*

配車アプリの社会問題化

公開日: : 最終更新日:2023/05/20 ライドシェア, 配車アプリ

「Uber登録ドライバーが客を誘拐してレイプする事件発生、他の国でもトラブルあり」と報道されています。http://gigazine.net/news/20141219-uber-driver-accused/

このUber等配車アプリが抱える問題には大きく2つあります。一つはドライバーの問題であり、もう一つは料金の問題です。

○まず、Uberに代表される配車プリは顧客と運送契約を取り交わしていないから、ドライバーや車の不始末に責任がないとなりますが、それで済むかという問題です。かつて旅行業でも問題になりました。日本では、パッケージツアーの場合は「旅程保証責任」「特別補償責任」を標準約款で負う仕組みを開発し、現在はそれによって対応していますが、手配旅行の場合は運送会社に責任がある形になります。

○ Uber等の配車アプリの配車する車のドライバーが、事故やレイプ事件を起こした場合の責任も、日本では上記の処理方法によることになりますが、問題はタクシードライバーの資格です。海外の一部では営業用ライセンスを持たないドライバーを配車しているようですが、それぞれの国の規制により判断することになるでしょう。しかし、素人のドライバーを認めていると事件再発の可能性は高くなります。日本では自家用自動車の有償運送の場合には営業用の運転免許が不要でありますから誰でも運転できるということになります。逆に代行運転の場合は、運送行為ではないのですが、営業用の運転免許が必要とされています。このあたりの制度調整は必要かもしれません。

なお、予約なしのminicabの危険性はcabwiseのホームページ(https://jinryu.jp/blog/wp-admin/post.php?post=1693&action=edit)にアップされたYou-Tubeの画像(https://www.youtube.com/watch?v=zMA9obnEVF4

)で十分に知ることができます。

○シドニーの人質事件でUberの料金が高騰して社会問題視されました。Uberの需要が急増した場合に自動で利用料金も引き上げられるというUber独自の「サージ・プライシング(Surge Pricing)」と呼ばれる料金体系システムによるものだったのですが、緊急事態で避難のためにUberを利用したら高額の利用料を請求されるということで、大きな反発を招く事態となっています。後にUberは「私たちの気持ちは、事件の影響を受けた皆様やニュー・サウス・ウェールズ警察と共にあります」として通常料金との差額を利用者に返金する措置をとっています。混雑料金自体は合理的な考え方ですが、その適用の仕方によっては利用者の反発を招きますから、工夫が必要ということです。逆に遠距離割引といった考え方も導入できるのではないでしょうか

○更にはUber幹部には社会性に欠如したものが参加していることも問題視されています。ジャーナリストの個人情報違反です

Uber, The Rideshare App Of Horrors, Suggests Doxxing Journalists (Which Ashton Kutcher Doesn’t Think Is “So Wrong”)

関連記事

New 3PHL(Third party human logistics)  Transport app Moovit has arrived in Australia(http://mashable.com/2015/03/30/transport-app-moovit-australia/#:eyJzIjoiZiIsImkiOiJfeW80dTUya2M5cGVmdG95dSJ9)

ロンドンではタクシーの配車アプリを調査して、つくづく3PHL(サードパーティ人流)の時代が来ていると

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 ロンドン配車アプリ調査③ hailoの見学

    本社はサマセットハウスの一般オフィスの中にあり、IT

記事を読む

London Car Dispatch App Report ② Dispatch app business circumstances of London

Taxi system in London as compared to Japan's taxi

記事を読む

no image

自家用自動車の共同使用(ライドシェ)

タクシー業界がライドシェに過敏になっているのか、行政当局もライドシェに否定的な報道が目立つ。しかし、

記事を読む

no image

ニューヨークのタクシー王の記事

http://www.crainsnewyork.com/article/20180615/TRAN

記事を読む

no image

ロンドンの観光ガイド付きレンタカー

ロンドンの観光ガイド付きレンタカーがネットに取り上げられていた。 運転手付きレンタカーの制度比較を

記事を読む

🗾🚖シニアバックパッカー 2019年2月4~5日 チームネクストi 淡路島 Uber見学

チームネクストのUber見学に参加するため、久しぶりに淡路島に行ってきた。 大阪空

記事を読む

no image

白バスと白タク論議の峻別

現在の道路運送(昭和26年)が制定されるひとつ前に、昭和22年道路運送法があり、更にその前には自動車

記事を読む

no image

ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える

白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない

記事を読む

no image

マニラのUber報道 ‘Defiant’ Uber probed; execs air lament

http://newsinfo.inquirer.net/919535/defiant-uber-p

記事を読む

2025年11月17日 アメリカ合衆国(国連加盟国5か国目)ワシントン州(19番目の州) ポイントロバーツ

アメリカ合衆国は、アラスカ、ニューヨーク、(DC)、ヴァージニア、イリ

2025年11月17日 カナダ(国連加盟国15か国目)コロンビア州 バンクーバー

米カナダ人流 https://news.yahoo.co.jp/ar

2025.11月17日~27日 地球落穂ひろいの旅 計画作成

蔵前仁一 旅はだれでもでき、特別なことはないという。 落穂ひ

AIとの論争 住むと泊まる

AIさん、質問します。世間では民泊の規制強化が騒がれて

no image
日本の温泉地盛衰記分析 Youtubeリスト

飯坂温泉 最盛期170万 4分の一 https://www.youtu

→もっと見る

PAGE TOP ↑