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ジャパンナウ観光情報協会9月号原稿 ミャンマー散骨旅行記(2)

公開日: : 最終更新日:2016/11/25 用語「人流」「観光」「ツーリズム」「ツーリスト」

ヤンゴンはこれから高度経済成長期を迎える。1970年初めて渡った時の香港に感じが似ていた。宿泊したホテルの近くに1931年と書かれたビル(写真)を見つけた。満州事変時のものだ。街でフリーペーパー・ミャンマージャポンを見つけた。レオパレス、HISの宣伝に加え、県人会、趣味の会の紹介の欄がある。赤門会もあった。

イラワジ川での父親の遺骨を散骨した翌5月21日、タイ国境に近いゴールデンロック観光に出かけた。当日は満月、カソン祭りで、仏陀が悟りをひらいた日だそうだ。沿道いたるところで火炎樹が目に入る。日本兵は南洋桜と呼んだがおよそ桜には見えない。国境付近には少数民族(モン族)の反政府軍が存在するので、陸軍の管理する広大な敷地が沿道に広がっていた。軍事施設撮影禁止とガイドブックに出ていたが、ただ密林が広がるだけであった。

シッタウン河を渡る。川を挟んで日本と英国が戦争をしたとガイドが説明する。ドローンのない時代だから源平の合戦と基本は変わらない。ミャンマー人にすれば、いい迷惑で、『観光の政治学』著者・高媛さんのいうホスト・ゲスト論に当たる。ホストのミャンマー人にしてみれば、英国インド連合兵も日本兵も招かざるゲストであった。

初戦で勝利を収めた海軍は、戦略なき拡大に手を染めて豪州付近まで進出した。負けじと陸軍もビルマに拡大したのだが、補給路が伸びきって悲惨な結果になった。政府首脳部は責任問題になるから引っ込みがつかなく、大勢の兵隊を無駄に死なせた。中国や韓国に言われる前に、それだけでも国民に対して大きな責任がある。父の手記『両忘』に地図のない戦闘は大変だったとある。日本兵がマラリアにかかるのは当然だが、心臓の強かった父は生き残った。食料調達といってもコメの調達、軍票で支払ったと書いてあるが、その軍票も後続部隊が略奪したので、農民からすれば、日本軍は強盗集団だろう。父親の部隊は、家畜等を手にいれたようで、たんぱく質の補給ができ他の部隊からうらやましがられたと記述してある。しかし戦争に米食は不向きとの感想も書いている。英国のようにパンが良い。軽くて空輸ができる。そういう発想を上層部は全くしなかったが、まさか熱帯ジャングルでの戦闘まで考えていなかったからだろう。場当たり的派兵だったのだ。
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