*

 『満州鉄道 まぼろし旅行』川村湊2002年文芸春秋

公開日: : 最終更新日:2023/05/29 戦跡観光

資料を活用したよくできたわかりやすい著作物。小学6年生のサツキくんと小学4年生のヤヨイちゃんをつれて道案内をする仮想旅行。大連からハルピン、ノモンハンまでを日本人観光客に説明するにはこれが一番わかりやすいものの一つであろう。

しかし、大連で、クーリーが登場する所を除けば、やはり日本人の視線。ハルピンで白系ロシアのダンサーを見る目も日本人の視線であるのは観光客としては当然であろう。ホストゲスト論をまたなくても、植民地目線にならざるをえず、当然中国人の目線からすると、満州も違った風景に見えてくるであろう。「歴史認識の違い」以前の問題である。観光資源は相対的であるのである。

観光と遊覧の言葉の出現を見ると、遊覧が多い。観光が出てくるのは固有名詞である新京観光協会、新京観光バスとしてであるが、同時に遊覧も使用されている。「御遊覧にも御視察にも御利用」と表現。

関連記事

no image

◎◎3 戦争、観光、メディア~戦争も観光資源へのパスポート~

 戦争・戦闘はメディアが好んで取り上げる。メディアは刺激を基本とするからである。観光を論じる意義とそ

記事を読む

no image

戦前に観光が展開された時の日本の状況

日本の学会では1920年代の国際秩序をワシントン体制という概念で論じることが通例。1931年の満州事

記事を読む

no image

満州の映像

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detai

記事を読む

no image

○『公研』2015年9月号「世界のパワーバランスの変化と日本の安全保障」(細谷雄一)を読んで

市販はされていないが、毎月送られてくる雑誌に公益産業研究調査会が発行する『公研』という雑誌がある。読

記事を読む

no image

戦時下の民生のイメージ:『戦時下の日本映画』古川隆久 吉川弘文堂 2003年

観光も戦時下において隆盛になった。満州観光や神社巡りが奨励された。戦争の勃発と同時に大人の映画観客が

記事を読む

no image

ジャパンナウ観光情報協会7月号 ミャンマー散骨旅行記(1)

九十六歳の父親がイラワジ川散骨を希望して旅立った。子供の頃モールメンライターやシャン族の話を聞かされ

記事を読む

京都、ビガン、マンダレーと戦禍

京都は千年の古都と称されるが、京都駅に降り立ってもそのイメージはわかない。同じ千年の街と呼ばれるベニ

記事を読む

no image

保護中: ○日米関係史「開戦に至る10年」2陸海軍と経済官僚(メモ) 

明治憲法(67条)は、予算は行政機関に対する天皇の訓令という考え方であり、統治者自身は予算に拘束され

記事を読む

no image

中国の環境問題、日米中問題(公研2015年7月号)と沖縄・朝鮮

雑誌『公研』に「爆食」中国と世界の食料問題と題する、村田興文氏と柯隆氏による対話記事が掲載されていた

記事を読む

no image

『細菌戦部隊と自決した二人の医学者』常石敬一、浅野富三

p.97に「厚生省の設置」の記述があるが、著者は「厚生」の語源には興味なく触れていない。観光研究

記事を読む

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

2025年11月22日地球落穂ひろいの旅 プンタアレナス

旅程作成で、ウシュアイアとプンタアレナスの順序を考えた結果、パスクワか

2025年11月19日~21日 地球落穂ひろいの旅イースター島(ラパヌイ) 

チリへの訪問は2014年に国連加盟国 として訪問済み。イースタ

→もっと見る

PAGE TOP ↑