*

QUORA 

ゴルバチョフ書記長ってソ連邦を潰した人でもありますよね。人格的に優れた人だったのかもしれませんが、非常に評価もされているように感じます。その理由はなんでしょうか?あるいは勘違いですか?Nishimura Jensen, Former Paratrooper, Boy Scout回答日: 土曜

確認ですが、質問の趣旨は

ゴルビーはソ連を潰したのにも関わらず、なぜ評価されているのか?

で間違いないでしょうか?

という訳でこの質問に回答したいと思います。

ゴルビーのロシア内での評価はぶっちゃけかなり低いです。ソ連時代を生きてきたロシア人はなんだかんだソ連時代も良かったと思っており、今でもソ連に戻れるなら戻りたいと考えている人は国内に多い様です。

ゴルビーを高く評価しているのは西側諸国の人間が殆どです。単純に考えてみれば、敵として存在した強大国を一度は弱小化させたのですから、そうして当然かもしれません。

一方、ロシア人は自国のプライドや強大国としてのイメージを傷つけたと思っており、ゴルビーを不快に感じているのでしょう。

深く考察するとまた色々出てきそうですが、大まかに考えられる原因は以上に述べた様な物だと思います。

Russia Beyond(ロシア政府公認メディア)に面白い記事がありましたので、ここに転載します。

ハンス・ディートリッヒ・ゲンシャー氏

元西ドイツ外務大臣(1974~1992)

ミハイル・ゴルバチョフ氏はヨーロッパ全土に新しい未来を開いた。冷戦の真っ只中、ヨーロッパ共通の家という概念を作成。ヨーロッパの共通の遺産、ヨーロッパ人の共通の責任を認識した。西側で多くの人が冷戦の固定観念を頑なに保持していた時に。(中略)しかし、ヨーロッパの偉大なるロシア民族は、ヨーロッパの歴史的、文化的アイデンティティの一部である。ゴルバチョフ氏は常にこう確信していた。

フランソワーズ・サガン氏

フランスの作家、1993年の記述

ゴルバチョフ氏は最も想像しがたい、最も望まれた、最も大胆な開放を行った人物として残り続ける。恐怖によって75年間も抑制されていた人々の枷(かせ)を壊し、重い軛(くびき)を外した。一滴の流血もなしに、断固かつ速やかに人々を解放した。

ボノ氏

アイルランドのバンドU2のリーダー

ゴルバチョフ氏にはまれな、説明できないようなエネルギーがある。その動きや作法はボクサー、暴れん坊さえほうふつとさせる。だが偉大なる知性の人物。思考は柔道の精神そのもの。柔道とは何か。それは相手の力を利用すること。ゴルバチョフ氏はロシアを救い、そこからいかなる利益も引き出さなかった政治家である。

エリック・ホブズボーム氏

イギリスの歴史家、2005年の見解

ミハイル・ゴルバチョフ氏に対しては、永続的な敬服の念を抱いている。これはあることを知っている全ての人が抱く敬服の念である。それは、ゴルバチョフ氏の取り組みがなければ、世界をいまだに核戦争の破壊の影が覆っていたであろうということ。(中略)

では、ペレストロイカは第二のロシア革命をもたらしたのだろうか。答えはノー。これは1917年革命によって構築された体制の崩壊をもたらした。その後、社会的、経済的、文化的荒廃の時期が続き、ロシア人はいまだにそこから脱却しきれていない。この災難からの復興はすでに、ロシアの世界大戦からの復興よりも長く続いている。

ニキータ・ミハルコフ氏

ロシアの映画監督

国家レベルでゴルバチョフ氏とエリツィン氏の罪を認めるべき。2人は実際的な犯罪を犯した。意図的であるか否か、貫いたものが情熱であるか否か、そんなことは今は関係ない。その行いが国の崩壊を招いた!ここ100年で最大の地政学的な惨事である。

アレクサンドル・プロハノフ氏

ロシアの作家

私にとってゴルバチョフ氏は悪と同義語。我が故郷の崩壊の象徴。いまだに抜け切れていない一連の不幸を、この人物を通して、我々は背負った。これは偉大なる文明、偉大なる技術、偉大なる科学、偉大なる文化の崩壊、ロシア史のベクトル丸ごとの崩壊である。

ニコライ・ルイシコフ氏

元ソ連首相(1985~1991)

エリツィン氏とゴルバチョフ氏の両名。どちらにも大きな政府は禁忌であった。これは我々の過ち。私も含めて。ゴルバチョフ氏が1985年に政権を握った時、私も支持したのだから。他の人も支持していた。だが就かせるべきではなかった。その力はなかったのだから!国に説教者というポストがあったら、見事にこなせていたであろう!ゴルバチョフ氏は何時間もしゃべり続けたに違いない…だが計画的かつ思慮深く国を運営するとなると…とても衝動的で無秩序な人だった。

フランソワ・ミッテラン氏

元フランス大統領(1981~1995)

ゴルバチョフ氏を、今世紀史における最も優れた人物、自国に民主主義をもたらし、冷戦終結と軍縮を成し遂げた人物として、歓迎している。

アナトリー・ルキヤノフ氏

元ソ連最高会議議長(1990~1991)

自分で決定することに慣れていない典型的なコムソモールの活動家。決定は常に、共産党員か執行当局の職員が行っていたから。政権のずっしりと重い外套は、コムソモールの肩には合わなかった。

マーガレット・サッチャー氏

元イギリス首相(1979~1993)、1984年の発言

ゴルバチョフ氏は比較的オープンだし、知的。人当たりが良く、一定の魅力とユーモアがある。この人となら仕事ができる。むしろ気に入ったぐらい。

https://jp.rbth.com/politics/201…

関連記事

no image

『海外旅行の誕生』有山輝雄著の記述から見る白人崇拝思想

表記図書を久しぶりに読み直してみた。学術書ではないから、読みやすい。専門家でもないので、観光や旅行

記事を読む

no image

中国の観光アウトバウンド政策公研No.675 pp45-46

倉田徹立教大学法学部教授 1997年にアジア通貨危機、2003年にSARS流行発生時、香港経

記事を読む

no image

感覚器官の進化はおそらく脳よりも前だった。脳は処理すべき情報をもたらす感覚器より前には存在する必要がなかった

眼の発達に関して新しい役割を獲得する前には、異なった機能を持っていたはず しエダアシク

記事を読む

no image

上田卓爾「明治期を主とした「海外観光旅行」について」名古屋外国語大学現代国際学部 紀要第6号2010年3月を読んで

上田氏の資料に基づく考察には鋭いものがあり、観光とTOURISMの関係についての議論を発展させる意味

記事を読む

no image

マニラのUber報道 Number of Uber, Grab vehicles shocks LTFRB

http://newsinfo.inquirer.net/919650/number-of-uber

記事を読む

no image

『国債の歴史』(富田俊基著2006年東洋経済新報社)を読んで

標記図書を読み、あとがきが要領よくまとめられていた。財政に素人の私には、非常に参考になる。 要約す

記事を読む

5月9日 モンテネグロ

早朝便でティラナからベオグラード、ベオグラードからポドゴリッツァにゆく。国境を超えるタクシーが手軽に

記事を読む

no image

中国語の中の日本語(Chinese Borrowings from the Japanese Language) 陳 生保(Chen Sheng Bao) 上海外国語大学教授

中国語の中の日本語(Chinese Borrowings from the Japanese

記事を読む

no image

中国「デジタル・イノベーション」の実力 公研2019No.665

モバイル決済は「先松後厳」まずは緩く、後で厳しく  日本の逆 AirbnbやUberが日本で

記事を読む

no image

賃金統計不正

これで、平成の経済を論じてきた経済学者もコケにされたということですが、大きなクレームが出ないのは、

記事を読む

保護中: 『みんなが知りたいアメリカ経済』田端克至著

高崎経済大学出身教授による経済学講義用の教科書。経済、金融に素人の私

no image
『人口の中国史』上田信

中国人口史通史の新書本。入門書でもある。概要〇序章 人口史に何を聴く

no image
Quora ジョージ・フロイドさんが実際に死亡する経緯が録画

地面に押し付けられる前から呼吸が苦しいと訴えているので実際に呼吸ある

no image
『ペストの記憶』デフォー著

 ロビンソン・クルーソーの作者ダニエル・デフォーは、17世紀のペスト

no image
『海軍と日本』 池田清著 中公新書

書評1 ○ 著者は海軍兵学校(73期)卒業、終戦時海軍中尉で潜水艦に

→もっと見る

PAGE TOP ↑