通訳案内士の禁止行為
公開日:
:
最終更新日:2023/05/16
ライドシェア, 通訳案内と翻訳導游員
通訳案内士協会のHP https://www.guidesearch.info/search
「法律上の注意:
日本の通訳案内士法では、国家資格通訳案内士・地域限定通訳案内士だけが有償での通訳案内業務を行うことができると規定されており、それ以外の者が有償で行うと法律で罰せられます。なお、車・バスを通訳案内士が運転して案内する場合は自動車二種免許や他の所定の資格が必要になり、そうした資格を持たない通訳案内士に車・バスの運転をさせることは法律で禁じられております。また、観光に関わる旅行者の入場料や食費、交通費を通訳ガイド料に含めることは旅行業法で禁止されておりますので、原則としてこれらは旅行者の別途自己負担となります。詳しくは通訳ガイド料金規定(約款)をご覧」と記述されている。
通訳案内士が自動車を運転して案内する場合に、運転免許が必要であるのは当然として、二種免許が必要である言う記述は理解ができない。また「観光に関わる旅行者の入場料や食費、交通費を通訳ガイド料に含めることは旅行業法で禁止」という記述もわからない。旅行業法では、交通費、宿泊費とその他のサービスを組み合わせると、手配旅行の登録が必要であるということだけであり、禁止はされていない。ましては食費や、入場料は無関係である。
なお、この記述で気が付いた重要な点は、自家用車で「通訳案内サービス」を行う場合、運送は無償であるという説明をするために、鉄道等の公共交通機関を利用する場合も、「通訳案内サービス」料金は同一であると説明をすると、自家用車以外の場合は、募集型企画旅行に該当することになる。つまり、運送に他のサービスを組み合わせることになるからである。従って、はやり、通訳案内サービスを販売する場合、旅行業の登録をして行った方が適法ということになる。自家用車利用の場合は、空振りになると思っておけばよいであろう。
この疑問のもと、同協会の様子を伺ったところ、来年の法改正施行に向けて修正を検討しているようである。
通訳案内士の自家用車による無償運送は自由にできるという見解は同協会でも同意見であり、確立したもののようである。
他の商品との組み合わせは、原則論はともかく、顧客の要望に応じて、列車の手配を行うことは行われるようである。その場合の価格が、通訳サービスと交通費込みで包括料金であれば企画旅行、単に交通費上乗せであれば手配旅行になるが、個人事業の通訳案内士が旅行業の登録を行って営業することは非現実的でもある。従って、料金上乗せは事実上の行為として行っていると解釈するしかないであろう。
通訳案内サービスをネットで提供するばあい、ネット業者が旅行業の登録を行うのであれば、問題ないが、UBER、AIRBNBのようにプラットフォーム業者に徹すると問題化する。要検討課題である。
関連記事
-
-
🗾🚖シニアバックパッカー 2019年2月4~5日 チームネクストi 淡路島 Uber見学
チームネクストのUber見学に参加するため、久しぶりに淡路島に行ってきた。 大阪空
-
-
帝京平成大学観光経営学科インターンシップ講義(国際自動車)の概況
現在の大学生の就職状況は、有効求人倍率も一を超え、職種を問わなければ誰でも就職できる状況です。タクシ
-
-
「ボランティアドライバー」 グローバリゼーションをダラスから考える 公研 2019年4月
ハンツヴィル 米国製造業の雇用がこの30年間で減少してきた原因は、グローバ
-
-
🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 2019年9月11日 チームネクスト 清華大学やDiDiで考えさせられた無人運転車
筆者の参加しているタクシー事業者等の研究グループ(チームネクスト)で、恒例の海外視察に参加した。
-
-
🌍👜 🚖シニアバックパッカーの旅 2018年9月11日 チームネクストモスクワ調査⑤ Fusion Auto社 ワールドカップ対策
Fusion Auto社Fusion Auto社は6月14日~8月15日にロシアで開催されたワール
-
-
🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 世界人流観光施策風土記 2017年9月 フィリピンはマニラの観光・交通事情 承前
フィリピンの首都マニラに9月11日から15日まで、チームネクストの調査に参加する。 フィリピンは今
-
-
歴史は繰り返す 悪質(?)ランドオペレーター対策 米人保護→日本人保護→中国人保護
戦後まで一貫して観光政策はインバウンドであった。外貨獲得が目的である。国際観光ホテル整備法、通訳案内
-
-
マニラのUber報道 ‘Defiant’ Uber probed; execs air lament
http://newsinfo.inquirer.net/919535/defiant-uber-p
-
-
黒船はUberではなく中国の配車アプリ
下田沖にあらわれた「黒船」は一年前からくることがわかっていたから、江戸住民は弁当をもって見学に集まっ
-
-
モバイル交通革命で構想したこと シェアショウファー
人流観光研究所にメールが来ていた。自家用運転手のシェリングの構想について意見を聞かれたのである。複数