*

QUORAに見る歴史認識 香港国家安全法制は怖くない

公開日: : 最終更新日:2020/12/01 歴史認識

この回答は次の質問に対するQuora英語版でのJohn Chiuさんの回答です (ご本人は翻訳の成否を確認しておりません) :Is the Hong Kong National Security Law scary to you? Why or why not?あなたは香港の国家安全法制が怖いですか?それはなぜですか?

正直なところ、私は今、香港に27年住んでいますが、返還後の大きな変化を目の当たりにしました。実際の状況は完全にゆがめられて伝えられています。香港は中国の都市であり、上海や北京の広州、深センと比較しても決して大きくはありません。香港は720万人で、中華人民共和国のごく一部です。もし中国の法律がそんなに悪かったら、なぜ過去15年間に多くの国際企業や企業が北京や上海に投資してきたのか。中国の国家安全法制は香港よりもさらに厳しいのですよ。

アメリカ人やヨーロッパ人は、仕事や生活のために中国本土に流れ込み、中国での生活に不安を感じることなく家まで購入しています。一般の人にとっての現実の状況は、法律を守る市民でよっぽど政治的主張の強い人(中国の99%の人がそうですが)でなければ中国政府を恐れることは全くないということです。

話を戻しますが、香港は14億人のうち700万人しかいない小さな場所です。香港はすでに中国に主権があり、他の国ど同様にどんな理由でも自国の土地を守るべきです。フィリピンはまた同様の厳しい法律を導入していますが、誰もそんなことは気にしていません。香港は中国の都市に過ぎませんが、香港の人々のほとんどは法律を守り、政治的ではありません。

では、誰が人々の自由と権利について波風を立てているのでしょうか?黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や羅冠聡(ネイサン・ロー)のように、高いところから自分の意見をぶちまける人たちは常にいます。彼らにも意見はあるので中国や香港政府を嫌おうが、引き渡し法案や安保法制にも反対しようがそれは別に問題ありません。しかし暴動をおこし、警察を攻撃してしまえば中国政府は断固たる措置に出るしかありません。西側に援助を求めたことが運動に完全に裏目に出てしまい、今ではおそらく提案されている身柄引き渡し法よりも悪い安全保障法ができてしまったのです。

では、この法律は私にとって怖いものなのでしょうか?率直に言って、全く怖くありません。私は法律を遵守している香港在住者で、安全で豊かな環境で暮らし、家族を育てることができていますが、これは主に中国企業が香港を中国の特別な場所として認めていることによるものです。香港は中国本土から離れてしまうと経済状況は石が落ちるように悪化するでしょう。

私は、中国政府が香港を中国の特別行政区として維持することで、香港の将来に不安はありません。香港のことを全く理解していない西側の人間が口出ししてはいけません。中国が人種差別やアメリカのBLM運動に文句を言っているのは見ないでしょう。むしろ中国は暴動を起こす人たちに資金を提供して、より多くのトラブルを助長させるべきなのかもしれないが、これは手に負えなくなるので香港に話題を戻し、金融センターとして再び繁栄する必要がある。そして私はそうなることを確信しています。

関連記事

no image

満州の中国化 中国東北部の民族構成の歴史的推移

高媛氏の『観光の政治学』の主要テーマがホスト(中国人)、代理ホスト(在満日本人)、ゲスト(外国人)が

記事を読む

コロニアル・ツーリズム序説 永淵康之著『バリ島』 ブランドン・パーマー著『日本統治下朝鮮の戦時動員』

「植民地観光」というタイトルでは、歴史認識で揺れる東アジアでは冷静な論述ができないので、とりあえずコ

記事を読む

no image

書評『山形有朋』岡義武 岩波文庫

p.208- 晩年とその死  世界戦争に関し、米国の対日態度は懸念される。ドイツの敗戦が必ず

記事を読む

任文桓『日本帝国と大韓民国に仕えた官僚の回想』を読んで

まず、親日派排斥の韓国のイメージが日本で蔓延しているが、本書を読む限り、建前としての親日派排除はなく

記事を読む

no image

書評 渡辺信一郎『中華の成立』岩波新書

ヒトゲノム分析によれば、山東省臨̪淄の遺跡 2500年前の人類集団は現代欧州と現代トルコ集団の中間

記事を読む

『国際報道を問いなおす』杉田弘毅著 筑摩書房2022年

 ウクライナ戦争が始まって以来、日本のメディアもSNSもこの話題を数多く取り上げてきている。必ずし

記事を読む

no image

明治維新の評価 『経済改革としての明治維新』武田知弘著

明治時代の日本は世界史的に見て非常に稀有な存在である。19世紀後半、日本だけが欧米列強に対抗し

記事を読む

no image

Quoraに見る歴史認識 なぜ、日本はアメリカの属国と言われるのですか?

北原 俊史·6月22日映像制作者なぜ、日本はアメリカの属国と言われるのですか? 1960年の

記事を読む

no image

『官僚制としての日本陸軍』北岡伸一著 筑摩書房 を読んで、歴史認識と観光を考える

○ 政治と軍 「軍が政治に不関与」とは竹橋事件を契機に明治政府が作ったことである。そもそも明治国家

記事を読む

no image

保阪正康氏の講演録と西浦進氏の著作物等を読んで

日中韓の観光政策研究を進める上で、現在問題になっている「歴史認識」問題を調べざるを得ない。従って、戦

記事を読む

PAGE TOP ↑