*

中東のタクシーの「エンゲイジ(貸切)」は逆転の発想 

公開日: : 最終更新日:2023/05/28 ライドシェア

2月に予定していた中東、バルカン旅行を5月に延期した。
自己手配なので、予約のサイクルが狂うと全体がうまくセットできない。
昨年はうまくいったので油断していたら、ドーハまでのマイレージの優先席がほとんど埋まってしまっていた。
このあたりの旅行情報が向こうから飛び込んでくるといいのだが、
今のところアマゾンが本を推薦したり、グルナビがレストランをお昼時に近くのレストランを紹介する程度である。
タクシーが顧客を先回りして迎えに行きましょうかというようなことは、今の段階では難しい。

航空機の予約と宿の予約とランドの予約をうまく組み合わせないといけないが、きわどい時間になる場合、空港・ホテル間の移動が問題となる。
ネット予約の際に、最近はホテルに空港シャトルを希望するか否かまで朝食と同じように登録できる。到着のフライト情報を記入しておくのである。
相場は20ドルくらいという感じがする。HIS等に依頼して、別途ネットで送迎を手配すると50ドルくらいするから、安上がりである。
ホテル代込みの移動サービスなら日本の東横インなどもやっていた(バス代をゼロということにしているから宿代に含まれているのであろう)。
朝食代込みは常識化してきており、入っていないほうを確認しないといけなくなってきているから、
空港シャトルも海外のネット手配では次第に当たり前になってきたのであろう。

さて、中東・バルカンのタクシーであるが、「地球の歩き方」を読んでいると、乗り合いタクシが一般的に存在するように書いてある。
使われているのかはわからないが。
昔から東南アジアでは、乗り合い型のジットニーやジプニーが街中で普及していたが、中東までは知らなかった。
携帯が普及すればこれからもっと普及するのか興味がある。

東南アジアではuberに対抗してタクシーの配車アプリがいろいろ出てきているが、貸切である以上本質的な差は出てこないはずである。
むしろ、昔からある乗合型のジプニー等が配車アプリの中に組み込まれ始めたら新基軸である。
アメリカのUBERもUberpoolでは苦戦している。ロンドン交通局が推薦していたMaaxiもアイデア倒れになった。
東南アジアは昔からこの乗合がリアルに存在している。
角本良平氏はむかし、この乗合型を遅れた形態で、いずれなくなるといっていたが、未だに根を張っているから、面白い。
ここに目をつけた配車アプリが東南アジアで登場してくるか楽しみである。

鉄道の独占禁止規制から始まった英米法のコモンキャリアー概念は「乗合」が前提である。
バスも乗合はコモンキャリアなのであるが、貸切バスやタクシーはコモンキャリアではない。
この思想は全米に広がっているから、西海岸も東海岸も、流しをしない車庫待ち貸切自動車は規制が少ないのである。
uberが普及できたのである。西海岸も東海岸も基本は同じである。

この乗合と貸切がモバイルにより相対化するという仮説をモバイル交通革命で唱えたが、
モバイルがなくても相対化する場合があるようだ。
オマーンのタクシーは最初に乗った乗客が「エンゲイジ(貸切)」といわないと、
途中で運転手が他のお客を拾うことができると「地球の歩き方」に書いてあった。
乗合と貸切の発想が逆転してしまっているところが、面白い。
台数が不足するところでは、乗客どおしの喧嘩にならずに済むのであろう。
阪急の乗合タクシーが始まった時の発想と同じである。

日本も道路運送法でも「エンゲイジ」制度は導入できる。
道路運送法は乗り合いの許可制度を法定しているからである。
過疎地域なら可能性があるかもしれない。高校生が朝の通学でうまく使うかもしれない。
運転手はスマホで途中で呼ばれたら、相乗りさせるようにすれば、
タクシーも公共交通機関としてバス並みに扱ってもらえるのであろう。
昔ならバスを守るために役所はこの相乗りタクシーを抑えた。道路運送法はそのために存在した。
今は守らなければならないバスが弱り切っているから、過疎地域の乗客が困っているのである。

地方のマスコミも乗り合いタクシーを取り上げるのは、
潜在的に乗合が公共だと思っているからであろう。

関連記事

配車アプリー今年を総括するー総合生活移動サービスの将来

配車アプリが登場した当初はネット社会では大歓迎で、Uber等の企業評価額も天井知らずでした。欧州でタ

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 ロンドン配車アプリ調査③ hailoの見学

    本社はサマセットハウスの一般オフィスの中にあり、IT

記事を読む

no image

googleタクシーの記事

日経新聞にGoogleの無料送迎タクシーの記事が出ていた。概念そのものはすでに周知のことで、私も講義

記事を読む

no image

Uberが定額乗り放題タクシー実施

NEWSPICKに下記記事が取り上げられていた。 http://www.gizmodo.jp/20

記事を読む

沖縄の中国人レンタカー報道

日本政府観光局(JNTO)が2016年6月20日に公表した訪日外国人のレンタカー利用状況に関する資料

記事を読む

no image

野波健蔵氏のドローンの話 2016年4月6日 サトーホルディングス講演会

サトーホールディングスの小玉昌央さんのご配慮で、ドローン問題の第一人者の野波健蔵氏の話を聞く機会を得

記事を読む

ライドシェア、ホームシェアに見る各国シェアリングエコノミー論の展開

1 シェアリングエコノミー論の登場  新経済連盟が2015年10月30日に「シェアリングエコノミー

記事を読む

no image

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 動画で見る世界人流観光施策風土記 2016年11月2日 チームネクスト合宿 in ニューヨーク 2日目 その他

記事を読む

no image

旅行業法と道路運送法等の関係について  東京交通新聞2021年5月17日

5月17日 特別寄稿=人流・観光研究所所長、寺前秀一氏、「公共交通運賃とパック料金

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 2018年9月12日 チームネクストモスクワ調査⑥ モスクワ市交通局等

モスクワ市の国際局の取り計らいで交通局及び観光局を訪問し、意見交換した。観光局からは最近のモスク

記事を読む

no image
🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 福建省(24番目)厦門

中国渡航にビザが必要な段階で計画したので、金門島から廈門に渡る

🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 金門島

  昨夜桃園空港から台北駅に鉄道で移

no image
🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 台北

国連加盟国第一か国目は中国。1970年に香港、台湾と旅行した。当時は、

🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 パラオ共和国(国連加盟国188か国目)

    2024年12月4日早朝マニラから

🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 セブ・マクタン島

youtubeで、マゼランの世界一周を 取り上げた動画があり、船

→もっと見る

PAGE TOP ↑