配車アプリの社会問題化
「Uber登録ドライバーが客を誘拐してレイプする事件発生、他の国でもトラブルあり」と報道されています。http://gigazine.net/news/20141219-uber-driver-accused/
このUber等配車アプリが抱える問題には大きく2つあります。一つはドライバーの問題であり、もう一つは料金の問題です。
○まず、Uberに代表される配車プリは顧客と運送契約を取り交わしていないから、ドライバーや車の不始末に責任がないとなりますが、それで済むかという問題です。かつて旅行業でも問題になりました。日本では、パッケージツアーの場合は「旅程保証責任」「特別補償責任」を標準約款で負う仕組みを開発し、現在はそれによって対応していますが、手配旅行の場合は運送会社に責任がある形になります。
○ Uber等の配車アプリの配車する車のドライバーが、事故やレイプ事件を起こした場合の責任も、日本では上記の処理方法によることになりますが、問題はタクシードライバーの資格です。海外の一部では営業用ライセンスを持たないドライバーを配車しているようですが、それぞれの国の規制により判断することになるでしょう。しかし、素人のドライバーを認めていると事件再発の可能性は高くなります。日本では自家用自動車の有償運送の場合には営業用の運転免許が不要でありますから誰でも運転できるということになります。逆に代行運転の場合は、運送行為ではないのですが、営業用の運転免許が必要とされています。このあたりの制度調整は必要かもしれません。
なお、予約なしのminicabの危険性はcabwiseのホームページ(https://jinryu.jp/blog/wp-admin/post.php?post=1693&action=edit)にアップされたYou-Tubeの画像(https://www.youtube.com/watch?v=zMA9obnEVF4
)で十分に知ることができます。
○シドニーの人質事件でUberの料金が高騰して社会問題視されました。Uberの需要が急増した場合に自動で利用料金も引き上げられるというUber独自の「サージ・プライシング(Surge Pricing)」と呼ばれる料金体系システムによるものだったのですが、緊急事態で避難のためにUberを利用したら高額の利用料を請求されるということで、大きな反発を招く事態となっています。後にUberは「私たちの気持ちは、事件の影響を受けた皆様やニュー・サウス・ウェールズ警察と共にあります」として通常料金との差額を利用者に返金する措置をとっています。混雑料金自体は合理的な考え方ですが、その適用の仕方によっては利用者の反発を招きますから、工夫が必要ということです。逆に遠距離割引といった考え方も導入できるのではないでしょうか
○更にはUber幹部には社会性に欠如したものが参加していることも問題視されています。ジャーナリストの個人情報違反です
Uber, The Rideshare App Of Horrors, Suggests Doxxing Journalists (Which Ashton Kutcher Doesn’t Think Is “So Wrong”)
関連記事
-
-
London Car Dispatch App Report ③ Dispatch app business of Hailo
(3 founder drivers) Terry Runham Gary Jackson
-
-
ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える
白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない
-
-
「中国のシェアリングエコノミーを見誤るな~「マッチング先進国」の競争力とは」のメモ書き
https://wisdom.nec.com/ja/business/2018032202/inde
-
-
🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 韓国、台湾、香港等 運転手付きレンタカー制度の活躍 旅宅便(日本)は運行管理形式
済州島に行く機会があり、下調べをしているうち、運転手付きレンタカー制度が韓国には存在することに気が付
-
-
キャッシュレス時代における2019年1月14日付東京交通新聞「クルー」の記事の書き方
クルーのシステムが本年1月いっぱいメンテナンスに入り、再開は2月と報道されていた。HPにも出ている
-
-
乗合タクシー① 米国イスラエルで成功しているVIAについて 貸切と乗合の相対化の実現
基本認識 日本で乗合タクシーの実証実験が始まるようだが、既に全国で乗合タクシーは実施さ
-
-
ニューヨーク市長がUberの台数制限案を引っ込めたという記事 July 22, 2015 De Blasio Drops Plan for Uber Cap
De Blasio Drops Plan for Uber Cap After long, bitt
-
-
メディアやセミナーに踊らされるMaaS
Mobility as a Service(MaaS)とは、運営主体を問わず、情報通信技術を活用
-
-
配車アプリの話題と将来 Hailoと提携しているナニワ交通を訪問して
○巨額投資を呼び込む配車アプリ会社 タクシーアプリが話題になっています。Hailo等はロンドン
-
-
Yellowcabの危機から発したタクシーアプリ?Taxi-hailing app takes on Uber with a new weapon Curb, owned by Verifone, will debut its new feature in April
Technology NEWS › TECHNOLOGY March 23, 2016 Update
