*

高木由臣 公研2019.1月「ゾウリムシ研究でたどり着いた『私の生命観』」

公開日: : 最終更新日:2023/05/29 出版・講義資料

生命とは死なないのが本来の姿であり、死ぬことができるように進化した

どうして? どのように?

寿命と有性生殖がどう関係するのか

自家生殖(オートガミー) 単一の細胞内の出来事であり、「有性」とみなせない 遺伝子構成がすべてホモとなって、遺伝子の多様性を期待できない

ゾウリムシの「接合」は有性生殖とみなされるが、小核の挙動は接合と自家生殖ではほとんど違わない

減数分裂と受精に相当するプロセスが遺伝的多様性に貢献していないのは、もっと別の重要な意味があるのではないか

減数分裂と受精によって隠れていた表現型がネガティヴという結論になった場合、もし親型が失われていたら全滅してしまう。

変以前の親型と突然変異を起こした非親型が両方できる可能性を確保することが重要

定説では、有性生殖の起源の探索は、性の起源の探索を意味してきたが、もっとも原始的な生物大腸菌では両性の差異はきっちり区別され固定されている

ところがゾウリムシは、簡単に性転換が起きる。性がフレッキシブルに変化することに意味がある

有性生殖の起源は難しいプロセスではなく簡単な出来事に由来 つまり、エッセンスは二倍体の一倍体化

有性生殖が起こるから寿命が訪れるのは大局的には正しいが・・・・?

細胞は細胞から生まれる。細胞には原核細胞と真核細胞がある。

原核細胞は事故死による中断以外は無性生殖で永続できるという意味で寿命を持たない

約20億年前にゲノムと細胞の大型化により、真核細胞が登場 大型化ゲノムは突然変異の安全対策として二倍体化した。

真核細胞の無性生殖は、その継続を中断して定期的に中断して、蓄積した突然変異の有効性を検証すべく、二倍体を一倍体化した。中断される無性生殖が「寿命」である

細胞分裂(無性生殖)の暴走性 いのちの基本は暴走性、進化したのは抑制系

DNAが担う複製とたんぱく質が担う代謝をつかさどるシステムがどのようにしてできたか

RNA(アミノ酸の並び方を指定する遺伝子)先行説とタンパク質ワールド先行仮説

元素が90ある中で生物が使っている元素は30

バクテリアの遺伝子にヒトのインシュリン遺伝子を挿入するとバクテリア自身は作ったことのないインシュリンを作らせることができる。これはバクテリアとヒトの細胞が同じ原理で動いているから。生命というのは共通原理で動いているから繋がっている

関連記事

『初期仏教』 馬場紀寿著

初期仏教は全能の神を否定 神々も迷える存在であるので、祈りの対象とならない

記事を読む

『漁業という日本の問題』勝川俊雄 日本人は思ったほど魚を食べてない。伝統の和食イメージも変化

マスコミによってつくられた常識は、一度は疑ってかかる必要があるということを感じていますが、「日本人は

記事を読む

no image

quora 中世、近世のヨーロッパで、10代の女性がどのような生活を送っていたのか教えてくれませんか?貴族階級/庶民とそれぞれ、何をしていたのでしょうか?

何で10代の女性限定なのかよくわかりませんが、知っている範囲で。 中世の庶民は、ほぼ

記事を読む

no image

『物語 ナイジェリアの歴史』島田周平著 中公新書

アマゾン書評 歴史家トインビー曰く、アフリカはサハラ砂漠南縁を境に、北のアラブ主義

記事を読む

no image

横山宏章の『反日と反中』(集英社新書2005年)及び『中華民国』(中央公論1997年)を読んで「歴史認識と観光」を考える

 歴史認識を巡り日本と中国の大衆が反目しがちになってきたが、私は歴史認識の違いを比較すればするほど、

記事を読む

no image

『昭和史』岩波新書青本  恐慌の影響で、朝鮮人(日本国籍がある)の満州移住が増加したが、中国側は日本の手先と見て敵視 奉天の柳条溝で満州事変  この頃からメディアも変わる

26年と30年を比較すると中国(満蒙含む)の輸出入貿易額に占める対日貿易額の占める割合は低下した

記事を読む

角川文庫『ペリー提督日本遠征記』(Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan)

https://youtu.be/Orb9x7NCz_k https:

記事を読む

no image

QUORAに見る観光資源 マヤ語とは何ですか?

マヤ語とは何ですか? マヤ語の研究を高校生にして大きく押し進め、現在もマヤ文化と考

記事を読む

『富嶽旅百景』青柳周一 観光地域史の試み

 港区図書館で借りだして読んだ。本書は、1998年東北大学提出学位論文がベースとなっている。外部か

記事を読む

no image

国際観光局ができた1930年代の状勢 『戦前日本の「グローバリズム」』

大東亜共栄圏の虚構を指摘 「バダヴィアに派遣された小林一三商相」国内世論の啓発に努める小林は

記事を読む

PAGE TOP ↑