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<中国人白タク>横行も検挙困難…スマホ決済で 数千人登録 8/27(日) 9:00配信 毎日新聞

公開日: : 最終更新日:2023/05/16 ライドシェア, 通訳案内と翻訳導游員

下記記事がようやく一般紙でも出てきたが、既にブログで数回紹介した通りである。取引が中国内で完結していた場合、中国法の適用になるとすれば、中国の白タク行為の違反に問われるかもしれないが、日本の道路運送法違反として取り上げるには困難である。税は実質主義だから申告していないと脱税になるようである。
しかし、事業法ではそれ以前に、中国語のできるタクシー運転手がいない以上、4000万人の外客誘致のインバウンド政策上取り締まる大義が立たないことにもなる。
現在、通訳案内士法が適用になり、通訳案内士がマイカーの無償運送で、通訳案内をすることは、白タク行為ではないとされているが、通訳案内士の絶対量が不足している。そこで、通訳案内士法が改正され、名称独占になった。通訳案内サービスは中国語ができて、観光案内ができる知識があれば、誰でもできることとなった。マイカーの無償運送であれば、白タク行為ではなくて通訳案内サービスができることとなったから、合法性は確保できるようになった。タクシー業界からはクレームがつく可能性があるが、仮にマイカーの無償運送ができないとすると、今度は規制強化になり、何のために通訳案内士法を改正したのかということになりかねない。法解釈上は無償運送であれば通訳案内サービスである限り、白タク行為ではないということになろう。ただし、事故が発生した場合に、政治情勢で禁止される可能性は残されているが、そもそも法の欠陥であり、裁判ではひっくり返る可能性の方が高く、ましてや中国内での取引ということになれば、白タク行為での取り締まりは困難であろう。

【上海・林哲平】旅行熱が続く中国からの観光客を当て込んだ「中国式白タク」が、成田空港や関西国際空港など日本各地の空港で横行している。「中国人による送迎・ガイド」をうたい、中国の業者に登録した在日中国人が自家用車を運転。集客から支払いまでスマートフォン上で完結するため、取り締まりを免れるケースが大半だ。急速なキャッシュレス化が進む中国。日本側の対応が追いついていないのが現状だ。
https://mainichi.jp/graphs/20170827/hpj/00m/040/001000g/1
◇来日前に予約 空港にお迎え  中国式白タクは、運営する中国業者のスマホアプリで客が出発地と目的地、利用時刻を選べば、業者から日本にいる運転手に手配が届く仕組みだ。運転手が中国系のため、客は同胞意識と言葉が通じる安心感を抱く。関西方面を旅行した際に利用した男性によると、飛行機が関西空港へ着陸すると、スマホに中国語で「あなたの運転手です。外でお待ちしています」というメッセージが届いた。指定された送迎用エリアでは、黒いワンボックス車の前でスーツ姿の男性が出迎えてくれた。空港から新大阪駅までタクシーでは1万8000円程度かかるが、白タクなら630元(約1万円)だ。 日本旅行の際によく利用するという上海の医師(46)は「便利だから使う。中国で日本人運転手がいれば使いませんか?」という。中国ではスマホを使った決済が市場でも使われるなど生活に浸透しており、自家用車を使った送迎サービスのアプリも人気だ。 関西国際空港タクシー運営協議会の川崎孝治専務理事は「中国の生活空間が日本の中にそっくり移ってきたようなもの」と指摘。中国の大手業者のアプリには東京1800人、大阪1200人、北海道280人など、日本各地で数千人の在日中国人らが運転手として登録している。日本での中国式白タクの目撃情報は数年前から集まり始めた。有償で客を運ぶのに必要な国の許可を得ておらず、道路運送法違反にあたる疑いが強い。川崎専務理事は「タクシーは客の命を預かっている。保険がなく、事故があっても客や相手方が守られない」と取り締まりを求める。また、日本での売り上げを中国で計上する業者も多いとみられ、日本で納税されることはない。近畿運輸局などは今年2度、対策会議を開き、成田空港会社も「警察との情報共有を進めている」と明らかにした。ただ、支払いを含めてやりとりはすべてスマホ上で進められ、日本では客を運ぶだけ。警察の職務質問に運転手が「友人を乗せている」と答えれば、それ以上の追及は困難だ。沖縄県警は今年6月、白タク行為をしていたとして、中国籍の男2人を道路運送法違反容疑で逮捕した。中国式白タクの初検挙だった。ただ、県警によると、別の事件で逮捕された両容疑者の口座などを調べる中で証拠を確保できた珍しいケースだった。近畿運輸局は「実態把握が難しい」と指摘している。

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