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出張向け「定額航空運賃サービス」の記事 

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 Human LOGISTICS, ライドシェア, 運賃、費用、経営

NEWSPICKSに、出張向け「定額航空運賃サービス」が米国で登場 という記事が紹介されていた。Bloomberg 2016/02/05 である。
供給が豊富になれば当然考えられるサービスである。収入が予測できれば、供給を効率的にすることで利潤を最大にできるからである。タクシーにそれができないのはドライバーの歩合制賃金を採用しているからである。スマホを活用すれば、ドライバー管理ができると思うが、その経営革新は、Uberでも見られない。以下記事を紹介する。なお、全日空も定額乗り放題運賃を限定的に販売したが、マニア用であり広がりは見られなかった。羽田の空港制約がある限り日本では無理だろう。リニアが完成し、横田が日本に返還されない限り航空では無理かもしれないが、タクシーは明日にでも可能だと思っている。

価格調査や購入手続きをなくす

新聞の購読料や携帯電話の料金やスポーツクラブの会費を毎月払っているなら、飛行機の代金も月払いにしてはどうだろうか。新興企業のワンゴー(OneGo)は月額制モデルを飛行機にもたらそうとしている。その狙いは、仕組みが複雑で悪名高い航空運賃をある程度予測しやすくすること。さらに節約できるとしてビジネス旅行者を惹きつけることだ。同社のもうひとつの売りは予約のシンプルさだ。例えば、明日シカゴでランチミーティングがあってチケットの購入を検討している人にとって、直前割引航空券は魅力的だ。ワンゴーは2月1日にサービスを開始した。モバイルアプリはアップルのアプリストアでは3月1日から提供。Android向けバージョンも計画されている。

「価格調査や購入手続きといった要素をなくすことで、ユーザーは自分がどこに行く必要があるのかだけを考えれば済むようになる」と、同社の創設者であるポーリアス・グリガスは言う。「自分にとって必要なことだけに集中できるようになる」米国の大手航空会社7社のフライトをカバーするワンゴーは米国を3つのゾーンに分けている。ゾーン内であればどの飛行機に乗ってもサービス料は月額1950ドルだ。米国全体をカバーするプランは月額2950ドルになる。

このビジネスモデルを軌道に乗せるために、ワンゴーはさまざまな直前割引運賃や追加料金をカバーしている。当初は76の空港が含まれており、米国のすべての大都市をカバーしている。またコロラド州アスペン、テキサス州ラボック、フロリダ州ペンサコーラ、ジョージア州サバンナなど人口の少ない地域もある程度カバーしている。

全米をカバーするには1950ドルのオプション

航空運賃の前払いや固定制の運賃は、航空業界では目新しいアイデアではない。アメリカン航空グループ、ユナイテッド航空、エア・カナダなどの航空会社は、同じような商品を提供している。アメリカン航空の「AirPass」プログラムは1万ドルから始まり、直前に空席が出た正規運賃の航空券を割引価格で提供している。今後の出張場所が必ずしも決まっているわけではないビジネス旅行者にとっては、魅力的な商品と言えるかもしれない。ワンゴーの基本プランでは一度に4つの予約を取ることが可能だ。また、月額750ドルの追加料金を払えば最大8つの予約が可能になる。予約は7日前までに確定する必要がある。手荷物料金や座席のアップグレード料金はカバーされない。一部のオプションはさらに料金が必要だ。例えば、米国全土をカバーするプランでは直前割引航空券を予約できるようにするのに月額1950ドルが追加で必要になる。また、無制限でフライト変更ができるようにするには950ドルがかかる。航空会社は大企業の従業員に自社便を利用してもらうためにボリュームディスカウントを提供しているが、ワンゴーは、航空会社からボリュームディスカウントを受けられるほど十分な数のユーザーを集められると確信している。同社は小さな企業であるため、実績を上げなければこのような交渉ができないとグリガスは述べた上で、100万ドルの自己資金をワンゴーに投じたことも明らかにした。

乗り放題プランを提供する目的と効果

ルイジアナ州で企業再生の専門家として働いていたグリガスは、出張の多いビジネスパーソンの旅行パターンを考えれば、同社が赤字に陥る可能性はあると認めている。だが長期的に見れば、1950ドルのプランに加入したユーザーの全員が、毎月1950ドル相当のフライトを利用することはない、というのがワンゴーの考えだ(実際、保険会社や近所のスポーツクラブが破産せずにいられるのは、このモデルのおかげだ)。また、ワンゴーのサービスはスポーツクラブと同じく、ユーザーが申し出ない限り自動的に契約が更新される。航空会社は以前から乗り放題プランを提供しているが、その目的は閑散期に売れ残ってしまう可能性のある座席を埋めるとともに、観光旅行者の評判を高めることにある。ジェットブルー航空は、これまでに2回「乗り放題パス」を売り出したことがある。最初のプログラムは、31日間利用できる秋の乗り放題チケットで2009年に599ドルで販売した。その1年後に発売した第2弾では、旅行日数に応じて499ドルから699ドルの間で価格を設定した。ただし、このプログラムも他の同じようなプログラムも、主なターゲットは観光旅行者だった。アメリカン航空は1980年代はじめ、利益の拡大を狙い、生涯にわたってファーストクラスを無制限に利用できる25万ドルのパスを発売した。だが、これは失敗に終わった。

分刻みで変わる航空運賃に振り回される旅行者

ワンゴーによると、同社のサービスを利用すればビジネス旅行者は時間を節約できるようになる。最適なフライトスケジュールを組むことだけに集中すればよく、価格のさまざまな直行ルートや乗り継ぎルートをあれこれ検討する必要がなくなるためだ。グリガスによれば、彼らは自社のモデルを15カ月にわたってテストし、さまざまな航空運賃や出張の多いビジネスパーソンの予約パターンを取り入れてモデルを強化したそうだ。「日に日に自信が高まっている」とグリガスは語っている。それでも、航空運賃を前払いするサービスはニッチな商品のままで終わる可能性がある。航空運賃を設定する複雑で、そして腹の立つことが多いソフトウェアを信用している人など誰もいないからだ。例えば、200ドルだったフライトが20分後には175ドルに値下がりすることがある。一種の宝くじのように感じられるこうした仕組みによって、旅行者の中には本当に飛行機に乗る必要が生じるまで、航空会社にお金を払いたがらない人もいるだろう。

原文はこちら(英語)。(原文筆者:Ian King、翻訳:佐藤卓/ガリレオ、写真:suriyasilsaksom/iStock)

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