Google日本とBRIDJセミナー
1月28日Google日本の陣内裕樹氏に面談させてもらい、六本木ヒルズのオフィスを見せていただきました(入館証の写真)。数年前偶然に機内で見た映画「インターンシップ」のイメージ通りのオフィスで感激しました。陣内氏はJTB社員の経歴があり、私がJTB時代にお世話になった鈴木雅己氏(執行役員)の紹介で、同じくjtb社員の野添幸太氏、江上顕生氏にも同行いただきました。Googleでは勤務時間中に自分の好きなことに2割の時間を使っていいという「20%ルール」があり日本でも適用されているようです。もっとも私も役人時代は20%ルールを自己流に使っていましたが。
Google社がUberへの出資等何故人流に興味があるのかを考えているのですが、ビッグデータの収集によるマーケティングの観点というより、世界中の情報過疎にある人たちに無償でデータを提供する社会的使命の観点から実施しているといったように受け止められました。いずれにしろ、Googleの観光データが無償で全世界の人達に提供されるようになれば、既存の有料観光案内は成り立たなくなるでしょう。逆に自治体がどれだけGoogleに映像を提供しても、世界中の自治体が提供していることが当たり前になりますから、ますます魅力ない資源は顧みられなくなります。私の言う、観光政策とは「売れないラーメンを売ることだ」という真実に近づくことになります。売れるラーメンは税金を使ってまで宣伝することはないのですから、売れないラーメン屋にこそ税金を使う必要があるということになります。ただし、そこまでする必要があるかという議論は残りますが。
Googleの動画の検索も文字検索だけではなく、顔認証のように非文字検索も導入されているようですから大変な時代になってきました。そのうちに音検索から匂い検索まで可能になるでしょう。2000年前後にNTTの友人からGoogleの存在を教えられ、何時の間にやらマイクロソフトの検索からGoogleの検索を使いだすようになったのですが、動画はどうするのか疑問に思っていました。しかし、人間が判断できることは機械で判断できるのでしょうから、もうあと少しの時間になったのでしょう。
六本木ヒルズを後にして、午後14時から運輸政策研究機構がホテルオオクラで開催したビッグデータのセミナーに参加しました。Uberのアジア地区担当の責任者の話を聞きたかったのですが、急にキャンセルになっていました。今逆風が吹いていますし、また国土交通省の外郭団体主催のセミナーですから遠慮したのかもしれません。
しかし、BRIDJの創業者の話を聞くことができました。内容的には人流研究所HPの「Uber等の動向」にもプレス報道の内容を掲載しておきましたが、目新しい話はありませんでした。2000年頃に桑原守ニ先生にご協力いただいた「位置情報研究会」で議論済みのことでしたが、アメリカのすごさはUberにしろBrijdにしろ実行することです。ただ、ビッグデータという表現は問題があり、本質的なことは「特定」多数にあると思っています。これまでは不特定多数と特定少数の交通市場に分類していたのですが、スマートフォンの登場により簡単に特定多数の市場が把握できるようになり、不特定多数ような概念を持ち出して公共交通と表現することが時代にそぐわなくなったのです。時刻表停車場方式にしがみつく規制制度を問いなおすべきでしょう。アメリカではそれが始まったということです。
日本では、規制を打ち破って実施したのはヤマトの宅急便程度ですが、その宅急便ブックサービスも、あっという間にアマゾンに追い抜かれ、今では足元にも及ばないようになってしまいました。アメリカ発の仕組みが日本を通り越して中国やインドで普及すると日本はますます交通後進国なり、国鉄改革を実施した日本の「誇り」までなくしてしまいかねません。国鉄改革も交通学者は誰ひとり参加していませんでしたから、改革実施者からは御用学者といわれたのですが、今回の位置情報活用も二の舞にならないように祈っています。
関連記事
-
-
🌍👜 🚖シニアバックパッカーの旅 2018年9月10日 チームネクストモスクワ調査➂ モスクワ大学での意見交換会
今回モスクワ大学を訪問で来たのは、鳩山紀一郎長岡科学技術大学准教授のおかげである。氏はモスクワ大学
-
-
事業所管官庁と規制官庁 グレーゾーン解消制度の運用に関する感想
若いころ、運輸省大臣官房情報管理部情報処理課に勤務した。当時から何をしているところですかと聴かれ困っ
-
-
旅行業法の不思議③ 「旅行業務取扱料金」と「定額タクシー料金制度」
旅行業務取扱管理者試験では、「旅行業者は料金を定め観光庁長官の認可を受けなければならないか否か」とい
-
-
November 1, 2016 Survey report No.1 on taxi dispatch application and tourism advertisement in New York by Japanese taxi business CEOs
We gathered at Narita Airport. It is departure at
-
-
メディアやセミナーに踊らされるMaaS
Mobility as a Service(MaaS)とは、運営主体を問わず、情報通信技術を活用
-
-
パブリックコメント「道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について」の一部改正に関する意見公募について
道路運送法の有償性に関する事務連絡の改正が検討されており、パブリックコメントが募集されたので、応募し
-
-
ライドシェア(Lyft)容認の際のニューヨーク市交通委員会委員長のテレビ発言
Lyftがニューヨークで認められた際のニューヨーク市交通員会委員長(女性)のCNBCのテレビ出演での
-
-
配車アプリの社会問題化
「Uber登録ドライバーが客を誘拐してレイプする事件発生、他の国でもトラブルあり」と報道されています
-
-
🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 ロンドン配車アプリ調査⑥(まとめ) 人流サードパーティ(3PHL)の将来
人流を考察していると絶えず物流の世界を追いかけていると感じる。コンテナの出現により海運同盟が崩壊し、
-
-
🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 ロンドン配車アプリ調査③ hailoの見学
本社はサマセットハウスの一般オフィスの中にあり、IT