*

書評『山形有朋』岡義武 岩波文庫

公開日: : 最終更新日:2020/12/01 歴史認識

p.208- 晩年とその死 

世界戦争に関し、米国の対日態度は懸念される。ドイツの敗戦が必ずしも日本にとって有利とは考えられない。日本の対ロ方針の確定には、米英の対ロ方針を知ることが先決とした

p.218 原は「日米戦争は山形公さえ生きておれば、起らない」「山形公は外国に対しては腰の弱い人である」

p.220 「このほども日本の将校が電車中にて職人体の男の足を踏み丁寧に謝罪したるに、彼は憤然としてただ詫びてすむと思うか、露国のことを知らぬかといいたる者ありとぞ、誠に寒心の至りなり」

p.221「労働問題に8時間制を云々して、日本においてもこれを適応せざる可らざるがごとく論ず」るが、自分も庭づくりに植木屋を使っているが、彼らは午前7時半ころ来てゆるゆる一服して3、40分を費やし、少し働くと食事休とて1時間ほど休む¥み、その次はオヤツなどといって茶を飲み雑談し、夏などは昼寝をするものもないではない。そして4時ころには引き上げてしまうから、実際の働くのは3、4時間ほどであろう。このような職人について8時間制などというのは果たして適当であろうか」「自由働きの職人のごときは仕事は「気随気儘」で時間制で束縛できぬ。労働問題を論ずるものは自分で少し職人を使って実情を知ったうえでモノを言ってもらいたい」

関連記事

no image

QUORAにみる歴史認識  伊藤博文を殺したのは安重根ではないという説を見ました。もし安重根以外が殺したとしたら誰が何の為に殺したのですか?回

伊藤博文を殺したのは安重根ではないという説を見ました。もし安重根以外が殺したとしたら誰が何の為に殺

記事を読む

no image

ウェストファリア神話

国際観光を論じる際に、文科省からしつこく、「国際」観光とは何かと問われたことを契機に、国際について

記事を読む

no image

保護中: 7-2 先行研究2(李論文要約)

植民地朝鮮における朝鮮総督府の観光政策 李    良 姫 『北東アジア研究』第13号(2007年

記事を読む

歴史認識と書評『1945 予定された敗戦: ソ連進攻と冷戦の到来』小代有希子

「ユーラシア太平洋戦争」の末期、日本では敗戦を見込んで、帝国崩壊後の世界情勢をめぐる様々な分析が行

記事を読む

no image

朝河寛一とアントニオ猪木 歴史認識は永遠ではないということ

アントニオ猪木の「訪朝」がバカにできない理由 窪田順生:ノンフィクションライター経営・戦略情

記事を読む

no image

Quora 物語などによくあるように、中世ヨーロッパの貴族たちは国民から搾取してすごく贅沢な暮らしをしていたのですか?

中世に今日と同じ意味での「国民」はまだ存在しません。領主が農民を支配し、領主同士に主従関係

記事を読む

no image

QUORAにみる歴史認識 大坂なおみが二重国籍を認められたことで、日本は二重国籍を認めていることが表に出ましたが、これまで二重国籍はダメだと思いこまされてどちらかの国籍を諦めたり、秘密にしてきた人も多いのではないですか?

大坂なおみが二重国籍を認められたことで、日本は二重国籍を認めていることが表に出ましたが、これまで二

記事を読む

『総選挙はこのようにして始まった』稲田雅洋著 天皇制の下での議会は一部の金持ちや地主が議員になっていたという通説が実証的に覆されている。いわば「勝手連」のような庶民が、志ある有能な人物(国税15円を納める資力のない者)をどのような工夫で議員に押し立てたかを資料に基づいて丹念にドキュメンタリー風に解説

学校で教えられた事と大分違っていた。1890(明治23)年の第一回総選挙で当選して衆議院議員にな

記事を読む

no image

『カシュガール』滞在記 マカートニ夫人著 金子民雄訳

とかく甘いムードの漂うシルクロードの世界しか知らない人には、こうした動乱の世界は全く想像を超えるも

記事を読む

no image

Quoraに見る歴史認識  日本には高校の日本史の教科書に載っている南京事件(南京大虐殺)をなかったと主張する人が高学歴の人にもいるのはなぜですか?

敗残兵が大量に流入した状態で司令官が降伏手続きを取らずに逃亡してしまった大都市を占領するの

記事を読む

PAGE TOP ↑