*

『ニッポンを蝕む全体主義』適菜収

公開日: : 最終更新日:2023/05/21 出版・講義資料, 歴史認識

本書は、安倍元総理殺害の前に出版されているから、その分、財界の下請け、属国化をおねだりした日本、人治主義への転落等の表現にみられるように、故人への配慮がなされていない点で、本音が出ているものとして興味深く読ませてもらった。

本書は、全体主義台頭の歴史をエーリッヒ・フロム、マルティン・ルター、夏目漱石、ニーチェなどを引用しながら前半の四章までで解説した後、残りの第五章、第六章は『維新の会』や橋下徹、安倍晋三といった【エセ保守への批判】を行なっている。筆者は保守主義とは、「主義」とついているものの、正反対に「主義」を否定する態度であり、思想体系、イデオロギーではないとするところが重要である。さらに保守は人間理性を疑うから、「正義」を警戒し、保守主義の本質は反権力であり、純粋な近代ヨーロッパの思想だとする。従て、わが国で保守を自称する頭の悪い人たちのような、排外主義や新自由主義、愛国カルトといったものとはミリとも関係がないと手厳しい。まるで統一教会を予言しているようでもある。巻末の中野剛志の解説では、本書の読者は、容赦のない批判のうちに「人に知られないさみしさも潜んでいる」ことに気が付くであろうと結んでいるが、暗殺事件によりはからずも人に知られることとなってしまった。

関連記事

no image

QUORAに見る歴史認識の一意見 東条英機と昭和天皇の関係に関する一意見

東条英機氏は几帳面で小心、そして子煩悩なな男だった伝えられている。石原莞爾氏などは、東条氏の小物

記事を読む

有名なピカソの贋作現象 椿井文書(日本最大級偽文書)青木栄一『鉄道忌避伝説の謎』ピルトダウン原人

下記写真は、英国イースト・サセックス州アックフィールド(Uckfield)近郊のピルトダウンにある

記事を読む

no image

「戦争を拡大したのは「海軍」だった」 『日本人はなぜ戦争へと向かったのか戦中編』NHKブックス 歴史は後から作られる例

https://www.j-cast.com/bookwatch/2018/12/09008354

記事を読む

no image

岩波書店の丁稚奉公ストライキ

『教科書には載っていない戦前の日本』p.222 封建的な雇用制度の改善を求めて岩波書店側に突

記事を読む

no image

QUORAにみる歴史認識 不平等条約答えは長州藩と明治政府のせいです。今回に限って言えば、長州藩と明治政府が不平等になるように改悪した原因なのです。

日本人があまり知らない、日本の歴史といえば何が思いつきますか? 日米和親条約と日米修好通商条

記事を読む

no image

『サカナとヤクザ』鈴木智彦著 食と観光、フードツーリズム研究者に求められる視点

築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ! アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大

記事を読む

『日本語スタンダードの歴史』野村剛士は、「日本の話しことばについて」『現代国語三』所収 木下順二著1963年を否定

私の自説に、日常と非日常が相対化しており、観光資源もあいまいになってきているというアイデアがある

記事を読む

no image

人間ってなんなの?:チンパンジーの4年戦争【 進化論 / 科学 / 人 類 】タンザニア

グドール 道具を使うチンパンジーを発見 ジェーン・グドール(Dame Jane Morris Go

記事を読む

no image

国際観光局ができた1930年代の状勢 『戦前日本の「グローバリズム」』

大東亜共栄圏の虚構を指摘 「バダヴィアに派遣された小林一三商相」国内世論の啓発に努める小林は

記事を読む

『パッケージツアーの文化史』吉田春夫 草思社    

港区図書館の新刊本コーナーにあり、さっそく借り出して読んだ。JTBでの実務経験が豊富な筆者であり、

記事を読む

no image

1. シカゴで安全・安い・立地が良いホステル(3つだけ厳選) シカゴ

2026年4月20日 AMRAKの現状認識

◎日本のシステム 線路はJR旅客会社が保有し、JR貨物は「樹液の範

no image
2026年4月20日 ロス發サウスウェストチーフ号の沿線見どころ

サウスウエスト・チーフの線路は、ほぼ全区間が貨物鉄道会社 BNSF(B

AIに聞く USレールパスによるAMTRAK乗車方法

US Rail Pass(USA Rail Pass)を1月19日に購

no image
2026年4月20日 LITTLE TOKYOでの過ごし方 GEMINI回答

1. ビバリーヒルズからリトル東京への移動 公共交通機関を利用する場

→もっと見る

PAGE TOP ↑