安易なフードツーリズム、食育、和食神話への批判 コメに無期ヒ素が含まれているのはものすごく都合が悪い。大手メーカーが「ただの水です」といって水素水を売っている
公開日:
:
最終更新日:2023/05/28
出版・講義資料, 路銀、為替、金融、財政、税制
公研2016年6月号に「食の安全とリスクを考える」畝山智香子(国立医療品食品研究所安全情報部第三室長)と松永和紀(科学ジャーナリスト)の対談が掲載されている。
以下そのメモである。
日本の農産物は安全だ、農業の基準が厳しいという思い込みがあるが、いざ食材を輸出して相手国の基準が日本より厳しいことに気が付くことが多く、ダメと言われるレベルにまでなってしまっている。
海外ではコメに含まれる無機ヒ素が問題になっている。発がん性があるだろうという前提で進んでいる。自然に存在するから天然物の食品の場合ゼロにはできない。一番多く含まれているのはヒジキとコメ。
ヒジキは外国では禁止。問題はコメ。「放射能は一ベクレルも許さない」と言っている人が、なぜコメは完全スルーなのか。玄米の場合日本のコメは2割くらいEUの基準値を超えてしまう。
和食に戻りましょうと言ってきた人に、コメに無期ヒ素が含まれているのはものすごく都合が悪いのです。
長生きできるようになればがんの人が増えるのは当然で、むしろ年齢調整すると減少している。
健康食品の宣伝をメディアが行うが、ほとんど詐欺に近い。特定保健用食品(トクホ)の時代からかなり嘘ばかり。
大手メーカーが「ただの水です」といって水素水を売っているが、これは機能性すらなく、イメージだけ。
痩せるとうたわれてものはほとんど下剤
台湾でアメシバの被害が出ているのに、日本の大手出版社が宣伝している
ウコンが肝臓にいいと言っているのは日本だけ
生肉で食中毒が大量に出ている。なぜメディアがあんなに宣伝するのかわからない。ギラン・バレー症候群になって一生治らない人が出たらどうするのでしょう。
昔はささみを生で食べられたが、今は温水処理の段階で全部がカンピロバクターに汚染されてしまうから危険。
依然として洋食より和食だとか、加工品は食べないようにしましょうという内容を「食育」という名で続けている現状がある。年寄りの単なる思い込みである。
玄米はカドミニウムとヒ素が多いので子供に食べさせるのはやめるべき。
たんぱく質、炭水化物、脂質のバランスを言うのは日本独自で、根拠なし。日本人のナトリウム摂取量が多いのは、ご飯のおかずにいいように味を濃くするから。野菜料理そのもので十分な味と考えればもっと塩分を減らせるから、和食は最大の欠点。
添加物の鉄のほうがヒ素が入っていないので安全だが、日本人は添加物は悪いと思い込んでいる。
関連記事
-
-
『インバウンドの衝撃』牧野知弘を読んでの批判
題名にひかれて、麻布図書館で予約をして読んでみた。2015年10月発行であるから、爆買いが話題の時代
-
-
『コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から 』西原智昭 現代書館
西原智昭氏の著書を読んだ。氏の経歴のHP http://www.arsvi.com/w/nt10.h
-
-
外国人労働者受入と外国人観光客受入は違うのか違わないのか?~「人流による収斂」と「金流による収斂」~
国際観光が政策として叫ばれているが、その政策的意義が考えれば考えるほどわからなくなってきた。それは移
-
-
『結婚のない国を歩く』モソ人の母系社会 金龍哲著
https://honz.jp/articles/-/4147 書によれば、「民族」という単
-
-
『セイヴィング・ザ・サン』 ジリアン・テッド
バブル期に関する書籍は数多く出版され、高杉良が長銀をモデルに書いた『小説・ザ・外資』はア
-
-
『高度経済成長期の日本経済』武田晴人編 有斐閣 訪日外客数の急増の分析に参考
キーワード 繰延需要の発現(家計ストック水準の回復) 家電モデル(世帯数の増加)自動車(見せびら
-
-
国際観光収支の黒字に意味があるのか?
観光基本法が全面改正された法制上の大きいな理由は、中央集権規定の廃止であった。農業基本法等戦後成立し
-
-
肥後交通グループの第2回オフサイトミーティングに参加して
チームネクストの番外の研修として、熊本県人吉市に所在する中小企業大学校研修室を使用して開催された、肥
-
-
ソ連の北方四島占領作戦は、米国の援助のもとで実施されたという「発見」 『さらば!検索サイト』太田昌国著 現代書館
また私の頭の中で「歴史は新しく作られる」という例が増加した。表記のpp.77~79に記述されている
-
-
『婚姻の話』 柳田國男
日本は見合い結婚の国、それが日本の伝統文化である、という説に、柳田ははっきりノーを突き付ける。