ウッドストック50周年中止 歴史は後から作られる
公開日:
:
最終更新日:2023/05/21
観光資源
newspicks のコメントが面白い。Wikiの解説とは一味違う。これも歴史は後から作られる例か。
1969年のウッドストックフェスティバルは、一般的には美化されて歴史認識されているけれど、もともとは当時ボブ・ディランなど有力ロック・ミュージシャンが大勢住んでいたニューヨーク州ウッドストックで開催されるはずだったのが、当時も許認可や地元との調整がトラブってウッドストックでの開催が中止され、記事のキャプションにあるようにニューヨーク州べセルに急遽変更された経緯がある。
ウッドストックとべセルは距離にして約160㎞離れていて、田舎道をクルマで走ると約2時間も離れている。(私は走った経験あります)
にも拘わらず、ウッドストックフェスティヴァルという名称でチケットは販売済みだったので、名称はそのままになったのです。
なおかつ、プロモーターが一獲千金を狙った有料イヴェントとして準備されていたものが、急な会場変更などもあり入退場などが全く管理不能に陥り、なし崩し的にフリーライヴになってしまったのです。
愛と平和のフリーライヴというのは、事後に代金回収のための映画のプロモーションとしてでっち上げられた宣伝文句で、実は金もうけのためのイヴェントが大失敗に終わったことを後付けで美化したもの。
という歴史を踏まえれば、今回もまた当時と同じ主催者が地元との調整に難航して中止って、それこそ50周年記念にふさわしい顛末かもしれません。

23
関連記事
-
-
○『公研』2015年9月号「世界のパワーバランスの変化と日本の安全保障」(細谷雄一)を読んで
市販はされていないが、毎月送られてくる雑誌に公益産業研究調査会が発行する『公研』という雑誌がある。読
-
-
畑中三応子著『ファッションフードあります』日本食は変化が激しい。フードツーリズムに法則があるのか?
ティラミス、もつ鍋、B級グルメ……激しくはやりすたりを繰り返す食べ物から日本社会の一断面を切り
-
-
2015年「特攻」 HNKスペシャル
http://www.dailymotion.com/video/x30z4ho フィリピ
-
-
西部邁『獅子たりえぬ超大国』を読んで
2003年出版の本であるが、今読むとその意味がよくわかる。 ブッシュのイラク戦争は、ウェストファリ
-
-
マルティニーク生まれのクレオール。 ついでに字句「伝統」が使われる始めたのは昭和初期からということ
北澤憲昭の『<列島>の絵画』を読み、日本画がクレオールのようだというたとえ話は、私の意見に近く、理解
-
-
大衆軍隊出現の意味 三谷太一郎講演メモ 学士会報2018-Ⅳ
226事件は、天皇の統帥権の名目化 軍隊の大衆化 軍隊内の実権は将官、佐官、尉官へと下降した
-
-
『帝国陸軍師団変遷史』藤井非三四著 メモ
薩長土肥による討幕が明治維新ということになっているが、なんと首都の東京鎮台本営に入った六個大隊のう
-
-
本当に日本は職人を尊ぶ国であったのか?
司馬遼太郎氏は、韓国、中国との比較においてなのか、『この国のかたち』のなかで、「職人。実に響きがよ
-
-
ハイフンツーリズム批判と『「日本の伝統」の正体』藤井青銅著
観光研究者が安易に○○ツーリズムを提唱していることへの批判から、これまで伝統や歴史は後から作れると述
-
-
『サカナとヤクザ』鈴木智彦著 食と観光、フードツーリズム研究者に求められる視点
築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ! アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大
- PREV
- 『史上最悪の英語政策』阿部公彦著
- NEXT
- 『訓読と漢語の歴史』福島直恭著 観光とツーリズム