*

『シベリア出兵』広岩近広

公開日: : 最終更新日:2023/05/29 出版・講義資料, 歴史認識

知られざるシベリア出兵の謎
1918年、ロシア革命への干渉戦争として行われたシベリア出兵。
実際に起こったのは、極限状態の日本軍兵士によるロシアの村落焼き討ちと、
赤軍パルチザンによる日本の居留民への虐殺だった――
シベリア抑留生存者が出会った〈戦争〉の実態
重複する加害と被害

アマゾンのコメント

今から100年前、日本はシベリアに出兵している。ロシア(出兵時点ではソ連は成立していない)の反革命派を支援するためであり、明らかに内政干渉である。
本書は、そのシベリア出兵で起きたイワノフカ事件、尼港(ニコラエフスク)事件といった日ロの住民虐殺事件、シベリア出兵の概略などに触れながら、“出兵”という名のもとに隠された実態に迫っている。

巻末の「おわりに」に書いてあるように、「戦争は殺人事件」という著者の視点が全編を貫いている。だから、ロシア人が殺されたイワノフカ事件や日本人が殺された尼港事件に加え、ある意味ではシベリア抑留も、戦争が起こした“悲劇”としては同一線上に扱われている。
ただ、シベリア出兵の背景にある「傀儡国家」建国のもくろみ、尼港事件についての日本政府の対応の甘さ、シベリア抑留の背景にある日本の侵略行為、さらには関東軍によるソ連に対する兵士の労務提供に関する「陳情」など、当時の日本の政策に関する問題点を厳しく指摘している。
「シベリア出兵」という名で呼ばれているが、同じように出兵した欧米諸国が撤退するなか、日本のみが7年という長期にわたって出兵(第二次世界大戦でも6年で終わっている)を続けていたことを含め、その実態が「侵略戦争」であったという著者の指摘は充分に納得できる。

救いは、シベリア抑留者だった人々と現在のイワノフカ村の人々との交流だろう。

関連記事

no image

韓国・済州島から中国人観光客が激減。次期大統領選の結果次第では回復の兆しも 2017.04.10

https://hbol.jp/136104 韓国報道によれば、THAAD(高高度防衛ミサイル

記事を読む

no image

世界の運営を米国でなく中露に任せる 2023年6月7日  田中 宇

https://tanakanews.com/230607armenia.htm 5月25日、

記事を読む

no image

『AI言論』西垣通 神の支配と人間の自由

人間を超越する知性  宇宙的英知を持つ機械など人間に作れるか 人間は20万年くらい前に生物進

記事を読む

no image

2019年11月9日日本学術会議シンポジウム「スポーツと脳科学」聴講

2019年11月9日日本学術会議シンポジウム「スポーツと脳科学」を聴講してきた。観光学も脳科学の

記事を読む

no image

公研2019年2月号 記事二題 貧富の格差、言葉の発生

●「貧富の格差と世界の行方」津上俊哉 〇トーマスピケティ「21世紀の資本」

記事を読む

保護中: 『植物は知性を持っている』ステファノ・マンクーゾ 動物と植物は5億年前に進化の枝を分かち、動物は他の動植物を探して食べることで栄養を摂取する「移動」、植物は与えられた環境から栄養を引き出す「定住」、を選択した。このことが体構造の違いまでもたらしたらしい。「目で見る能力」ではなく、「光を知覚する能力」と考えれば、植物は視覚を持つ

植物は「動く」 著者は、イタリア人の植物生理学者ステファノ・マンクーゾである。フィレンツェ大学国際

記事を読む

no image

『結婚のない国を歩く』モソ人の母系社会 金龍哲著

https://honz.jp/articles/-/4147 書によれば、「民族」という単

記事を読む

no image

虚数 四元数

https://youtu.be/ctj0GWhsykE

記事を読む

no image

QUORAの再掲載 南京大虐殺のあった無かった論争はどの様な証拠があれば決着がつきますか?

南京大虐殺のあった無かった論争はどの様な証拠があれば決着がつきますか?Koike Kazuki,

記事を読む

no image

国際収支の理解 インバウンド好調の原因

それでも円高にならないのはなぜか?「売った円が戻ってこなくなった」理由 https://www.

記事を読む

PAGE TOP ↑