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『旅館業の変遷史論考』木村吾郎

第1章 「旅篭屋」「湯治宿」から「旅館」への業名変遷過程

江戸時代は「旅籠 」で、その意味はコンテナのこと。「旅館」が使われなかったのは漢語であり、官庁御用達のイメージがあった。囚人も宿泊した。
明治に宿駅制度が廃止になり旅籠もなくなる。
もう一つの流れに、湯治宿があり、 三週間一巡り(一週間もある)の長期滞在。
旅館の屋号化は大正時代に広がった。
旅館とホテル、下宿に区分。旅館は一泊二食、ホテルは食事なしと記述。ではなぜ、ホテルは食事がなかったのか。
外国人には朝食がないと不便ではないか。戦後の国際観光ホテル整備法とは逆の思想。
旅館は、その昔は食事など出さなかったと思えるが、いつごろから二食付きになったのか。それが戦後の旅館業法ではなぜ外れたのか。研究課題が多くある。


第2章 鉄道駅の設置と「駅前旅館」の出現

えきべん白木屋  高野商店

第3章 鉄道省の観光旅行客増強対策事業
第4章 経営改善と近代化意識の高まり
第5章 昭和戦前期の旅館の統計記録と経営環境
第6章 宿屋・旅館同業組合組織の変遷
第7章 国際観光事業の復活と旅館の組織化対応
第8章 日本観光旅館連盟と日本交通公社協定旅館連盟
第9章 戦後復興期から平成期への変遷過程―量的成長の限界と質的成長への方向
第10章 ホテルの成長発展と旅館への影響
第11章 観光旅行需要拡大化の態様と旅館の対応

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