*

DNAで語る日本人起源論 篠田謙一 をよんで(めも)

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 出版・講義資料

篠田氏は、義務教育の教科書で、人類の初期拡散の様子を重要事項として取り上げるべきとする。
私も大賛成で、そうすれば、つまらない嫌中、嫌韓論は影をひそめるであろう。自己否定にもつながりかねないからである。勿論、韓国人、中国人にも言えることであるが、日本人が先に実行すれば先進国としての評価が上がるであろう。

ダーウィンの種の起源により、人間の由来に関する問題が自然科学に分類されるようになったと鎌田氏は記述する。といっても、ダーウィンは発表まで相当時間をかけ、慎重であった。現代でいえば宗教的過激派のテロにあいかねなかったからである。
「人間社会の多様性の源は知的な能力の差ではなく、その社会が何を優先するか、環境によってどのように適応するかにあった」(pp 62-63)「アプリオリに単一日本とする考えは取らない」(p.131)と主張は一貫している。

日本人の起源については、2010年までは日本人起源二重構造説が主流であったが、DNA分析により否定されることになったとし、日本人の核ゲノムの項で「日本列島集団は北京集団とは明瞭に区分される。少なくとも遺伝的に区別される本州と琉球の二つの地域集団から構成される。」(p.145)「それは結果であって、遺伝子の構成が民族を規定するわけではない」とする。
100万年前にアフリカをでた親戚筋の人類(ネアンデルタール、ジャワ、pekin)と、ホモサピエンスが遭遇、交雑したことも証明された。

「15世紀以降、男女が同時に動いた時代が終わる」とされるのは、私の人流論に参考になる。「これ以降は、人類の遺伝的な構成は総体として均一化の方向に向かう」とされるのも、私が唱えている日常・非日常の相対化に通じる。
篠田氏は最終的に「長いスパンでは遺伝的にフラットな世界が出来上がる」と結論付けている

関連記事

no image

『知られざるキューバ』渡邉優著 2018年

4年前のキューバ旅行のときにこの本が出版されていれば、また違った認識ができたとの思う。 カリ

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 観光資源、質量の正体は一体何なのか -質量の起源-

  https://youtu.be/TTQJGcu-x3A https://

記事を読む

『「源氏物語」と戦争』有働裕 教科書に採用されたのは意外に遅く、1938年。なぜ戦争に向かうこの時期に、退廃的とも言える源氏物語が教科書に採用されたのか

アマゾン書評 源氏物語といえば、枕草子と並んで国語教科書に必ず登場する古典である。

記事を読む

希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書) 新書 – 2010/8/17

ピースボートというクルーズ旅行商品があり、かつて週刊誌にその悪評が掲載されたことがある。消費者保護を

記事を読む

no image

井伏鱒二著『駅前旅館』

新潮文庫の『駅前旅館』を読み、映画をDVDで見た。世相はDVDの方がわかりやすいが、字句「観光」は

記事を読む

no image

保阪正康氏の講演録と西浦進氏の著作物等を読んで

日中韓の観光政策研究を進める上で、現在問題になっている「歴史認識」問題を調べざるを得ない。従って、戦

記事を読む

no image

『日本経済の歴史』第2巻第1章労働と人口 移動の自由と技能の形成 を読んで メモ

面白いと思ったところを箇条書きする p.33 「幕府が鎖国政策によって欧米列強の干渉を回避した

記事を読む

幸田露伴『一国の首都』明治32年 都議会議員和田宗春氏の現代語訳と岩波文庫の原書で読む。港区図書館にある。 

幸田露伴は私の世代の受験生ならだれでも知っている文学者。でも理系の人でもあり、首都論を展開してい

記事を読む

no image

保護中: 『from 911/USAレポート』第827回 「アベノミクスの功罪と出口シナリオ」冷泉彰彦 これだけ識字率と基礎算術と社会性の訓練を受けた分厚い人口を抱えた大国が、利幅が薄く労働集約型の観光業を主要産業とするという、どう考えても悲劇的な産業構造に追い詰められた、これは7年半にわたって改革に消極であったことのツケにしても、随分と妙な方向になったと思います

結果的に、これだけ識字率と基礎算術と社会性の訓練を受けた分厚い人口を抱えた大国が、利幅が薄く労働

記事を読む

no image

『鉄道が変えた社寺参詣』初詣は鉄道とともに生まれ育った 平山昇著 交通新聞社

初詣が新しいことは大学の講義でも取り上げておいた。アマゾンの書評が参考になるので載せておく。なお、

記事を読む

デンバーからソルトレイクシティー

シカゴからソルトレイクシティーにcoachで向かい

ミネアポリスからポートランド エンパイアビルダーからの車窓

1. 車窓からのハイライト ミネアポリスを夜に出発し、西へ向かう行程

ニューメキシコ レッドロック

サウスウェストチーフの車窓からの風景で、深紅のサメと呼ばれるところは、

no image
ロシア旅行の前の、携帯wifi準備

https://tanakanews.com/251206rutrav

no image
ロシア旅行 田中宇

https://tanakanews.com/251205crimea

→もっと見る

PAGE TOP ↑