雲の会 露口洋介氏「人民元と中国の金融改革」
公開日:
:
最終更新日:2023/05/30
路銀、為替、金融、財政、税制
11月6日雲の会で露口氏の話を聞いた。
人民元の国際化は1994年に決定されていたが、アジア通貨危機で延期になり、2004年からスタート。今ではテクニカルな問題で非政治的である。これまでは金利を使用しないで貸出量で制限していた。日本だって金利の自由化は相当遅れていた。資本取引自由化、金利を自由化すれば、為替レートは変動する。
量で金融政策を行うのではなく(窓口規制)、金利で金融政策を行う
今は中国は自由化したものの、基準レートを公表している!
金利自由化により利ざやが減少する。銀行経営が難しくなる。預金保険機構が必要となる。ようやく施行された
ドルは出回っている現金だけでも数兆円の金利が稼げる。アメリカ連銀は、金融制裁をする力をもつ。クレジットラインを止めれば、ドル使用の対外決済ができない。
通貨スワップでしのぐしかない。過度なドル依存からは回避したい。
これまで、7割がドル・人民元、3割が円・人民元 過度なドル依存からの脱却と東京市場の活性化、円の国際化 東京市場で日本の銀行が中国企業の債権を人民元だてで販売。
中国のカントリーリスクは大丈夫か。
一人あたりのGDPが一万ドルまでは、開発独裁の方が効率がよい。しかし一万ドルから二万ドルになる国は、民主制の日本、韓国、イスラエル(例外は島国シンガポール、香港と中東資源国)。これを中進国の罠というが、中国はブレークスルーできるか。一党独裁の問題を中国共産党はどう解決できるか。中国は民間企業でも共産党委員会が存在し、人事権を握っている。
独裁国家では成長できないとハイエクはいっている。ナチスの場合も、ワイマール共和制時代に6割国有化した。そこにナチスが進出した。
中国が成長できない事を期待しているのは日本くらいで。世界の国々はそうは見ていない。
関連記事
-
人民元の動向と中国の通貨戦略 日本銀行アジア金融協力センター 露口洋介 2011.1
中国の現状は。日本の1970年を過ぎたところに当たる 大きく異なるのは、①中国は海外市場で
-
フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」をよんで
観光を理解する上では「脳」「満足」「価値」「マネー」が不可欠であるが、なかなか理解するには骨が折れる
-
『国債の歴史』(富田俊基著2006年東洋経済新報社)を読んで
標記図書を読み、あとがきが要領よくまとめられていた。財政に素人の私には、非常に参考になる。 要約す
-
保護中: 『日本が太平洋戦争に総額いくらを費やしたか、知っていますか 』 国家予算の280倍の記事
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52599 毎年、この
-
2 中国人海外旅行者数の増大、中国国内旅行市場の拡大が及ぼす東アジア圏への影響
○ 海運の世界で発生したことは必ず航空の世界でも発生する。神戸港は横浜港とともにコンテナ取扱個数にお
-
『セイヴィング・ザ・サン』 ジリアン・テッド
バブル期に関する書籍は数多く出版され、高杉良が長銀をモデルに書いた『小説・ザ・外資』はア
-
保護中: 『from 911/USAレポート』第827回 「アベノミクスの功罪と出口シナリオ」冷泉彰彦 これだけ識字率と基礎算術と社会性の訓練を受けた分厚い人口を抱えた大国が、利幅が薄く労働集約型の観光業を主要産業とするという、どう考えても悲劇的な産業構造に追い詰められた、これは7年半にわたって改革に消極であったことのツケにしても、随分と妙な方向になったと思います
結果的に、これだけ識字率と基礎算術と社会性の訓練を受けた分厚い人口を抱えた大国が、利幅が薄く労働
-
報告「南チロルのルーラルツーリズム発展における農村女性の役割」を聞いて
池袋の立教大学で観光研究者の集まりがあり、標記の報告を聴く機会があった。いずれきちんとした論文になる
-
動画で考える人流観光学 「日韓露」つなぐ唯一の航路廃止
「日韓露」つなぐ唯一の航路廃止、累積赤字41億円…一度も黒字化できず 2020/0
-
◎『バブル』永野健二著
GHQの直接金融主体の経済改革からすると、証券市場と証券会社の育成が不可欠であるにもかかわ