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ガイドと交通手段

公開日: : 最終更新日:2017/08/31 通訳案内と翻訳導游員

ランデル洋子氏のブログ記事
http://tsuhon.jp/column/387
「そんな時に、通訳ガイドがレンタカーやマイカーで案内ができたらどんなに良いでしょう。
もちろんタクシーやハイヤー、貸切車両が利用できれば問題ないのですが、それではタクシー代に加えてガイド費用を払うことになるので個人客にとっては費用がかかりすぎ、
「ガイド自身が運転して連れて行ってくれれば便利なのだが」
という声が上がってくるのです。
「車両に関わる料金を請求しなければ、通訳ガイドが車両を使って通訳ガイド業務を行っても良い」
観光庁はこのような見解なので、うまく環境に適応できればこれもセールスポイントが強いガイドスタイルかもしれません。
しかし一方で「白タク営業の助長につながる」と懸念する見方や、事故の際の保障や各種のトラブルに十分対応できるかどうかという不安点も否めません。ガイド報酬の中にガソリン代や車両経費が含まれていると見なされれば問題となりますので、このグレー部分を明確にできるかどうかがポイントでしょう。」

少し解説を加えると、自動車局旅客課長の事務連絡では、実費をもらうことは有償には該当しないという解釈ですから、ガソリン代、駐車場料金、通行料は構わないのでしょうし、事務連絡にはそのように明記されています。車両経費は会社に幅があり問題になるかもしれません。

同じテーマでの記事があります。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/6571954.html
「東北を中心にして、余っている時間を利用して外国人旅行者の観光の手伝いをする仕事をしたいと思っています、普通1種免許しか持っていない私が旅行者の運転手をして対価をもらうことは違法なようです、そこで質問なのですが、私はカメラが趣味なので「私はカメラマンの卵です1日3万円で専属カメラマンします、ご希望撮影ポイントまで距離無制限で車でお送りもします人数は4人までOKです」と言うような宣伝でお客さんをとったら違法になるのでしょうか?頂くのはあくまで撮影料と言う名目で移動は無料です お客さんの中には「写真は2~3枚で十分だけど1日距離無制限運転手つき4人で割り勘したら激安だな」と申し込む人や、「最初は空港で撮影、次は神社で次は水族館で次は今夜宿泊する旅館で撮影したいから移動してください、ついでにお勧めの撮影スポットのある旅館も紹介して」となって結果的に「観光タクシー」のように利用されることもあるかもしれませんこのような場合法律的に問題ないでしょうか?
その他にももしこのビジネスモデルで気をつけるべき点があれば教えてください。」という質問に対し

「通訳案内士資格で個人タクシードライバーをしています。無償での送迎であれば白タク行為になりませんから、そこをはっきりしておけばいいでしょう。つまり、料金を距離に関係なく一定にしておく。領収書を発行し、車の料金でない旨、判るように記載する。たとえ、ガソリン代でもわずかな金額をとれば、「有償」と見なされます
実際のところ、現在京都や奈良の観光地では韓国やロシアの無資格ガイド達が、白ナンバーの車を使って自国の観光客の案内を堂々とやっています。検挙された話は一度も聞きません。外国人をガイドするにも資格が要りますが、撮影や単なる会話なら問題ありません。ただ、撮影料として3万円の料金だと、車代が含まれていると疑われるかもしれませんね。」という回答がありました。ガソリン代については誤解しているようですね。
白タク行為は、例えば、http://www.yiqihi.com/等で堂々と行われています。中国人が中国で作成しているサイトですから、すべてが違法ではありませんが、日本国内での中国人運転手が自家用車での運送引き受けを行っています。契約が中国で締結されていれば道路運送法違反ではないという解釈も成り立ちますが、中国国内法に触れるでしょうね。しかし、中国語のできないタクシー、バスの運転手さんしかいない実情では、違反だといってみたところで、インバウンドを推奨している国策にはあいませんから、順法精神云々といってみたところで始まりません。そこで通訳案内士法が改正され、通訳案内サービスが自由化されました。通訳案内として自家用車を使用することはこれまでも認められてきましたから、実情に合わせて通訳案内のできる人を増やしたにも関わらず、これを禁止することは実情を無視することになり大混乱するでしょう。

なお、2012年の派遣法の改正で運転手付きのレンタカーの営業が出来るようになりました。
正確にはレンタカー会社が運転手を用意する事は違法行為になりますが、運転手を派遣する会社の運転手がレンタカーを運転する事は可能です。また、運転手を派遣する会社がレンタカーを斡旋すると違法行為になりますのでご注意下さい。心配であれば警視庁にお問い合わせ下されば確認できます。保険はレンタカーに付随する保険で対応。東京でこのサービスを行っている業者は2件あります。一つは「旅宅便」  http://tabitakubin.com/
もう一つは「RD運転代行のドレンタ」  http://rescuedriver.her.jp/contents05.html
です。

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