乗合タクシー① 米国イスラエルで成功しているVIAについて 貸切と乗合の相対化の実現
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最終更新日:2023/05/30
ライドシェア
基本認識
日本で乗合タクシーの実証実験が始まるようだが、既に全国で乗合タクシーは実施されている。
高度経済成長期、鉄道が郊外に延びてゆき、バス路線が追い付かなかった時代に、阪急タクシーが阪急沿線で団地向けに始めたのが走りであり、私が運輸省に入省する以前のことであるから、50年の歴史がある。深夜の郊外駅にサラリーマンが到着すると、タクシーが不足しており、我先にと乗り場に急いだのだ。捕まえそこなうと、最初のタクシーが戻ってくるまで待たなければならかった。そこで、同じ団地に行く人たちの相乗りが制度化されたのである。
道路運送法上、タクシーは乗客定員9人以下の貸切であり、法律上乗合が禁止されている(今でも同じである)。従って、道路運送法第二十一条の「一般貸切旅客自動車運送事業者は、次の場合を除き、乗合旅客の運送をしてはならない。 一 災害の場合その他緊急を要するとき。 二 一般乗合旅客自動車運送事業者によることが困難な場合において、国土交通大臣の許可を受けたとき。)の規定を適用して乗合を許可したのである。従って乗合「タクシー」は厳密には間違いでタクシーではなく貸切自動車なのである。法律制定時は、阪急タクシーのような事態は想定していなかったが、この制度があったので活用したのである。
この制度は、公共輸送機関がバスであるという認識をもとにしており、タクシーはバスの邪魔をしないという思想でできている。バスがどうしてもできないときに、タクシーではなく貸切自動車の乗合許可をするのである。
従って、今更実証実験をしてどうするのかという問題と、実験をするなら貸切時自動車で行うべきで、タクシー車両は邪道であろう。
翻って考えれば、貸切、乗合という分け方が、スマホの登場でおかしくなりだしたのである。トラックも貸切と混載に分けていた時代があったが、規制緩和で基本的なスキームが変わっている。旅客交通も同じであろう。その思想でモバイル交通革命も出版したのである。
なお、割り勘の相乗りと乗合は、現行システムでは契約形式が異なる別のものである。
スマホアプリに割り勘の相乗り提供があるが、あくまで相乗りする人をマッチングさせるだけである。タクシー乗り場で偶然相乗りをすることがあるが、それと同じである。それに対して乗合は、一人一人が運送契約を結ぶので、別のものなのである。
手前みそだけど、貸切と乗合の相対化と唱えたことが、いまアメリカで実現しかかっている。
VIAである。早く日本にも上陸してもらいたい。VIAはCURBと組んでおり、従ってYellowcabを利用している。その点でも、日本でも導入しやすいであろう。
CURBはVerifoneという世界的な決済システムが出資しており、この点がアリペイ等の決済会社が親元の中国のシステムと同じであり、日本と違うところである。日本は決済業の規制緩和をするべきであろう。全国タクシーには申しわけないが、実運送会社が実施しても結局実運送に引っ張られてうまくいかないことは、物流の歴史が証明している。旅行会社も請負責任を負わないので、中途半端である。GoogleやVERIFONEといった運送会社ではない資本が上位にあって仕組みを作らないと大きなものはできないのであろう。
乗合は実運送機関だけでなく、旅行業法を活用すればもっと簡便にできる
このことはこれまで何度も書いてきているから繰り返さないが、要はパッケージツアーを作って、利用者を集めて、下請けにタクシーや貸切バスを使えばいいのである。事故を起こしてから、規制が強化されたが、きちんとした旅行会社が商品設定すれば問題がない。JTBのJERONタクシーは、その上をいく、月ぎめ乗り放題タクシーを始めている。
VIAについての説明
https://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&u=https://en.wikipedia.org/wiki/Via_
Via was founded in 2012 by Israeli entrepreneurs Daniel Ramot and Oren Shoval.[5] The service is based on the founders’ experience with Sherut taxis in Israel.[6][7] The service originally operated exclusively in Manhattan, before expanding to Chicago in November 2015.[8]
Sherut taxis 乗合タクシーの一種
https://www.touristisrael.com/public-transport/sheruts-shared-taxis/
https://en.wikipedia.org/wiki/Share_taxi
In June 2017, Via partnered with Curb to allow users to hail a yellow taxi for a shared ride in certain areas of Manhattan.[17][18]
とあり、例のCurbと組んでyellow cabを使用すれば、タクシー業界は文句をつけられない。このやり方は賢い。
17 https://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&u=https://en.wikipedia.org/wiki/Via_
Verifone powers two-thirds of NYC’s approximately 15,000 cabs, and Curb to date has “a couple million accounts set up” and powers “several hundred thousand trips a month” according to Jason Gross, global head of product and marketing for taxis at Verifone. Gross added that NYC’s Curb is used for payments more often than all the other mobile wallets combined.
Via’s VP of Communication Gabrielle McCaig said that Via has 800,000 members who have signed up for the service, with more than 15 million rides across the markets Via serves (NYC, Chicago, and Washington D.C.).
18 https://nypost.com/2017/06/06/nycs-yellow-cabs-are-adding-a-carpooling-option/
Carpooling is coming to New York City’s yellow cabs.
A pair of local ride-sharing apps is teaming up to give customers a 40-percent discount metered taxi fares for rides they’re willing to share with another passenger.
To make it happen, Curb — a ride-hailing app operated by Verifone that’s used by roughly 65 percent of the city’s 13,500 green and yellow taxis — is teaming up with local ride-sharing app Via, whose algorithms are adept at mapping out efficient routes for picking up and dropping off multiple passengers.
The new service, which launches Tuesday, kicks in when a rider using either the Curb or Via app expresses a willingness to share a green or yellow taxi in exchange for a discount of 95 cents off the standard $1.95 booking fee.
Then, as the taxi takes off, Via’s matching-and-routing algorithm will seek out convenient real-time pick-ups along the way.
Via’s focus is pooled transportation, matching multiple passengers headed in the same direction with an available vehicle. Via is headquartered in New York with offices in Tel Aviv, Chicago and Washington D.C.[19]
19 https://www.digitaltrends.com/mobile/via-dc-launch/
Hey DC, has the subway renovation got you down? Get Via instead
Want private transportation at public transit prices? Via might have just answered your prayers. The New York City-based ridesharing service announced its expansion into Washington D.C. on Monday, its third city of operation. And it couldn’t be a timelier arrival. With a number of commuters anticipating disruptions to their normal commutes due to a new SafeTrack program in the metro area, Via has swooped in with a new offering of its own. Promising “an affordable, convenient, and reliable alternative for D.C. commuters,” you can hitch a ride on Via starting at just $2.15, otherwise known as the price of a Metro ride in our nation’s capital.
In order to expedite service, passengers are picked up and dropped off on the corner of a block nearest to their pickup and drop-off locations, as opposed to the exact addresses.[6] The service operates more like a dynamic bus line than a taxi service, and charges users a flat rate for a ride.[6] The Via service is approved for use with commuter benefit cards.[20]
20 http://www1.nyc.gov/site/dca/about/commuter-benefits-FAQs.page
通勤手当も適用されるようである。こうなると、貸切と乗合の相対化ではなく、限りなく乗合に近づいている。
A reviewer for The New York Times in March 2015 wrote, “The S.U.V. that picked me up for Via, with one other passenger already in tow, was neither as fast nor as efficient as a service like Uber. But it was friendlier and, as it tends to carry multiple passengers at once, more community-minded than any other car service I’ve taken. And with a flat rate of $5 a ride, it was cheaper, too.”[6]
Via’s carpooling has also been profiled for facilitating networking among passengers.[21]
日本で現行法制度で合法的に行うことは可能である。
まず、月極定額の乗合を実行する為には、JERONタクシーの旅行業約款を参考にすれば実行可能である。一回一回の定額であるなら、通常の標準約款でも可能であるが、やはり組み合わせた方がいいのであろう。ルートは実施者の判断であり、マーケットリサーチを十分にしておけばいいであろう。乗車場所であるが、ニューヨークではどうしているのであろう。タクシーが乗降するルールと同じといえば同じだが、バスのような面もある。ただ、バスと違い、定時に使用する場所ではない。例えば、病院だとか、ホテルだとか鉄道駅のタクシー乗降場であれば、事前に相談できるのであろうが、街中の交差点というもの、警察との相談がいるのであろう。時間貸しの駐車場も考えられるが、いずれにしろそのネットワークを作る必要があり、宅配便の初期の取次所確保みたいな苦労がある。宅配便は米屋をはじめに囲い込んだが今はコンビニである。地方ならコンビニも考えられる。
運行する会社の確保は、ライドシェア大反対のタクシー業界よりも、貸切バス業界の方が、バスですといって交渉しやすいかもしれない。乗車定員の問題だけである。
東京都内は、鉄道網が発達しているので、実需があるのか私には見当がつかないが、首都圏の周辺部であれば、意外と需要があるのかもしれない。通勤の相乗りだけではなく、保育園、病院、介護施設の相乗りも面白いであろう。
乗り放題約款
乗り放題約款
ベルリンでの活動 ベルリン交通局BVGと組んでやっているところが特徴か。
ViaVan, the joint venture between Via, the world’s experts in on-demand shared transit, and Mercedes-Benz Vans, the leading manufacturer of iconic passenger and cargo vans, has announced a new partnership with Berlin’s public transit authority, Berliner Verkehrsbetriebe (BVG). Together, ViaVan and BVG will launch the largest public sector deployment of on-demand shuttle service anywhere in the world, with a fleet of up to 300 vehicles.
環境を前面に売り出しているのは、東京オリンピックむきかもしれない。
The collaboration with BVG will utilize a variety of Mercedes-Benz vans specially optimized for shared rides including the new, all-electric eVito Tourer, which be the first emission-free minibus operating anywhere in the world.
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