*

動画で見る世界人流・観光施策風土記『コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から 』西原智昭 現代書館 を読んで

公開日: : 最終更新日:2022/02/11 観光学者への辛口評論等~観光学研究発展のため~

西原智昭氏の著書を読んだ。氏の経歴のHP http://www.arsvi.com/w/nt10.htm

エコツーリズムに対する批判は強烈である。
p161では、熱帯林地区ではツーリズムは野生生物保全手段にはなっても、伐採にかわりうる大規模な経済資源にはなり得ないと記述する
欧米主導型で作られてきた昨今の「エコ」ツーリズムは、一体どこまで環境配慮型といえるのか、写真を撮ることに夢中になる等を「エゴ」ツーリズムと批判する。
私も観光は本質的に環境破壊であり、両立しないということを認識すべきであると思っているので共感を覚える。環境が大事なら観光はあきらめるべきである。両者を調和せることは観光側からはできない。別の次元で考えるべきでエコツーリズムなどというどこに調和点を求めれるべきかわからない考え方は中止すべきであろうと思っている。

同じことは文化の保護にも言える。先住民への影響は、「定住化と貨幣経済」「近代教育と宗教」だと厳しく氏は指摘する
p133で、ピグミーのショーのことを紹介し、入場料はほとんど酋長のもとに集まってしまうことを記述している。
アイヌの「七五郎沢の狐」はピグミーとテーマが共通

日本人の三味線撥へのこだわりがマルミミゾウの捕獲につながることも指摘。
ガボンでのザトウクジラ捕獲数確保のため、JICAプロジェクトが国際協力を実施し、商業捕鯨が継続している。
世界動物園水族館協会は日本動物園水族館協会にイルカショーの廃止を推奨したところ、いくつかの水族館が日本動物園水族館協会を脱会 。しかし、イルカはストレスがたまり一、二年で死亡してし

ガボンのロアンゴ国立公園の海岸にて。夕暮れ時に撮影してたら、マルミミゾウが走り出して来たんで焦って逃げた

関連記事

no image

一見さんお断りの超一流旅館のコンプライアンス

インバウンドブームがまだ本格的に始まる前、大連にある大学の観光学の教授から、中国の富裕層を数人日本

記事を読む

no image

『ダークツーリズム拡張』井出明著 備忘録

p.52 70年前の戦争を日本側に立って解釈してくれる存在は国際社会では驚くほど少ない・・・日本に

記事を読む

no image

Deep learning とサバン(思い付き)

「 スタンフォード大学の研究チームが、深層学習を用いて衛星画像からソーラーパネルを探し出すディープ

記事を読む

no image

『サイボーグ化する動物たち 生命の操作は人類に何をもたらすか』作者:エミリー・アンテス 翻訳:西田美緒子 白揚社

  DNAの塩基配列が読破されても、その配列の持つ意味が分からなければ解読したことにはならない。本書

記事を読む

no image

CNN、BBC等をみていて

誤解を恐れず表現すれば、今まで地方のテレビ番組、特にNHKを除く民放を見ていて、東京のニュースが地方

記事を読む

no image

ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える

白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない。

記事を読む

no image

『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』川添愛著

ディプラーニングを理解しようと読んでみた。 イタチとロボットの会話は全部飛ばして、解説部分だけ読め

記事を読む

和食を考える 『漁業という日本の問題』勝川俊雄を読んで

マスコミによってつくられた常識は、一度は疑ってかかる必要があるということを感じていますが、「日本人は

記事を読む

『戦後経済史は嘘ばかり』高橋洋一

城山三郎の著作「官僚たちの夏」に代表される高度経済成長期の通産省に代表される霞が関の役割の神

記事を読む

no image

日本観光学会に参加して

6月26日日大商学部で日本観光学会が開催され、「字句「観光」と字句「tourist」の遭遇」と題して

記事を読む

PAGE TOP ↑