*

Deep learning とサバン(思い付き)

公開日: : 観光学評論等

「 スタンフォード大学の研究チームが、深層学習を用いて衛星画像からソーラーパネルを探し出すディープソーラー(DeepSolar)と呼ばれる新しいシステムを開発し、これまでよりはるかに正確な数値を導き出した。」という記事が出ていた。

https://www.technologyreview.jp/nl/how-deep-learning-helped-to-map-every-solar-panel-in-the-us/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=028b325dec-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-028b325dec-194554991&mc_cid=028b325dec&mc_eid=ece2adf53a

ディープラーニングでなぜ答えが出てくるのかはまだ解明されていない。人間の神経細胞のネットワークでなぜ心が生まれるのかわからないのと同じであるというのが、認知科学の現状でもあるそうだ。

飛行機に乗り、眼下の景色を一瞬のうちに詳細に記憶できる特殊な才能を持った人物が存在する。サバンと呼ばれる人である。映画のレインマンで抜群の掲載能力を持った人物をダフティンホフマンが演じて以来、知られるようにもなった。

サバンと呼ばれる人たちの脳の構造は、通常の人たちを異なっていることまではわかっているが、なぜなのかはまだ解明されていない。しかし、ディープラーニングによるコンピュータからの接近と併せて研究すれば、少しは前進が見られるかもしれない。

素数の同定や因数への分解に才能を示すサバンは少ないとされており、この理由の1つは難しく複雑な計算処理が必要なためとする考えがあります。しかし、四則演算や平方根の計算を理解していないと思われるサバンの人が、素数の同定や因数への分解を素早く行う事実があり、その不思議さは解明されていません。


Smithは1958~1976にCERN(欧州原子核研究機構)で研究をし、500桁の数の73乗根を43秒で暗算してギネスブックに記録されているオランダの数学者Wim Kleinが言っていることについても述べています。「数は私の友達です。それは貴方にとってのものとは意味が違います。」と言いました。その違いとは、多くの人にとって「例えば、3844と聞いても、たぶんそれは1つの3、1つの8、そして2つの4というだけで」ですが、Kleinにとっては感動を以て『おお、62の二乗!』と感じられるものだと言いました。数という抽象的な概念の記号である数字について、情緒的な感動のような別次元の感覚を伴うことを共感覚(synaesthesia)といい、これはサバンの特異な能力の重要な要因の1つと推測されています。

Tammetは大きな数の四則演算や累乗、累乗根、因数分解、素数同定等を瞬時に遂行します。πについては、2004年に22,514桁まで5時間かけて暗唱し、ヨーロッパ記録を樹立しています(ただし、後日2,965桁に間違いのあったことを自身で気付き、修正を行っています)。
 このような非凡な数学的課題の処理が、Tammetの頭の中でどのようにして行われているのかについて、彼は説明をしています。それは共感覚によって起きていると述べています。ほとんどの人にとって、何の感情もわかない数字が、彼にとっては多彩な情緒と感覚を伴っています。Tammetにとって、10,000までの数字は全て個性的で、色や形や肌合い、動き、香り、情緒的な音程等を持っています。この数が組み合わされる計算は、彼の頭の中で色や形や肌合いが集合し融合して、頭の中に新しい形や色となって現れ、それが答なのだと説明しています。Tammetの好きな累乗計算では、二乗の数は対称的で美しく、おのおのの答えは独特の形をしており、例えば「37の5乗は小さな円がたくさん集まって大きな円になり、それが上から時計回りに落ちてくる感じ」だと言う。割り算は「ある数を別の数で割ると、回りながら次第に大きな輪になって落ちていく螺旋が見える。その螺旋はたわんだり曲がったりする」と言う。そして「共感覚がもたらす形を使って答えを視覚化する方が」学校で習う方法より「はるかに簡単」なため、紙に書いて計算はしません。このように、Tammetにとって数は多彩で豊かな意味を持っています。このため、特定の数にはさまざまな感情が伴い、その感情は美しいとか喜びである場合もあれば、苦手な数もあります。6は小さな点で特徴的な形や質感がないので分かりにくく、青い色ではなく赤か緑色で99ペニーと書かれた値札のように自分の美意識に合わない数と状況にはいたたまれなくなると言います。
 Tammetにとっては言葉や文字も同様に多彩な色や形や肌合いを持っています。「ladder : はしご」は青色で「hoop : 輪」は白色です。これは母国語である英語以外の言葉でも同様で、例えばフランス語の「jardin : 庭」はくすんだ黄色でアイスランド語の「hnugginn : 寂しい」は多数の青い点のある白と、名詞だけでなく「at」は赤い色と感じられると言います。言葉を色等で理解することは数と共通しており、幼児期に言葉の意味がしっくりと分からない時には、数に置き換えてみるとよく理解できるようになったそうです。母国語であるか否かを問わず言葉が色等で認識されることは、Tammetが短時間で外国語を習得し(アイスランド語は1週間でマスターしたそうです)、10カ国語を話せることと関係しているだろうと、彼自身が述べています。そして、先に述べたGeorgeとCharlesの自閉症の双子が素数をやりとりして会話していたことが理解できると言います。

関連記事

no image

観光学が収斂してゆくと思われる脳科学の動向(メモ)

◎ 観光学が対象としなければならない「感情」、「意識」とは何か ①評価をする「意識」とは何か

記事を読む

角本良平著『高速化時代の終わり』を読んで

久しぶりに金沢出身の国鉄・運輸省OBの角本良平氏の『高速化時代の終わり』を読んでみた。本を整理してい

記事を読む

no image

CNN、BBC等をみていて

誤解を恐れず表現すれば、今まで地方のテレビ番組、特にNHKを除く民放を見ていて、東京のニュースが地方

記事を読む

no image

日本の観光ビジネスが二流どまりである理由

日本の観光ビジネスが二流どまりになるのは、人流に関する国際的システムを創造する姿勢がないからです。

記事を読む

no image

日本観光学会に参加して

6月26日日大商学部で日本観光学会が開催され、「字句「観光」と字句「tourist」の遭遇」と題して

記事を読む

『戦後経済史は嘘ばかり』高橋洋一

城山三郎の著作「官僚たちの夏」に代表される高度経済成長期の通産省に代表される霞が関の役割の神

記事を読む

マルティニーク生まれのクレオール。 ついでに字句「伝統」が使われる始めたのは昭和初期からということ

北澤憲昭の『<列島>の絵画』を読み、日本画がクレオールのようだというたとえ話は、私の意見に近く、理解

記事を読む

no image

観光とツーリズム~日本大百科全書(ニッポニカ)の解説に関する若干の疑問~

日本大百科全書には観光に関する記述があるが(https://kotobank.jp/word/%E8

記事を読む

no image

言語とは音や文字ではなく観念であるという説明

観光資源を考えると、言語とは何かに行き着くこととなる。 愛聴視して「ゆる言語学ラジオ」で例のエ

記事を読む

no image

グアム・沖縄の戦跡観光論:『グアムと日本人』山口誠 岩波新書2007年を読んで考えること

沖縄にしろ、グアム・サイパンにしろ、その地理的関係から軍事拠点としての重要性が現代社会においては認め

記事を読む

PAGE TOP ↑