『カジノの歴史と文化』佐伯英隆著
IRという言葉の曖昧さ
p.198 シンガポールにしても、世界から観光客を集める手法として、それぞれの理由から種々の施設が群立し、結果的にIRのような形になったのである。
我が国の実施法が規定する5種類の必置施設(ホテル・遊戯施設・展示場施設・ショッピング施設・カジノ)を具備した「完成系のモデル」のような地区がシンガポールに存在したわけではなかった
国際競争という視点の欠如
シンガポールは二つのカジノが距離的に離れすぎていて、競争関係になく、機種更新に遅れており、次第に時代遅れ
ラスベガスやマカオに勝てない?
集積地帯には勝てない もともと存在する行楽地に付設された従的施設としてのカジノという欧州型のカジノは一つの選択肢になりえる。
夜の観光のたのしみがない日本
ラスベガスにおけるIR化実験の失敗
ギャンブル依存症問題の欺瞞
対応すべき「症状」の定義があいまいなら、対応策自体も曖昧にならざるを得ず、万全を期すのは困難
規制をかければ国際競争力は低下する
ハウスエッジ(ハウスアドバンティッジ)
アルコールの無償提供 判断力の低下 退場意欲の減衰を誘うため
マカオが如何に巨大化しても、そのカジノ運営というソフトウェアはすべての面でラスベガスの忠実なコピーにすぎず、今のところマカオのカジノ運営から学ぶべきことはない
リピータ育成 ポイントシステム ピットボスの評価をカードに記録 コンプサービス
関連記事
-
『官僚制としての日本陸軍』北岡伸一著 筑摩書房 を読んで、歴史認識と観光を考える
○ 政治と軍 「軍が政治に不関与」とは竹橋事件を契機に明治政府が作ったことである。そもそも明治国家
-
『近世社寺参詣の研究』原淳一郎
facebook投稿文章 「原淳一郎教授の博士論文「近世社寺参詣の研究」を港区図書館で借りて
-
人口減少の掛け声に対する違和感と 西田正規著『人類史のなかの定住革命』めも
多くの田舎が人口減少を唱える。本気で心配しているかは別として、政治問題にしている。しかし、人口減少と
-
言語とは音や文字ではなく観念であるという説明
観光資源を考えると、言語とは何かに行き着くこととなる。 愛聴視して「ゆる言語学ラジオ」で例のエ
-
筒井清忠『戦前のポピュリズム』中公新書
p.108 田中内閣の倒壊とは、天皇・宮中・貴族院と新聞世論が合体した力が政党内閣を倒した。しかし、
-
「若者の海外旅行離れ」という 業界人、研究者の思い込み
『「若者の海外旅行離れ」を読み解く:観光行動論からのアプローチ』という法律文化社から出版された書
-
フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」をよんで
観光を理解する上では「脳」「満足」「価値」「マネー」が不可欠であるが、なかなか理解するには骨が折れる
-
観光資源の評価に係る例 米国の有名美術館に偏り、収蔵作品は「白人男性」に集中
https://www.technologyreview.jp/s/117648/more-th
-
コロナ後の日本観光業 キーワード 現金給付政策を長引かせないこと、採算性の向上、デジタル化、中国等指向
今後コロナ感染が鎮静化に向かうことが期待されているおり、次の課題はコロナ後の回復に向けての施策に重
-
Quora 物語などによくあるように、中世ヨーロッパの貴族たちは国民から搾取してすごく贅沢な暮らしをしていたのですか?
中世に今日と同じ意味での「国民」はまだ存在しません。領主が農民を支配し、領主同士に主従関係