*

歴史は繰り返す 悪質(?)ランドオペレーター対策 米人保護→日本人保護→中国人保護

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 ライドシェア

戦後まで一貫して観光政策はインバウンドであった。外貨獲得が目的である。国際観光ホテル整備法、通訳案内業法などが制定された。1952年施政権が返還されるに伴い、米人観光客保護のため、国内の悪質旅行手配師をどう取り締まるかが議論となり、旅行あっせん業法が制定された。それまではGHQがいたから、十分に取締りができたということのようであった。

1971年、訪日外客数を日本人海外旅行者数が上回った。それと共に海外での事故も多くなり、日本人旅行者の保護が政策になり、旅行業法に全面改正された。アウトバウンド政策の始まりである。日本の旅行業者は集客競争のため、価格を低くおさえるので、海外のランドオペレーターは、土産店、風俗店等に案内し、キックバック等で採算をとる実態が蔓延していたから、海外での日本人旅行者の安全対策などは当然配慮されなかった。そのため、西ドイツほどは徹底しなかった(請負責任を認めなかった)が、日本の立法で措置をしたのである。なお、エアラインからのキックバックは全体で数千億の巨額に上り国会でも問題になったが、合法な取引であるとの政府委員の答弁がなされている。このことにより、航空運賃の規制緩和が大幅に促進されることになった。

2018年 中国人観光客の急増により、日本での免税店への誘導等が話題になった。中国国内の旅行業者が、競争激化から日本向けの低価格商品を仕立てる結果、キックバックビジネスが起きたのである。このビジネスモデルは日本の旅行会社が既に取り入れていたものである。バブル期は日本国内の現象でもあった。東京オリンピックを控え、インバウンド政策として、ランド規制が復活した。今度は中国人観光客保護というか、日本の観光業界の正常化であったが、既に爆買い現象は越境ECに話題は移っているから、キックバック額もその分減少しているであろう。ランド規制だけが残ることになりかねない。

面白いもので、経済大国になる順で、ランド規制がわが国では行われてきたということになるのである。

関連記事

no image

マニラのUber報道 ‘Defiant’ Uber probed; execs air lament

http://newsinfo.inquirer.net/919535/defiant-uber-p

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 ロンドン配車アプリ調査⑤ Uberが投げかけた問題~スピード感の違い~

① Uberへの配車依頼 タブレットから日本でダウンロードしたUberのappにより予

記事を読む

タクシー運転手の労働条件 『タクシーほど気楽な商売はない』を読んで

  「タクシ運転手」という職業は一般によく知られていますし、テレビドラマ等でもよく登

記事を読む

London Car Dispatch App Report ④ Dispatch app business of Addison Lee

In Addison Lee Corp. we got the explanation from M

記事を読む

🌍👜 🚖シニアバックパッカーの旅 2018年9月11日 チームネクストモスクワ調査⑤ Fusion Auto社 ワールドカップ対策

Fusion Auto社Fusion Auto社は6月14日~8月15日にロシアで開催されたワール

記事を読む

no image

ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える

白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 動画で見る世界人流観光施策風土記 2016年11月4日 チームネクスト合宿 in ニューヨーク 4日目 配車アプリ関係者ヒアリング

朝ホテルで朝食。そのあと、地下鉄でStonewallに行く。地下鉄のチケットの買い方一つでも戸惑うも

記事を読む

no image

野波健蔵氏のドローンの話 2016年4月6日 サトーホルディングス講演会

サトーホールディングスの小玉昌央さんのご配慮で、ドローン問題の第一人者の野波健蔵氏の話を聞く機会を得

記事を読む

配車アプリの社会問題化

「Uber登録ドライバーが客を誘拐してレイプする事件発生、他の国でもトラブルあり」と報道されています

記事を読む

配車アプリの話題と将来  Hailoと提携しているナニワ交通を訪問して

○巨額投資を呼び込む配車アプリ会社 タクシーアプリが話題になっています。Hailo等はロンドン

記事を読む

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

2025年11月22日地球落穂ひろいの旅 プンタアレナス

旅程作成で、ウシュアイアとプンタアレナスの順序を考えた結果、パスクワか

2025年11月19日~21日 地球落穂ひろいの旅イースター島(ラパヌイ) 

チリへの訪問は2014年に国連加盟国 として訪問済み。イースタ

→もっと見る

PAGE TOP ↑