*

三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』なぜ日本に政党政治が成立したのか

公開日: : 最終更新日:2023/05/21 出版・講義資料, 歴史認識

1 なぜ日本に政党政治が成立したのか (これまではなぜ政党政治は短命に終わったかを論じてきた)

日本に立憲主義を受け入れることを可能にした歴史的条件があった 幕藩体制には権力抑制均衡メカニズムが備わっていた(複数の若年寄等、月番制、権力と権威の分散、相互監視) 政治的コミュニケーションが幕藩体制のなかで成立できる素地として、非政治的知的なコミュニケーションのネットワーク(社中)が形成されていた

幕府側も反幕府側も、将来の権力がどういう形をとるにしろ「公儀」によるというコンセンサスが形成

覇府排斥論と権力分立制 反政党内閣と権力分立制の不可分性 上杉慎吉は明治憲法で明文化されていなかった違憲立法審査権を認める(美濃部達吉と異なる)

明治憲法は表見的な権威主義的構成にもかかわらず、その特質は分権的 体制を統合する主体に欠けていた  この主体として、まず藩閥が登場したが、衆議院をどうしても掌握できなかった。日清戦争時から藩閥を政党の接近が始まり、政党が幕府的存在化する

この現象はアメリカもおなじ。アメリカの憲法制定者は、議会多数派の国家支配を抑制することを意図 結局大統領選出母体として複数政党

政党政治の終わりと立憲的独裁 1930年代 デモクラシーなき立憲主義 蝋山政道 ドイツのナチス、英国の挙国一致内閣、米国のニューデール

関連記事

地域観光が個性を失う理由ー太田肇著『同調圧力の正体』を読んでわかったこと

本書で、社会学者G・ジンメルの言説を知った。「集団は小さければ小さいほど個性的になるが、その集団

記事を読む

no image

QUORAに見る歴史認識 あなたが「この人誤解されてるな」と思う歴史上の人物は誰ですか?

あなたが「この人誤解されてるな」と思う歴史上の人物は誰ですか? ネルソン・マンデラさん。

記事を読む

no image

『鉄道が変えた社寺参詣』初詣は鉄道とともに生まれ育った 平山昇著 交通新聞社

初詣が新しいことは大学の講義でも取り上げておいた。アマゾンの書評が参考になるので載せておく。なお、

記事を読む

no image

『昭和史』岩波新書青本  恐慌の影響で、朝鮮人(日本国籍がある)の満州移住が増加したが、中国側は日本の手先と見て敵視 奉天の柳条溝で満州事変  この頃からメディアも変わる

26年と30年を比較すると中国(満蒙含む)の輸出入貿易額に占める対日貿易額の占める割合は低下した

記事を読む

『日本語スタンダードの歴史』野村剛士は、「日本の話しことばについて」『現代国語三』所収 木下順二著1963年を否定

私の自説に、日常と非日常が相対化しており、観光資源もあいまいになってきているというアイデアがある

記事を読む

no image

QUARA コロナ対処にあたってWHO非難の理由にWHOの渡航制限反対が挙げられていますが、これをどう思いますか?

渡航制限反対は主に「中国寄りだから」という文脈で語られています。しかし調べてみれば、今回のコロナウ

記事を読む

no image

富裕層の海外脱出

さて、この文書からわかることは、100万米ドル以上の億万長者の海外脱出で最もメジャーな国は

記事を読む

no image

「元号と伝統」横田耕一 学士會会報No.937pp15-19

元号の法制化に求めた人々に共通する声は元号は「日本文化の伝統である」というものだった。 一世

記事を読む

『本土の人間は知らないことが、沖縄の人はみんな知っていること』書籍情報社 矢部宏治

p.236 細川護熙首相がアメリカ政府高官から北朝鮮の情勢が緊迫していること等を知らされ、米国は

記事を読む

no image

政治制度から考える国会のあるべき姿 大山礼子 公研2019年1月号

必要なのは与党のチェック機能 どこの国でも野党に政策決定をひっくり返す力はない 民主主義は多数決だ

記事を読む

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

2025年11月22日地球落穂ひろいの旅 プンタアレナス

旅程作成で、ウシュアイアとプンタアレナスの順序を考えた結果、パスクワか

2025年11月19日~21日 地球落穂ひろいの旅イースター島(ラパヌイ) 

チリへの訪問は2014年に国連加盟国 として訪問済み。イースタ

→もっと見る

PAGE TOP ↑