*

港図書館・リサイクル処分の『カジノの文化史』大川潤・佐伯英隆著

公開日: : 路銀、為替、金融、財政、税制

港区図書館でリサイクル処分になる図書をもらってきた。平成23年に経済産業省の役人二人が書いた本である。日本の国会議員やマスコミ相手にするには、適当な参考書であり、さすがは霞が関の優秀な役人である。日本の世論への火付け役としてはその役割を果たしたかもしれない。でも、これを英訳して、 ラスベガスの カジノのオーナーが感心するかといえば、疑問である。

満州事変を起こした石原莞爾も優秀な軍人であったが、問題は転勤があり、最後まで責任が取れないことが問題であるといわれた。理想とする満州国を自ら参加して骨をうずめるまで関係するとすれば、古都の進め方も変わってきたのであろう。私の父親も陸軍士官学校の教官からビルマの激戦地(負け戦)に転勤になって終戦を迎えた。あの戦争のさなかでも、日本軍は定期異動の発令をしていた。空襲の下で陸軍大学の受験勉強をしてた将校がいたことも知られた話である。今の霞が関でも3年も同じポストについていると、異例の長期担当といわれる。

大川、佐伯氏も、自らカジノ経営者になることは全く考えていなかったであろう。自らカジノ経営に従事することを前提にすると、おのずから、この本の書き方も変わってくると思う。ラスベガスのカジノ資本に食い物にされないことを祈るのみである

関連記事

no image

2013.8.19 そして預金は切り捨てられた 戦後日本の債務調整の悲惨な現実 ――日本総合研究所調査部主任研究員 河村小百合

ここで紹介されている「 昭和21年10月19日には、「戦時補償特別措置法」が公布され、いわば政府に

記事を読む

no image

外国人労働者受入と外国人観光客受入は違うのか違わないのか?~「人流による収斂」と「金流による収斂」~

国際観光が政策として叫ばれているが、その政策的意義が考えれば考えるほどわからなくなってきた。それは移

記事を読む

no image

『国債の歴史』(富田俊基著2006年東洋経済新報社)を読んで

標記図書を読み、あとがきが要領よくまとめられていた。財政に素人の私には、非常に参考になる。 要約す

記事を読む

『高度経済成長期の日本経済』武田晴人編 有斐閣 訪日外客数の急増の分析に参考

キーワード 繰延需要の発現(家計ストック水準の回復) 家電モデル(世帯数の増加)自動車(見せびら

記事を読む

『公共貨幣論入門』山口薫、山口陽恵

MMT論の天敵 Amazonの書評(注 少し難解だが、言わんとするところは読み取れ

記事を読む

no image

歴史は繰り返す遊興飲食・宿泊税とDMO論議 

デスティネーションを含んだDMOなる言葉が独り歩きしている。私がカタカナ用語のデスティネーションを

記事を読む

no image

三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』なぜ日本に資本主義が形成されたか

  ちしまのおくも、おきなわも、やしまのそとのまもりなり

記事を読む

no image

明治維新の評価 『経済改革としての明治維新』武田知弘著

明治時代の日本は世界史的に見て非常に稀有な存在である。19世紀後半、日本だけが欧米列強に対抗し

記事を読む

書評『みんなが知りたいアメリカ経済』田端克至著

高崎経済大学出身教授による経済学講義用の教科書。経済、金融に素人の私にはわかりやすく、しかも大学教

記事を読む

no image

人流ビジネスと利用運送

旅客運送事業法が設備の数量規制を行っていた時代は、旅客運送行為は運送事業者が自ら行うことが前提となっ

記事を読む

no image
ロシア旅行の前の、携帯wifi準備

https://tanakanews.com/251206rutrav

no image
ロシア旅行 田中宇

https://tanakanews.com/251205crimea

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

→もっと見る

PAGE TOP ↑