中国人のレンタカー使用
公開日:
:
最終更新日:2017/08/31
通訳案内と翻訳導游員
「中国の運転免許は日本で無効なのに中国人のレンタカー利用者が増加中」という記事が出ている。https://news.yahoo.co.jp/byline/kunisawamitsuhiro/20170818-00074684/
プロの自動車評論家が「このドライバーが日本で有効な運転免許証を持っていたのか不明ながら」というとんでもない前提で、「驚く状況が起きている。」という記述から始めている。中国人観光客の増加により事故の増加も予想されるが、事故率が高くなったかまでは不明である。免許確認の義務があるレンタカー会社の責任がまず大きい。運行供用者責任はレンタカー会社にある、
日本ではすでに中国語による運転免許試験を実施している。運転技術は中国のほうが難しいかもしれない。日本の法令をきちんと理解すれば合格でき、高齢者の日本人より安心できるかもしれない。
中国人観光客には、中国語によるガイドが必要であるが、レンタカー会社が運転手を同時にあっせんすることを行政指導で禁止している。自分で派遣会社に申し込みをすれば、法的には全く問題ない。中国語のできるタクシー運転手がいない現状では、観光政策的には直接斡旋することを視野に入れなければならないであろう。その点でもこの記事は深みが足りないのではないか。
なお、Newspicksの常連ピッカーにコメントも載せておきます
吉田 諭史 Global IT Innovator 歴史家見習い
⋮
多くのドライバーは偽造ではなく「正当なフィリピン免許」を持っているはずですよ。
フィリピンでは外国の運転免許証を持っている人は書類提出だけで、フィリピンの運転免許証を取得できる仕組みになっています。そして、これを代行する業者もたくさんおり、在比邦人向けの事業者ももちろん居ます。ジュネーブ条約に加盟していない中国人には結構有名な話なんじゃないでしょうか?
「中国人=偽造」と安直に考えて批判するのは、もう止めませんか?彼らは「ルールの抜け穴を活用する」にたけています。その狡猾さを日本人も学ばねば、と考えています。
関連記事
-
-
『史上最悪の英語政策』阿部公彦著
「文科省の新英語政策は問題だらけ。この思いゆえに、いつもとはかなり違うスタンスの本になりました。ど
-
-
中国語通訳案内士等の自家用車による観光案内サービス
人流観光研究の一環として、中国語による観光ガイドの実態を調査している。 これだけ中国人が訪日してい
-
-
芦原伸『新日本奥地紀行』 イサベラ・バードの案内人・伊藤鶴吉が日本初の通訳案内組織「開誘社」の設立を主導
イサベラバードの日本奥地紀行をもとに新たに描いた紀行文。新たに描かれた部分にはオリジナリティーが少な
-
-
事業創造提案・自家用車を用いた通訳案内サービスビジネスの新展開の可能性(2)
自家用車を用いた通訳案内サービスビジネスの新展開の可能性(1)をブログに掲載しておいたが、その後、自
-
-
「タクシーの観光地におけるルート別運賃制度」が通達において設定されていること
運輸省自旅一〇五号 平成八年六月二一日 各地方運輸局自動車(第一)部長・沖縄総合事務局運輸部
-
-
タクシー「車庫待ち営業」の規制緩和の必要性
通訳案内業が、これまでのように自家用車を使用できれば、車と運転手の提供を一体的には行っていない(つま
-
-
空港送迎サービスアプリの日本進出ニュース
フォーブスに次のようなニュースがでていた。 めもがわりに残しておく 朝7時の国際便に乗る
-
-
航空機使用事業、自家用自動車使用事業という分類
航空法第2条は、航空運送事業(旅客又は貨物を運送する事業)と航空機使用事業(他人の需要に応じ、航空機
-
-
在日中国人の観光客用「白タク?」行為の合法・非合法論議
問題定期 在日中国人が、中国のHPに自家用車による都市観光や空港送迎を、人民元建てで広告宣伝し