*

鳥取市の三時間乗り放題1000円タクシー(外国人観光客用)

公開日: : 最終更新日:2023/05/28 ライドシェア

鳥取市の三時間乗り放題千円タクシーは、通常のメーターでは一万五千円はかかるタクシー料金を、法定限度額の九千円まで下げてもらい、更に鳥取県と鳥取市が四千円ずつ補助するという仕組み

千円タクシー

鳥取市のHPでは、「1,000円タクシーは外国人FIT(個人旅行)の多い鳥取市において不便な交通網の形態を飛躍的に高めるアイテムとして年々利用客が増加しています。しかし、着地型観光に繋がっていない傾向があり、タクシーで観光した後にホテルも鳥取市を利用してもらう仕組みづくりを提案するため、「ホテル」「ハイヤー協同組合」「鳥取市」三者が協力して今回のシステムを作成しました」とあります。

○従来のシステム

・ JR鳥取駅国際観光客サポートセンターで受付 → 観光 → JR鳥取駅まで戻る

○新システム

従来のシステムに加え、指定ホテルに宿泊したお客様、もしくは宿泊予定のお客様

① ホテル(泊) → 観光 → 駅等

② サポートセンター → 観光 → ホテル(泊)

観光政策が地域住民の賛意を得られて推進される事は観光研究者としては好ましいことですが、当該財源が問題となります。外国人観光客が増加することにより利益を受けるところから徴収するシステムであればいいのですが、純粋の一般財源能美に頼る場合は限界があるはずです。海外の大都市にならって東京都のように宿泊税を徴収しているのであれば、それを財源に充てることは問題ないと思われますが、片山鳥取県知事(当時)は東京都の宿泊税に反対の意向を示されていました。

案の定、千円タクシーは発足後一年で、宿泊と組み合わせるものを追加しています。本来なら最初から宿泊と組み合わせなければ、赤字団体の鳥取県、鳥取市にとって、費用対効果からも問題があったと思われます。宿泊と組み合わせるこということはパック旅行的になるわけですから、パック料金そのものに補助することも手段として考えられるわけです。タクシー会社とホテルの間で補助金受給の割合は相談すればいいのでしょう。

そもそも、パック料金になれば、タクシー運賃の法定限度という概念も働かなくなりますから、純粋にコマーシャルベースで商品設定を考えればいいのかもしれませんが、インバウンドブームに乗り遅れては、勉強していない議会議員からの追及に耐えられないと判断し、実施したのでしょう。しかし何時まで継続するのでしょうか。どこでも同じことを始めてしまえば全く効果がないことでもあり、危うい政策の一種だと思います。

関連記事

配車アプリの話題と将来  Hailoと提携しているナニワ交通を訪問して

○巨額投資を呼び込む配車アプリ会社 タクシーアプリが話題になっています。Hailo等はロンドン

記事を読む

no image

福岡でウーバー「ライドシェア」の実験開始について

まだ自家用車が庶民のものではない時代に、阿川弘之氏が愛車で赤の他人をピックアップして好意同乗させる随

記事を読む

no image

出張向け「定額航空運賃サービス」の記事 

NEWSPICKSに、出張向け「定額航空運賃サービス」が米国で登場 という記事が紹介されていた。Bl

記事を読む

ニュースアプリにみるタクシー配車アプリ(東京交通新聞2014年12月8日)

最近の学生はスマホが標準装備ですから、既存メディアの危機感も増大しています。私自身も朝起きてスマホで

記事を読む

London Car Dispatch App Report ⑥  Expectation to the birth of Human Logitics Company Through Car Dispatch App

The word "human logistics” which is newly coined b

記事を読む

no image

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 2019年9月9日チームネクスト視察で北京 10日HUAWEI、DiDi

台風の襲来に遭遇し、8時半出発が17時に延長。それでも出発できてよかった。自宅をでるまえに、14

記事を読む

no image

メディアやセミナーに踊らされるMaaS  

Mobility as a Service(MaaS)とは、運営主体を問わず、情報通信技術を活用

記事を読む

no image

マニラの観光・交通事情 空港バス

airport  bus という分類が新しくできている。 This was after the M

記事を読む

no image

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 動画で見る世界人流観光施策風土記 2016年11月2日 チームネクスト合宿 in ニューヨーク 2日目 その他

記事を読む

配車アプリー今年を総括するー総合生活移動サービスの将来

配車アプリが登場した当初はネット社会では大歓迎で、Uber等の企業評価額も天井知らずでした。欧州でタ

記事を読む

PAGE TOP ↑