*

crew の チップ 問題に関する東京交通新聞の報道

公開日: : 最終更新日:2023/05/28 ライドシェア

東京交通新聞で、担当局長が、CREWのチップについて、チップを推奨するようなHPは道路運送法の有償運送に疑いがあるようということを述べたと報道している。
メディアの立場はともかく、行政手続きに関わることであり、法的解釈であるから、文章で行うべきであり、口頭で記者の質問で答えたとしたら、行政手続き上の問題があるのではないかと思われる。後日解釈通達が出されるということであるが、先走りすぎているのではなかろうか。

この問題は、タクシー労働者及び事業者の意を受けて、国会議員が国会で質問する可能性がある。質問を受ければ、国土交通大臣は返答せざるを得ず、議事録にも残ることになる。しかし、国会の質疑もあいまいに終わることも多く、一番はっきりさせられるのは、質問主意書である。
しかし、労働組合及び事業者側からの意を受けた質問主意書が出されることはないであろう。質問主意書への解答は、閣議決定されて行われる。国土交通省の自動車交通局以外の部署は勿論のこと、経済産業省、規制改革担当大臣の了解も必要であり、なによりも、役人にとって最も関門となる内閣法制局審査がある。そのため、チップをほのめかすくらいで、有償無償の解釈がなされるような、詰めの甘い発言は、専門紙への解答ならいざ知らず、閣議決定では、タクシー以外の問題も含めた謝礼問題の判断も必要となるから、できないのである。
逆に、CREWは、この問題は重要であるから、関係議員にお願いをして、質問主意書を出してもらう方策すらあり、規制改革担当大臣も当事者となる形であれば、相当詰めた回答が行われるはずである。
若いころ、鞍馬のケーブルカーだったと思うが、無償の鉄道があり、標準お布施額が書いてあったことを思い出す。タクシーよりはるかに公共性の高い鉄道が、それも40年以上も昔に認めていた、標準お布施が、再び問題化しているのも面白いことである。社会的には無償などありえない。何かで回収しているのであり、お気持ちで回収することまで抑え込む社会が健全かはわからないが、組合にねじ込まれたくらいで対応が変わるようでは情けない気もする。

そのうえで、有償無償の解釈を私なりに考えてみる。
今回、アメリカおよびカリブを回ってきて、チップの問題がやはり習慣が違うことから、大きな関心事となった。
少額でもカード払いが一般化してきている。小アンチル諸島の一部では、少額は拒否されたが、ほとんどカードであった。
その時に、金額記入に当たって、必ず、税処理後の金額に、チップの金額記入欄がある。税処理後であるから、規制がある金額の場合は、規制外ということなのであろう。大体は、端数を埋めて、11ドル25セントなら、12ドルというように金額を書き込む。しかし、サンファンのミラノホテルでは、モヒートを一杯飲んでも、チップは10%、15%、20%、なし、のなかから、タブレットで選択して画面を押す行為を求められた。極めてシステマティックである。

CREWの場合にも、タブレットで今後の参考に、今回のサービスはいかがでしたかという質問をし、その後、ひな型で、チップについて、いくらぐらい支払うことができますかと聞くことは、サンファン等の事例に即しておかしくはないであろう。
日本のタクシーは現金が主流であり、チップも現金であろう。しかし、クレジット払いが主流の世界では、チップもクレジットで清算している。チップを払えとまでは言わなくても、チップの存在に言及することが違法であるすれば、世界の趨勢とは逆行しており、インバウンドを重視する国策にも逆行しているような気がする。

関連記事

在日中国人の観光客用「白タク?」行為の合法・非合法論議

問題定期 在日中国人が、中国のHPに自家用車による都市観光や空港送迎を、人民元建てで広告宣伝し

記事を読む

乗合タクシー① 米国イスラエルで成功しているVIAについて 貸切と乗合の相対化の実現

基本認識 日本で乗合タクシーの実証実験が始まるようだが、既に全国で乗合タクシーは実施さ

記事を読む

<中国人白タク>横行も検挙困難…スマホ決済で 数千人登録 8/27(日) 9:00配信 毎日新聞

下記記事がようやく一般紙でも出てきたが、既にブログで数回紹介した通りである。取引が中国内で完結してい

記事を読む

no image

東京交通新聞1月11日インタヴュー記事(定額運賃制タクシー)

寺前教授インタビュー 3機能に分化する運送業  ――現在、タクシー事業は外資の白ナンバー自家

記事を読む

no image

マニラのUber報道 ‘Defiant’ Uber probed; execs air lament

http://newsinfo.inquirer.net/919535/defiant-uber-p

記事を読む

no image

白バスと白タク論議の峻別

現在の道路運送(昭和26年)が制定されるひとつ前に、昭和22年道路運送法があり、更にその前には自動車

記事を読む

November 3, 2016   Survey report No.3 on taxi dispatch application and tourism advertisement in New York by Japanese taxi business CEOs

   We visited the New York City Tourism Board.

記事を読む

『タクシー定期券』の専門誌報道について

2016年8月29日の東京交通新聞に「タクシー定期券」の報道がなされていた.定期「券」に問題があるの

記事を読む

no image

ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える

白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない

記事を読む

Google日本とBRIDJセミナー

1月28日Google日本の陣内裕樹氏に面談させてもらい、六本木ヒルズのオフィスを見せていただきまし

記事を読む

2025.11月17日~27日 地球落穂ひろいの旅 計画作成

蔵前仁一 旅はだれでもでき、特別なことはないという。 落穂ひ

AIとの論争 住むと泊まる

AIさん、質問します。世間では民泊の規制強化が騒がれて

no image
日本の温泉地盛衰記分析 Youtubeリスト

飯坂温泉 最盛期170万 4分の一 https://www.youtu

no image
ブリティッシュコロンビア州バンクーバー

Screenshot[/caption]

no image
リビアの旅行会社

リビアのトリポリにある外国人向けの信頼できる旅

→もっと見る

PAGE TOP ↑