*

旅籠とコンテナは元来同義 自動運転時代を予感 『旅館業の変遷史論考』木村吾郎

世界各国、どこでも自動車が走行している。その自動車の物理的規格も公的空間では世界共通であり、道路の規格と共通である。物流の国際化により、自動車によって運ばれるコンテナサイズも世界共通化した。同時に大型化でもあった。パナマ運河、スエズ運河、コンテナ港、コンテナクレーン等の規格も世界共通化してきた。

路を歩きながら自動車を見ていて、いずれ順次自動運転にとってかわられてゆくとすると、旅客用の自動車のサイズも、道路のスペックで許容された大きさの箱、即ちコンテナへと収斂してゆくと思うようになってきた。すでに物流の世界ではその傾向が顕著であるから、いずれ人流の世界もそうなると思えるのである。そう思っていると、旅籠の語源がコンテナであることを知らされた。旅の籠なのだから当然でもあった。旅の籠が転じて旅館になったのだ。今度は、ビジネスホテルや貸会議室が消滅し、自動走行するコンテナにとってかわられるのであろう。次世代の跡継ぎ問題には悩まなくてもよいのかもしれない。

ウィキペヂアによれば、「旅籠という言葉は元々はの時、飼料を入れる(かご)のことであった。それが、旅人の食糧等を入れる器、転じて宿屋で出される食事の意味になり、食事を提供する宿屋のことを旅籠屋、略して旅籠と呼ぶようになった」とある(2023年5月27日)。このことをはじめて本書で知ったのであるが、気づかされたというのであろうか。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%85%E7%B1%A0#:~:text=%E6%97%85%E7%B1%A0%EF%BC%88%E3%81%AF%E3%81%9F%E3%81%94%EF%BC%89%E3%81%A8,%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E4%BD%BF%E3%81%86%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

 

関連記事

no image

歴史は繰り返す遊興飲食・宿泊税とDMO論議 

デスティネーションを含んだDMOなる言葉が独り歩きしている。私がカタカナ用語のデスティネーションを

記事を読む

no image

一見さんお断りの超一流旅館のコンプライアンス

インバウンドブームがまだ本格的に始まる前、大連にある大学の観光学の教授から、中国の富裕層を数人日本

記事を読む

 ホテルと旅館『西洋靴事始め』稲川實 現代書館

観光学でホテルと旅館の違いを説明するときに、私は芦原義信氏が西洋建築と日本家屋の違いを述べられた

記事を読む

『旅館業の変遷史論考』木村吾郎

第1章 「旅篭屋」「湯治宿」から「旅館」への業名変遷過程 江戸時代は「旅籠 」で、

記事を読む

no image

2016年3月1日朝日新聞8面民泊関連記事でのコメント

 東京都大田区が、国の特区制度を活用して自宅の空き部屋などを旅行者に有料で貸し出す「民泊」を解禁

記事を読む

no image

旅行業法の不思議① 旅行業と運送業、宿泊業、不動産賃貸業の境界

総合旅行業務取扱管理者試験という資格試験がある。その中に、旅行業法の登録を必要とするものはどれかとい

記事を読む

no image

自動運転車の普及が、タクシー業やビジネスホテルに与える影響論議 早晩、稼業としての存続はなくなる

  『公研』2018.12.No.664の江田健二氏と大場紀章氏の対談の

記事を読む

no image

WEDGE2016年3月23日 中国民泊の記事を読んで 

日本市場に吹き荒れる「中国民泊」旋風 http://wedge.ismedia.jp/article

記事を読む

no image

自動運転時代のアルゴリズム 自家用車優先思想の普及と道路運送法の終焉

自動運転車の技術的問題は別稿で取り上げているが、ここでは道路使用の優先度の問題を考えてみる。

記事を読む

no image

撤退太郎と立上花子

スイッチエンターテイメント(本社・東京都新宿区/代表取締役・川田雄大)は、同社が運営する民泊物件向け

記事を読む

PAGE TOP ↑