「日本の伝統」の正体
公開日:
:
用語「人流」「観光」「ツーリズム」「ツーリスト」
現在、「伝統」と呼ばれている習慣の多くが明治時代以降に定着したと聞いたら驚く人も多いかもしれない。
例えば、喪服は黒色でなく、室町時代以降、江戸時代に入っても白色だったし、七五三は関東限定の地域イベントだった。正月の代名詞ともいえる初詣に至っては誕生したのは明治中期で、今、世間を揺るがしている相撲が「国技」と呼ばれ始めたのは国技館がつくられた明治末だ。
歴史が浅いから価値が下がるわけではない。重要なのは、「伝統」と呼ばれる習慣の背後にはビジネスや権威付けをもくろむ人間が存在するという視点を持つことだと著者は指摘する。「伝統」の二文字が大好きな日本人にとっては耳が痛い話も多い。本書を読むと、我々がいかに深く考えずに前例を踏襲しているかに気づかされるだろう。 「初詣」は江戸時代になかった? ★「江戸しぐさ」のいかがわしさ ★神前結婚式は古式ゆかしくない ★「古典落語」は新しい? ★恵方巻は、本当はいつからあったのか? ★アレもコレも「京都マジック」! ★初めて「卵かけご飯」を食べた男とは? ★サザエさんファミリーは日本の伝統か? ……一見、古来から「連綿と続く伝統」のように見えるしきたりや風習・文化。しかし中には、意外に新しい時代に「発明された伝統」もある。もっともらしい「和の衣裳」を身にまとった「あやしい伝統」
関連記事
-
-
『観光紀遊』岡千仭著 明治19年
明治19年であるから、観光は国際観光の意味が強い時代であろう。
-
-
MaaSに欠けている発想「災害時のロジステックスを考える」対談 西成活裕・有馬朱美 公研2019.6
公研で珍しく物流を取り上げている。p.42では「自動車メーカーは自社の車がどこを走っているかという
-
-
Human Logisticsの提唱
中国東北財形大学準教崔衛華さんが、私の博士論文がベースになっている『観光政策学』(イープシロ
-
-
5月19日 旅の終わりはアラブ首長国連邦・ドバイ(105か国目)
https://goo.gl/photos/ahvZBNeujQRGXvRUA 今回の旅の
-
-
東日本震災時に問題視された略奪の限りを尽くしていた火事場泥棒
https://matome.naver.jp/odai/2150962666730148001
-
-
国際観光局ができたころ 満州某重大事件(張作霖爆死)と満州事変
排日運動が激しくなってきていた。当時は関東軍は知らず、河本大佐数人で実行。満州の出先機関はバラバラ
-
-
芦原伸『新日本奥地紀行』めも
イサベラバードの日本奥地紀行をもとに新たに描いた紀行文。新たに描かれた部分にはオリジナリティーが少な
-
-
quora 中世、近世のヨーロッパで、10代の女性がどのような生活を送っていたのか教えてくれませんか?貴族階級/庶民とそれぞれ、何をしていたのでしょうか?
何で10代の女性限定なのかよくわかりませんが、知っている範囲で。 中世の庶民は、ほぼ
-
-
2019年9月11日 午後新幹線で天津
精華大を後にして、地下鉄4号線で北京南まで行く。神戸のタクシー経営者も同行。駅で天津までの新幹線を
- PREV
- 『創られた伝統』
- NEXT
- 書評 渡辺信一郎『中華の成立』岩波新書