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タクシー運転手の労働条件 『タクシーほど気楽な商売はない』を読んで

 

「タクシ運転手」という職業は一般によく知られていますし、テレビドラマ等でもよく登場するのですが、その労働条件につていは意外と正確な情報が少ないようです。勿論私も通り一遍のことしか知りません。

大型書店で最近どのような単行本が陳列されているか、時折のぞきに行くのですが、たまたまタクシー関係の書籍が目に入りました。戸崎肇著の「タクシーに未来はあるか」(学文社2008年)と下田大気著「タクシーほど気楽な商売はない」(光文社2012年)です。

前者はタクシーの地方分権を主張されておられる点で私の考え方と同じです。しかし、ツアーバスに関して「路線営業の認可を正式に受けていないのに、あたかもそうであるかのように営業を行っている」(p.28)という記述がみられました。私のHPをよく読んでいただいている読者でしたら、この記述は、パッケージツアーの間際予約の仕組みを詳しく理解されていないことに気がつかれると思います。バスや鉄道、航空機等をチャーターしてパック商品を構成し、個別の利用者に広く募集をかけることは、旅行業法でみとめられた正常な営業行為です。スマホ等の普及により間際予約が可能となってきましたから、ツアーバスという形態も普及したのです。戸崎氏はツアーバスの仕組みが安全を阻害していると認識されていたようです。

しかし、実運送行為を提供するバス運転手の安全運転条件の順守は、ツアーバスに限らず当然の問題です。私はパック商品の販売者に対しては、ドイツの旅行業制度のように、上限を設けた請負責任を持つ制度に改正べきだと思っています。そうすれば、下請バス会社の運転手の安全運転条件にも目をひからせざるを得なくなると思っています。

クロアチアをバス旅行した時に、バス運転手さんの連続運転が制限されているようで、途中で警察の検問があって違反が見つかれば、乗客の存在などお構いなしに運行停止になるときかされました。日本も営業自家用区分を分けないですべて自治体警察権限にすれば、実際問題としての厳しい取り締まりが可能になります。

タクシ運転手さんの収入が低いというイメージが、タクシー事業の再規制をめぐって相当程度に強くなりました。そのためなのか、東京オリンピックを迎え労働力不足に陥りだした東京圏では、運転手不足が問題となり始めました。

そこで、タクシー運転手の仕事が魅力的であるというPRをしなければなりません。この下田大気さんの著作物では、まず、「この仕事は1カ月の乗車上限時間が決められています。ですから1カ月に最高で13日の労働しかできません。逆に17~18日は休みです。こんなに休日が多い仕事ってほかにありますか?」(p.3)といきなり引きづり込まれるような表現が出てきます。そしてだめ押しは「ちなみに僕はタクシー運転手の仕事だけで年収800万円を得ています」です。800万円は無理でも頑張れば若くても高収入が得られるということを訴えています。

これまでタクシー関係者が賃金等の条件の劣悪さを煽っていた時は、年金受給を受けながらの所得制限を気にする高齢者運転手や、アルバイト的運転手の数字も併せて利用していたということです。少なくとも東京では努力と工夫次第で、利用者にもドライバーにも、そして経営者にもウィンウィンとなることが可能な市場が目の前にあるということを、若い下田さんは彼流の表現で主張しています。

海外ではUberやHailo等が話題になっているように、スマホ社会では経営者が頭を使ったシステムづくりを行えば、投資先として大きな可能性のある分野と認識されています。Googleは人流情報に目を向けているのです。このことは東京交通新聞交通論壇の投稿記事でも述べさせていただいています。ブログにも再掲しておりますのでご一読ください。

なお、 12月5日、帝京平成大学の私の授業(インターンシップ論)で、外国人利用向けも含めて大学卒ドライバーの確保の観点から、国際自動車藤森副社長(東京ハイヤータクシー協会副会長)さんに企業・業界案内をしていただきました。利用者の半数が女性であること等への対応から女性乗務員も増加しているようです。営業用の運転免許も会社でとらせていただけるようです。詳しいことは取材していただいた東京交通新聞に掲載される予定です。

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