沖縄の中国人レンタカー報道
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最終更新日:2017/09/05
通訳案内と翻訳導游員
日本政府観光局(JNTO)が2016年6月20日に公表した訪日外国人のレンタカー利用状況に関する資料によると、2015年に沖縄県では13万3318件の利用があり、韓国が34.6%で最多。台湾が34.1%、香港が24.3%と続いた。以下、米国1.6%、シンガポール0.4%、その他5.0%となっている。北海道では4万1361件の利用があり、香港33.4%、台湾20.8%、韓国11.1%、シンガポール8.0%、タイ7.3%、欧州3.7%、マレーシア3.5%、オーストラリア3.5%、米国3.1%、その他アジア2.9%、その他2.8%の順だ。いずれも中国人観光客がレンタカーを利用したという記録はない。ちなみにフィリピンもない。しかし、沖縄県が出した外国人観光客実態調査の資料を見ると、2013年は中国人観光客361人のうち23人(約6%)がレンタカーを利用したと回答。14年はこの比率が約8%(274人中22人)に上昇し、15年は約14%(221人中31人)と二桁に達した。日本でレンタカー旅行を楽しむ中国人観光客の比率は年々増加しているのだ。
沖縄タイムズが下記のような報道をしている。http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/2875
沖縄県の2015年度外国人観光客実態調査の概略報告(速報値)によると、県内旅行中に利用した交通機関について、中国人観光客の17・7%が「レンタカー」と答えた。中国の免許証で日本国内を運転することはできない法制度になっており、実態把握が必要とみられる。調査は、那覇空港や新石垣空港で15年度に計6回、県内旅行中に利用した交通機関をたずねた(複数回答可)。中国客は、13年度に6・3%、14年度に8・2%がレンタカーを使ったと回答。県は「背景について関係者と話し合いたい」としている。外国人が日本国内で運転する場合、(1)日本の免許証(2)ジュネーブ条約に基づく国際免許証(3)国際免許証を発給していないが日本と同等水準の免許制度を持つ国や地域の免許証-のいずれかを持っている必要がある。中国の免許証は(2)や(3)に含まれないため、国内の事業所でレンタカーを借りることはできない。県レンタカー協会の白石武博会長は今回の調査結果について、第三者が借りたレンタカーに中国人観光客が有償または無償で同乗しているケースが考えられるとした上で、「中国人観光客の間でも個人旅行のニーズは高まっている。タクシー運転手の語学力や通訳士の数を考慮すると対応がニーズに追いついていない」と指摘している。
ここでいう、無償には通訳案内士によるものが含まれるのであろう。
上記記事の(3)に関しては下記記事が参考になる
https://plaza.rakuten.co.jp/kakasinojamp/diary/201704090001/
http://www.recordchina.co.jp/b174349-s0-c30.html
フィリピンの運転免許証とIDP(国際運転免許証)で、料金は全部合わせて2850元(取材時は2250元強。約3万6000円)程度だと記述されている。フィリピンはジュネーブ条約締結国だから、フィリピンのIDPがあれば日本で運転ができる。日本人も、日本の運転免許が厳しいと思われていたころ、同様のことをしている者がいたような記憶がある。しかし、中国国籍でフィリピン滞在歴がないとすれば、その人物がフィリピンのIDPを使い、日本でレンタカーを借りることは果たして可能なのだろうか。われわれは東京、沖縄、北海道の計6社に同じ質問をしてみたが、そのうちの5社は「ジュネーブ条約に基づいて発行されたIDPであれば問題ない」と回答してきた。当然であろう。フィリピンの正式なものを拒否すれば、国際問題に発展する可能性があるからだ。
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