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マニラの観光事情 シェアリング体験とダークツーリズム

公開日: : 最終更新日:2017/09/21 マニラの観光交通事情

1マニラのライドシェリング事情

マニラのライドシェア動画
https://www.facebook.com/shuichi.teramae/videos/685370478326716/
 
 9月11日から15日までマニラを訪問した。あいにく到着日は台風で市内は水につかったところもあった。

マニラを訪れる日本人観光客は50万人、韓国の150万人、中国の70万人には及ばないが、大きなデスティネーションである。2020年からの教育改革の影響もあり 、日本人の短期語学留学需要が増えており、フィリピン政府観光局も誘致に力をいれている。
 
 マニラの経済発展はASEAN諸国のなかでも目覚ましく、それと共に激しさを増す交通渋滞は、市民のみならず、我々観光客泣かせでもある。ホテルから数キロ先のレストランにも下手をすると歩いた方が早い場合などはざらである。写真のうっそうとした森は公園ではなく、ビレッジと呼ばれる私有の高級住宅地であり、交通渋滞の原因にもなっている。勿論高速道路、鉄道の未整備が大きな原因であるが。


鉄道の未整備とビレッジの存在

Uberアプリ


ホテルの麻薬犬


ツーリスト用車両

 マニラ市民は交通渋滞にはライドシェアで対抗している。風物詩となったジップニーは、ジープを改造した小型バスで、市内中を毛細血管のように路線が張り巡らされている。旅行客の場合、一人では難しいからガイドに案内してもらう方が無難である。バイクにサイドカーを着けたトライシクルもライドシェアであるが、観光客には乗車するのは同じくむずかしい。都心イントラムロス付近の観光地でみられる、自転車にサイドカーをつけたペディキャブもある。日本の協力で電動三輪車も定路線に導入されて環境政策に貢献している。

電動トライシクル試乗


トライシクルを待つ親子


トライシクルに乗る子供


 

ペディキャブ


ペディキャブとトライシクル

Uberアプリ


風物詩ジップニー


 
 タクシーは台数が不足しており、都市住民の不満が高い。タクシー会社が車のオーナに徹しており、ドライバーは賃料を支払えばあとは自分の稼ぎになるので、客あしらいが悪くなる。ガソリンも安い劣悪なものを使いということになり、ライドシェアのUberが登場した。大半が個人の車でありきれいに使っているから、評判も良く、位置情報もしっかりと把握してくれる。

 

空港前のイェローキャブ


 
フィリピン経済は海外出稼ぎ労働者からの仕送りのウェイトが高い。消費意欲が旺盛である。海外通貨の滞留が多く、地下銀行が機能できる。サンサルバドルでの経験では、信用のできない自国通貨を廃止してしまってドルが出回ていた。国民の2割がアメリカに合法非合法を問わず出稼ぎに行っているからである。

2 ダークツーリズムとしてのスラム観光

パヤタス動画
https://www.facebook.com/shuichi.teramae/videos/687332518130512/
IMG_0111[1]

 フィリピンは10大財閥で経済の六割を占める国である。ビレッジと呼ばれる私有地の高級住宅地がマカティをはじめいたるところで見られる。360万円で永住権が取得できる制度があり、不動産取得を進めるビジネスも展開されている。シルバーコロンビア計画がロングステイ計画に名前を変え、今でも長期滞在型観光が観光のテーマであるが、観光の域を超えて永住権ビジネスにまで発展してきている。

 その一方、2000年のゴミ山崩落で世界中に報道されたパヤタス地区も存在する。マニラ都心のスラムもまだ存在するが少なくなっているだけ、有名になり、CNNのユニセフの広告でも登場する。今回はそのパヤタス地区を訪問する機会を得た。

2000年事故の慰霊碑、ごみ山が繁茂した植物でおおわれている。

慰霊碑


まだゴミ山は増殖しており、スカベンジャーと呼ばれる人たちがゴミを収集して生活している

ゴミ山


ゴミ山と家

 スラムは19世紀に新大陸でのアジア人移住を排斥するようになり誕生した。それまで欧州人が新大陸に渡り、一旗揚げ3割が帰国したといわれている。最後に渡った欧州人は労働組合を結成し、アジア人労働者を排斥した。労働条件が悪くなるからである。大陸横断鉄道は中国人の労働で作られ、大統領も感謝したのだが、黄禍論が激しくなり、永住できなくなった。欧州人は家族を呼びよせたから、スラム生活とは無縁であったが、アジア人は地元に残らざるをえず、スラムに暮らすことになったのである。国民国家が主体の現在では、この構造は今も変わらないが、アメリカはまだ受け入れている。日本はトランプさんを批判できない政策を展開し続けてきた。
 
 
 スラム自体はスラム以外の地区で暮らす人たちには非日常である。隣合わせで暮らしている時代ではなくなってきた。このことに気が付いたのはケープタウンを観光したときである。治安状態が極端にわるく、勝手な行動は控えざるを得ないツアーに参加した。現地で雑誌を読んでいると、スラムツアーの宣伝がされていた。自由行動は許されないので参加しなかったが、5千円程度で、ガイドが案内してくれるものであった。現在驚いたことに、スラム地区の一部をそっくり別の場所にレプリカ的に再現して観光客を案内しているという。その方が安全であはあるが、そのようなものを見る価値があるのかわからなくなってしまった。ナイロビでも10万人規模のスラムを旅の途中遠目に車窓から見たことがあるが、一人旅で冒険はしなかった。オリンピック期間中リオデジャネイロでもスラム観光があったと伝えられているから、このツアーもダークツーリズムとして社会的認知を受けているのであろう。

 
 され、パヤタス訪問であるが、NPO法人ソルトパヤタスが現地で子供たちの就学支援事業を行っている。教育を受けられない子供たちに機会を与えることは人類の義務でもあるからだろう。原因は貧困であり、貧困は両親の家庭問題にあり、負の連鎖となっている。このことは日本でも同じである。加賀市でも同じことがある。夫のドメスティックバイオレンスに耐えられず、身一つで子供を抱えた女性が北陸の温泉場ではその日から働くことができた。しかし、子供の教育までは手が回らない。しっかりした女性は大丈夫だが、若い男に身を持ち崩すものもいる。子供はそのような環境の中成長するから、影響が出る。学校に出てこないので先生が心配して家庭訪問すると、小さな妹がいて面倒を見ており、学校に出てこれないのである。中学校くらいになると同じ環境の子供たちだけで行動するようになり、悪い大人がつけこんでくる。次の世代になっても同じことに繰り返しで、食事は給食だけが頼りという家庭まで出てくる。典型的な子供の貧困である。北陸の温泉場だけではなく、日本中見られることであろうし、家庭がしっかりしていないとだめなのである。
ソルトパヤタスでのレクチャー風景

パヤタスでは、母親にまず就業支援をするため、刺繍作成の仕事を提供している。金銭管理の支援もしている。親を自立させなければ子供も自立できないからであろう。今回の我々のツアーも費用を支払わさせてもらっているようで、一人1万円程度ということであった。昼食も用意され、レクチャーもしてくれたから、安いものである。若い日本人女子大生も休学してボランティアをしていた。

就業支援の刺繍

小学校前の賑わい
IMG_0107[1]
裏路地風景
IMG_0111[1]

百聞は一見に如かずではあるが、ネットの写真では臨場感がわかないであろう。まだまだバーチャルリアリティは無理であるが、掲載しておく。色合いが美しすぎるのである。色の再現は人間の目とカメラではまだまだギャップがあるということであろう。また、色合いの認識は個人により違うから、カメラごとに違えなければならない。

パヤタスのタクシー運転者ンたちのとの記念撮影


運転手さん自宅前

子供たち

売店まえ

子守

帰りを急ぐ小学生

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角川文庫『ペリー提督日本遠征記』(Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan)

https://youtu.be/Orb9x7NCz_k

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豪州の旅行業対策

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