雲の会 露口洋介氏「人民元と中国の金融改革」
公開日:
:
最終更新日:2016/11/25
観光学者への辛口評論等~観光学研究発展のため~
11月6日雲の会で露口氏の話を聞いた。
人民元の国際化は1994年に決定されていたが、アジア通貨危機で延期になり、2004年からスタート。今ではテクニカルな問題で非政治的である。これまでは金利を使用しないで貸出量で制限していた。日本だって金利の自由化は相当遅れていた。資本取引自由化、金利を自由化すれば、為替レートは変動する。
量で金融政策を行うのではなく(窓口規制)、金利で金融政策を行う
今は中国は自由化したものの、基準レートを公表している!
金利自由化により利ざやが減少する。銀行経営が難しくなる。預金保険機構が必要となる。ようやく施行された
ドルは出回っている現金だけでも数兆円の金利が稼げる。アメリカ連銀は、金融制裁をする力をもつ。クレジットラインを止めれば、ドル使用の対外決済ができない。
通貨スワップでしのぐしかない。過度なドル依存からは回避したい。
これまで、7割がドル・人民元、3割が円・人民元 過度なドル依存からの脱却と東京市場の活性化、円の国際化 東京市場で日本の銀行が中国企業の債権を人民元だてで販売。
中国のカントリーリスクは大丈夫か。
一人あたりのGDPが一万ドルまでは、開発独裁の方が効率がよい。しかし一万ドルから二万ドルになる国は、民主制の日本、韓国、イスラエル(例外は島国シンガポール、香港と中東資源国)。これを中進国の罠というが、中国はブレークスルーできるか。一党独裁の問題を中国共産党はどう解決できるか。中国は民間企業でも共産党委員会が存在し、人事権を握っている。
独裁国家では成長できないとハイエクはいっている。ナチスの場合も、ワイマール共和制時代に6割国有化した。そこにナチスが進出した。
中国が成長できない事を期待しているのは日本くらいで。世界の国々はそうは見ていない。
関連記事
-
-
Deep learning とサバン(思い付き)
「 スタンフォード大学の研究チームが、深層学習を用いて衛星画像からソーラーパネルを探し出すディープ
-
-
電子出版事始め『人流・観光学概論』
大学のテキストで使用するつもりであった『人流・観光学概論』、ウィネットの好意で、校正済みのPDFを
-
-
観光資源としての「隠れキリシタン」 五体投地、カーバ神殿、アーミッシュとの比較
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産登録された。江戸時代の禁教期にひそかに信仰を続け
-
-
観光資源論と 観光学全集「観光行動論」を考える ベニスのクルーズ船反対運動への感想と併せて
現在「観光資源論の再構築と観光学研究の将来」と題した小論文をまとめているが、観光資源(正確には観光対
-
-
ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える
白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない。
-
-
人流抑制に関する経済学者と感染症学者の意見の一致「新型コロナ対策への経済学の貢献」大竹文雄 公研2021年8月号No.696を読んで
公研2021年8月号No.696にコロナ関連の有識者委員等である、行動経済学者大竹文雄氏の「新型コ
-
-
伝統は後で作られる例①
日本のサンクチュアリシリーズ 484宮内庁書陵部 皇居の庁舎で天皇・皇族の戸籍簿「皇統譜」や文書類
-
-
観光と人流ビッグデータとウェアラブルに関する意見交換会
2015年2月17日14時から一般社団法人日本情報経済社会推進協会/gコンテンツ流通推進協議会におい
-
-
マルティニーク生まれのクレオール。 ついでに字句「伝統」が使われる始めたのは昭和初期からということ
北澤憲昭の『<列島>の絵画』を読み、日本画がクレオールのようだというたとえ話は、私の意見に近く、理解