューヨークのタクシー台数増加

かつては、車体を独特の黄色に塗装した"メダリオン・タクシー" (medallion taxicabs

記事を読む

no image
🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 福建省(24番目)厦門

中国渡航にビザが必要な段階で計画したので、金門島から廈門に渡る

🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 金門島

  昨夜桃園空港から台北駅に鉄道で移

no image
🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 台北

国連加盟国第一か国目は中国。1970年に香港、台湾と旅行した。当時は、

🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 パラオ共和国(国連加盟国188か国目)

    2024年12月4日早朝マニラから

🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 セブ・マクタン島

youtubeで、マゼランの世界一周を 取り上げた動画があり、船

→もっと見る

PAGE TOP ↑