*

観光資源創作と『ウェールズの山』

公開日: : 最終更新日:2023/05/31 人口、地域、, 出版・講義資料, 観光資源

観光政策が注目されている。そのことはありがたいのであるが、マスコミ、コンサルが寄ってたかって財政資金をあてにして、ゆるキャラ、B級グルメを溢れさせている。
市議会も、隣町でやっているのにわが町ではなぜないのかと煽り立てるから、当局はサボっていてはまずいと、予算をつける。しかし個性的すぎるものは、うまくいかなかったときの反動が怖いのであろう、無難なものに落ち着くから話題性がかけてしまう。

観光資源について助言を求められたとき私は、「1年で作ったものは1年で真似をされてしまう。10年かけて作れば10年間はまねをされない」といっている。反対が強ければ強いほど時間もかかるが、真似もされにくい。従って町役場で実施しにくいものなのである。

DVDで『ウェールズの山』を借りてきた。一度見たことはあるが確認したかったからだ。ストーリーは「1917年、アンソンとガーランドという二人のイングランド人が地図作成のため、南ウェールズのある村に、ファノン・ガルーの山の高さを測るために訪れた。村人はその山が、イングランドからウェールズに入ると最初にある山として誇りに思っている。二人の到来により、村人はパブで山の高さについて賭をしたりして結果を待つ。その結果は299メートルであり、地図にのせるためには305メートル以上なければならない、すなわちかれらの「山(mountain)」は「丘(hill)」であるということになり、一同おおいに失望する。これに対し村のジョーンズ牧師はあと6メートル積み上げて305メートルの山にしようと呼びかける。再測量をしてもらうため村人は色々な細工をして、かれら二人を村から出られないようにしてしまう。その間、村人こぞり土を山頂に運ぶ作業が始まる。雨が作業を阻み、積み上げた土を流してしまう。日曜日、雨は上がり、安息日にもかかわらず村人は作業を続け、村人の熱意に動かされたアンソンは再測量をするが夜となり正確な測量ができない。翌朝かれはファノン・ガルーは山であると宣言する。」といったところである。

映画「ウェールズの山」のモデルになった山がある。その山はカーディフの近郊、カステル・コッホという美しいお城がある近くのGwaelod-y-Garthの村の北にある。ガース丘がそれである。地図で見るとTaff’s Wellとある近くである。まだウェールズに入ったことがないので一度訪れてみるつもりである。

 

関連記事

『セイビング・ザ・サン リップルウッドと新生銀行の誕生』ジリアン・テット 武井楊一訳

バブル期の金融問題に関する書籍は数多く出版され、高杉良が長銀をモデルに書いた『小説・ザ・外資』はハ

記事を読む

no image

山泰幸『江戸の思想闘争』

社会の発見 社会現象は自然現象と未分離であるとする朱子学に対し、伊藤仁斎は自然現象

記事を読む

no image

『動物たちの悲鳴』National Geographic 2019年6月号

観光と動物とSNS https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/m

記事を読む

no image

『訓読と漢語の歴史』福島直恭著 観光とツーリズム

「歴史として記述」と「歴史を記述」するの違い なぜ昔の日本人は、中国語の文章や詩を翻訳する

記事を読む

no image

Quoraなぜ、当時の大日本帝国は国際連盟を脱退してしまったのですか?なぜ、満州国について話し合ってる中で軍事演習をしてしまったのか、なぜ、当初の目的である権益のほとんどを認められているのに堂々退場したのか。

日本の国際連盟脱退は、満州事変に対するリットン調査団の報告書を受け入れられないと判断して席を蹴った

記事を読む

no image

旅資料 安田純平『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』集英社新書

p.254「戦火のイラクに滞在し、現地の人々の置かれた状況を考えれば自分の拘束などどういうことでも

記事を読む

『ざっくりとわかる宇宙論』竹内薫

物理学的に宇宙を考察すればするほど、この宇宙がいかに特殊で奇妙なものかが明らかになる。マルチバー

記事を読む

『近世社寺参詣の研究』原淳一郎

facebook投稿文章 「原淳一郎教授の博士論文「近世社寺参詣の研究」を港区図書館で借りて

記事を読む

no image

デジタル化と人流・観光(1)

通信の秘密が大日本帝国憲法及び日本国憲法に規定されていることもあり、長らく電気通信事業は逓信省、運

記事を読む

no image

聴覚   空間の解像度は視覚が強く、時間の分解度は聴覚が強い。人間の脳は、より信用できる方に重きを置いて最終決定する

人間の脳は、より信用できる方に重きを置いて最終決定する 聴覚が直接情動に訴えかけるのは、大脳皮質

記事を読む

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

2025年11月22日地球落穂ひろいの旅 プンタアレナス

旅程作成で、ウシュアイアとプンタアレナスの順序を考えた結果、パスクワか

2025年11月19日~21日 地球落穂ひろいの旅イースター島(ラパヌイ) 

チリへの訪問は2014年に国連加盟国 として訪問済み。イースタ

→もっと見る

PAGE TOP ↑