*

QUORA 李鴻章(リー・ホンチャン=President Lee)。

公開日: : 最終更新日:2023/05/21 出版・講義資料, 歴史認識


学校では教えてくれない大事なことや歴史的な事実は何ですか?

李鴻章(リー・ホンチャン=President Lee)。

李鴻章は清の時代の政治家・将軍。イギリスに「99年」という期間を設けて貸与した本人。これによって領土拡大しようと目論んだイギリスの動きを封じた。イギリスにとっては99年というのは「充分な成果」であった。しかし中国にとっては「ほんの僅かな期間」にしか過ぎない。李鴻章は近代欧米の限界を知り尽くしていた。よって遅ればせながらイギリスが気付いた時には手遅れとなった。またロシアと交渉し領土拡大を最小限に、フランスにはベトナムを、日本には台湾と満州鉄道の許可などで、またドイツと交渉し中国の列強による分断を防いだ。日清戦争があたかも日本と中国の全面的な戦争とされているのは真っ赤な嘘で、事実上は李鴻章の私兵との戦闘。日清戦争の停戦を下関で伊藤博文と締結したのもまた彼である。結果、世界でも最大の国家を国家たらしめたのはこの四面楚歌の時代に生きたたった一人の英雄によるものである。「敗北の英雄」と呼ばれている。

毛沢東による革命も「文化大革命」という名の虐殺も、それが可能だったのは李鴻章という稀代の天才によって「支那」あるいは「中国」が分断されなかったことによる。事実上李鴻章はナポレオン、アレクサンダー大王にも比肩するべき、「守りの英雄」であった。

中国には他にもたくさんの英雄の伝説があるけど、日本人はもちろん、共産党政権もまたそれを握りつぶしている。文学作品だけでも聊斎志異や金瓶梅をなかったことにしている。かろうじて魯迅の「阿Q正伝」が伝わっているぐらいだ。「狂人日記」「酒楼にて」「孔乙己」など素晴らしい作品を残している。また彼は医者であり、日本で学んだ。その時の思い出に「藤野先生」という作品も残している。

関連記事

『言ってはいけない中国の真実』橘玲2018年 新潮文庫  

 コロナ禍で海外旅行に行けないので、ブログにヴァーチャルを書いている。その一つである中国旅行記を

記事を読む

no image

ふるまいよしこ氏の尖閣報道と観光

ふるまいよしこさんの記事は長年読ませていただいている。 大手メディアの配信する記事より、信頼できる

記事を読む

no image

DNAで語る日本人起源論 篠田謙一 をよんで(めも)

篠田氏は、義務教育の教科書で、人類の初期拡散の様子を重要事項として取り上げるべきとする。 私も大賛

記事を読む

no image

書評『山形有朋』岡義武 岩波文庫

p.208- 晩年とその死  世界戦争に関し、米国の対日態度は懸念される。ドイツの敗戦が必ず

記事を読む

no image

横山宏章の『反日と反中』(集英社新書2005年)及び『中華民国』(中央公論1997年)を読んで「歴史認識と観光」を考える

 歴史認識を巡り日本と中国の大衆が反目しがちになってきたが、私は歴史認識の違いを比較すればするほど、

記事を読む

no image

『脳の誕生』大隅典子 Amazon書評

http:// www.pnas.org/content/supp1/2004/05/13/040

記事を読む

no image

保護中: 7-1 先行研究1(高論文要約)

高論文 「観光の政治学」 戦前・戦後における日本人の「満州」観光 (満州引揚者)極楽⇒奈落  ホ

記事を読む

書評『シュリューマン旅行記 清国・日本』石井和子訳

日本人の簡素な和式の生活への洞察力は、ベルツと同じ。宗教観は、シュリューマンとは逆に伊藤博文等が

記事を読む

no image

QUORAに見る歴史認識 「日本は韓国に今までこんなことをしてあげた~」的な話をよく聞きますが、そもそもそこまで親身に韓国の発展を支援したのにはどのような魂胆があったんでしょうか?

「 普段は専門外の事には答えないようにしているのですが、あまりに回答者の回答内容が目に余るの

記事を読む

no image

DVD版 NHKスペシャル『日本人は何故戦争へと向かっていたっか』第3回「熱狂はこうして作られた」(2011年2月27日放映)を見て  麻布図書館で借りて

メディアが戦争をあおり立てたというおなじみの話がテーマ。 日本の観光政策が樹立されていく1930年

記事を読む

PAGE TOP ↑