Quora ヨーロッパ人による境界がなかった場合には、今日のアフリカには幾つくらいの国があったと思いますか? 欧州にはバスク語しか残らなかった
公開日:
:
最終更新日:2023/05/27
出版・講義資料
ヨーロッパ人による境界がなかった場合には、今日のアフリカには幾つくらいの国があったと思いますか?
例えば、ヨーロッパ人がアフリカを植民地化しなかったとします。彼らは人工的な境界線を作らず、先住民にヨーロッパの言語を教えることもしませんでした。と。
つまり、言語による地図はこのようになります。
小さな地域のほとんどの人は、隣接する地域の人とコミュニケーションをとることができませんね。
そこで、西アフリカだけでも100ほどの社会を含む、数百の社会からスタートすることになります。
しかし、それらのほとんどは、どう考えても「国家」ではありません。どこで線を引くかにもよりますが、20から50の社会が、首長国以上のものとみなされるのに必要な属品を備えています。
そして、そこからが厄介なのです。
永遠のパワーバランスが、西洋技術の登場によって崩れてしまうのです。ある社会は優位に立ちます。出世した社会は、貪欲に隣人の土地に目を向けるでしょう。ある社会は集約農業を採用し、人口爆発を起こして、農業以前の隣国を圧倒するだけのマンパワーを手に入れます。大規模な血なまぐさい戦争が行われます。平和的に共存するための共通言語もなく、部族間の対立を抑えるヨーロッパ人もいないため、大陸では大量虐殺が繰り返されるでしょう。
1900年までに残った国の数は、おそらく現在の国の数に匹敵するでしょう。制限要因は、中央政府が国の周辺部の人々を抑圧する能力です。ラクダのキャラバンでアルジェリアに行くのに片道3ヶ月かかる場合、ゴールドコーストの政府がアルジェリアの人々を離反させないようにするのは難しいです。
しかし、民族的にははるかに同質です。例えば、アンゴラには6つの主要民族と無数の少数民族がいますが、国全体の90%はバコンゴ人で、その他の民族は絶滅しているか、完全に同化しているかもしれません。
皮肉なことに、ヨーロッパの植民者がいない場合、アフリカはヨーロッパによく似ている。ヨーロッパもかつては、どの谷にもどの島にも、互いに理解できない言語を持つ何百もの首長国が存在していた。しかし、紀元前2000年にインド・ヨーロッパ人がヨーロッパにやってきて、その後の大虐殺で先住民は絶滅したり、徹底的に同化されたりして、1500年までに残っている言語は片手の指で数えられるほどになり、現在ではバスク語しか残っていない。
バスク語は現存するどの言語とも系統関係が立証されていない孤立した言語であり、西ヨーロッパで唯一生き残ったインド=ヨーロッパ語族以前の言語(先印欧語)である。
関連記事
-
-
南米「棄民」政策の実像 遠藤十亜希著 岩波現代全書 最も南米移民を排出したのが最貧困地帯たる東北ではなく北部九州~山陽ラインだったのは何故か?
19世紀末から20世紀半ばまで、約31万人の日本人が、新天地を求めて未知の地ラテンアメリカに移住
-
-
保護中: 『from 911/USAレポート』第827回 「アベノミクスの功罪と出口シナリオ」冷泉彰彦 これだけ識字率と基礎算術と社会性の訓練を受けた分厚い人口を抱えた大国が、利幅が薄く労働集約型の観光業を主要産業とするという、どう考えても悲劇的な産業構造に追い詰められた、これは7年半にわたって改革に消極であったことのツケにしても、随分と妙な方向になったと思います
結果的に、これだけ識字率と基礎算術と社会性の訓練を受けた分厚い人口を抱えた大国が、利幅が薄く労働
-
-
『コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から 』西原智昭 現代書館
西原智昭氏の著書を読んだ。氏の経歴のHP http://www.arsvi.com/w/nt10.h
-
-
『発掘捏造』毎日新聞旧石器遺跡取材班
もう20年も前の事であるが、毎日新聞取材班の熱意により旧石器遺跡の捏造事件が発覚した。その結果、
-
-
1932年12月16日『白木屋の大火始末記』
関東大震災の始末が終了したころ 地下三階地上七階建てデパートの4階から出火 クリスマスツリーの豆電
-
-
フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」をよんで
観光を理解する上では「脳」「満足」「価値」「マネー」が不可欠であるが、なかなか理解するには骨が折れる
-
-
山泰幸『江戸の思想闘争』
社会の発見 社会現象は自然現象と未分離であるとする朱子学に対し、伊藤仁斎は自然現象
-
-
横山宏章の『反日と反中』(集英社新書2005年)及び『中華民国』(中央公論1997年)を読んで「歴史認識と観光」を考える
歴史認識を巡り日本と中国の大衆が反目しがちになってきたが、私は歴史認識の違いを比較すればするほど、
-
-
『はじめての認知科学』新曜社 人工知能研究(人の知性を人工的に作ろうという研究)と認知科学研究(人の心の成り立ちを探る研究)は双子
人工知能研究(人の知性を人工的に作ろうという研究)と認知科学研究(人の心の成り立ちを探る研究)は
-
-
『結婚のない国を歩く』モソ人の母系社会 金龍哲著
https://honz.jp/articles/-/4147 書によれば、「民族」という単
