天児慧著『中国政治の社会態制』岩波書店2018を読んで
公開日:
:
観光資源
中国民族は概念としては梁啓超以来使われていたが実体のないものであった。
それを一挙に内実化し実体を付与したのは、日本との戦争であった。
首相の「靖国参拝」は日本軍国主義の復活批判にはなっても、大規模な民衆運動には発展しない。
釣魚島という中国固有の領土が日本に奪い取られた」という民族感情を奮い立たせる言い回しこそ、いまだに大規模な民衆運動を展開できる大きな根拠となっている。
愛国主義教育基地とよばれる場所で、日本兵の軍服を着て笑顔で記念写真を撮る若者がいることが時に問題になってきた。
いわゆる「赤色旅行」は本来の目的を離れて、現地の経済発展および交通などインフラ整備の名目になっているのも現実
下からのナショナリズムが政治的凝集力においてある種の重要な意味を持つようになってきたことは明らかである
民衆は政治にかかわりをもたないという儒教文化がいぜんとして社会にしみ込んだ規範として生きている。
『党の絶対指導」と「法治」という矛盾した主張を両立させようとする考え方がいかに危険か
「党指導を必要としない」法制度の体系化、法制度による社会の実践、すなわち法治国家の実現
まさに党自身の特殊な存在を自己否定する行為
今日「新儒家」は有徳人士の治者として共産党指導者をとらえようとしているが、修養を経験せず有徳人士でもない人物が立身出世もしばしば 反腐敗闘争
三権分立に加え、五権 中国古来の考試権、監察権
関連記事
-
-
本当に日本は職人を尊ぶ国であったのか?
司馬遼太郎氏は、韓国、中国との比較においてなのか、『この国のかたち』のなかで、「職人。実に響きがよ
-
-
伝統は古くない 『大清帝国への道』石橋嵩雄著を読んで
北京語 旗人官僚が用いていた言語 山東方言に基づく独自の旗人漢語を北京官話に発展させた チャイナド
-
-
自然観光資源と沿岸風景(概論)
1 風景観の変化 自然を見る視点が移動手段の発達により変化し、沿岸の風景観も変化してきた 。移
-
-
観光資源としての吉田松陰の作られ方、横浜市立大学後期試験問題回答の例
今年も一題は、歴史は後から作られ、伝統は新しい例を取り上げ、観光資源として活用されているものを提示
-
-
ウッドストック50周年中止 歴史は後から作られる
newspicks のコメントが面白い。Wikiの解説とは一味違う。これも歴史は後から作られる例か
-
-
筒井清忠『戦前のポピュリズム』中公新書
p.108 田中内閣の倒壊とは、天皇・宮中・貴族院と新聞世論が合体した力が政党内閣を倒した。しかし、
-
-
偽物が本物を上回る例 コスモスの「ロッチビックリマンシール
https://www.youtube.com/watch?v=vwBlC73ZmuE
-
-
プロテスタンティズムと現代政治 学士會会報NO.927 2017年Ⅵ 深井智朗 pp24-27
マルティン・ルターによる神聖ローマ帝国の宗教の改革は、彼の意図に反して、すぐに政治化し、彼の死後まも
-
-
戦陣訓 世間が曲解して使用し、それが覆せないほど行き渡ってしまった例
世間が曲解して使用し、それが覆せないほど行き渡ってしまった例である。「もはや戦後ではない」は私の
