『コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から 』西原智昭 現代書館
西原智昭氏の著書を読んだ。氏の経歴のHP http://www.arsvi.com/w/nt10.htm
エコツーリズムに対する批判は強烈である。
p161では、熱帯林地区ではツーリズムは野生生物保全手段にはなっても、伐採にかわりうる大規模な経済資源にはなり得ないと記述する。
欧米主導型で作られてきた昨今の「エコ」ツーリズムは、一体どこまで環境配慮型といえるのか、写真を撮ることに夢中になる等を「エゴ」ツーリズムと批判する。
私も観光は本質的に環境破壊であり、両立しないということを認識すべきであると思っているので共感を覚える。環境が大事なら観光はあきらめるべきである。両者を調和させることは観光側からはできない。別の次元で考えるべきでエコツーリズムなどというどこに調和点を求めれるべきかわからない考え方は中止すべきであろうと思っている。
同じことは文化の保護にも言える。先住民への影響は、「定住化と貨幣経済」「近代教育と宗教」だと厳しく氏は指摘する
p133で、ピグミーのショーのことを紹介し、入場料はほとんど酋長のもとに集まってしまうことを記述している。
アイヌの「七五郎沢の狐」はピグミーとテーマが共通
日本人の三味線撥へのこだわりがマルミミゾウの捕獲につながることも指摘。
ガボンでのザトウクジラ捕獲数確保のため、JICAプロジェクトが国際協力を実施し、商業捕鯨が継続している。
世界動物園水族館協会は日本動物園水族館協会にイルカショーの廃止を推奨したところ、いくつかの水族館が日本動物園水族館協会を脱会 。しかし、イルカはストレスがたまり一、二年で死亡してし
関連記事
-
渋滞学『公研』2019年4月 メモ
渋滞学 西成活裕 渋滞とは? 結局人の動き 法則性はあるのか? 空気や水と違って人間にはそれぞれ
-
政治制度から考える国会のあるべき姿 大山礼子 公研2019年1月号
必要なのは与党のチェック機能 どこの国でも野党に政策決定をひっくり返す力はない 民主主義は多数決だ
-
中国語の中の日本語(Chinese Borrowings from the Japanese Language) 陳 生保(Chen Sheng Bao) 上海外国語大学教授
中国語の中の日本語(Chinese Borrowings from the Japanese
-
『仕事の中の曖昧な不安』玄田有史著 2001年発行
書評ではなく、経歴に関心がいってしまった。学習院大学教授から東京大学社研准教授に就任とあることに目
-
「若者の海外旅行離れ」という 業界人、研究者の思い込み
『「若者の海外旅行離れ」を読み解く:観光行動論からのアプローチ』という法律文化社から出版された書
-
幸田露伴『一国の首都』明治32年 都議会議員和田宗春氏の現代語訳と岩波文庫の原書で読む。港区図書館にある。
幸田露伴は私の世代の受験生ならだれでも知っている文学者。でも理系の人でもあり、首都論を展開してい
-
『戦後経済史は嘘ばかり』高橋洋一
城山三郎の著作「官僚たちの夏」に代表される高度経済成長期の通産省に代表される霞が関の役割の神
-
『シベリア出兵』広岩近広
知られざるシベリア出兵の謎1918年、ロシア革命への干渉戦争として行われたシベリア出兵。実際に起
-
書評『ペストの記憶』デフォー著
ロビンソン・クルーソーの作者ダニエル・デフォーは、17世紀のペストの流行に関し、ロンドン市長及び
-
『中国はなぜ軍拡を続けるのか』阿南友亮著
第40回サントリー学芸賞(政治・経済部門)受賞!第30回アジア・太平洋賞特別賞受賞! 何