*

自動運転車とドローン

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 自動運転, 観光学評論等, 配車アプリ

渋谷のスクランブル交差点を見ていると、信号が青の間の短い時間に、大勢の人が四方八方から道路を横断して、誰も衝突もせず見事に渡り切っている。人は子供の頃からの経験で、それがなんの指示もなくてもできるようにデープラーニングで「認識」できるように成長したのである。

渡り鳥も、何千何万羽の群れとなって大海原を飛翔しているが、一羽の例外もなく衝突せず飛行できているのも、デープラーニングによるものである。

自動運転車が開発されているが、デープラーニングにより、渋谷のスクランブル交差点を、人間と同じように衝突せずにわたることができるようになると考えられている。人間や鳥と異なり、自動運転車は経験を共有できるから、学習速度は母集団が大きければ大きいほど、恐れるべき速さで上昇する。従ってデータを収集することに開発者は血眼になっているのである。自動車学校経営者やトラック運送事業者、特にタクシー経営者がライドシェアや自動運転車に大きな拒否感を抱いているが、自動車メーカーがライドシェアに関心を抱くのは、このデータ収集に関心があるからである。

人間は生き延びるために「錯覚」する。お化け坂に差し掛かると、上り坂が下り坂に見えてしまうのである。自動運転車は人間にないセンサーを活用することができるから、錯覚を活用する必要はないが、自動運転車の集団の中に人間が操縦する自動車が加わると、錯覚を理解して行動をとらなければならないのであろう。

ドローンが盛んに宣伝されているが、鳥と異なり、人間が操縦する限り危険が伴う。自動運転車と同様にデープラーニングによる経験を積んで鳥と同じように「認識」ができるようにならなければ、社会的に受け入られないであろう。データ収集に自動車以上に時間がかるであろうから、ドローンの実用化は自動運転車の実用化の後になるのは必然のような気がする。それにしてもドローンは騒ぎすぎであろう。

関連記事

no image

脳波であらすじが変わる映画、英映画祭で公開へ

映画ではここまで来ているのに、観光研究者は失格である。 http://jbpress.isme

記事を読む

『日本車敗北』村沢義久著  アマゾンの手厳しい書評

車の将来の議論の前提に、地球温暖化への見解 ガソリン車 電気自動車 エンジンではな

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 動画で見る世界人流観光施策風土記 2016年11月4日 チームネクスト合宿 in ニューヨーク 4日目 配車アプリ関係者ヒアリング

朝ホテルで朝食。そのあと、地下鉄でStonewallに行く。地下鉄のチケットの買い方一つでも戸惑うも

記事を読む

no image

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 動画で見る世界人流観光施策風土記 2016年11月2日 チームネクスト合宿 in ニューヨーク 2日目 ニューヨークタイムズ

      IMG_6667 IMG_666

記事を読む

配車アプリの話題と将来  Hailoと提携しているナニワ交通を訪問して

○巨額投資を呼び込む配車アプリ会社 タクシーアプリが話題になっています。Hailo等はロンドン

記事を読む

no image

「若者の海外旅行離れ」という 業界人、研究者の思い込み

『「若者の海外旅行離れ」を読み解く:観光行動論からのアプローチ』という法律文化社から出版された書

記事を読む

no image

自動運転車の普及が、タクシー業やビジネスホテルに与える影響論議 早晩、稼業としての存続はなくなる

  『公研』2018.12.No.664の江田健二氏と大場紀章氏の対談の

記事を読む

no image

Ctripの空予約騒動について 大山鳴動に近い騒ぎ方への反省

「宿泊サイト、予約しない部屋を販売」といった表題でテレビが取り上げ、関係業界内ではやや炎上気味であ

記事を読む

no image

『インバウンドの衝撃』牧野知弘を読んでの批判

題名にひかれて、麻布図書館で予約をして読んでみた。2015年10月発行であるから、爆買いが話題の時代

記事を読む

no image

動画で見る世界人流観光施策風土記 Uberの中国市場撤退の見方

わが国ではUberに対する生理的反感を持つ人(交通学者に意外とみられる)と手放しで歓迎する人(New

記事を読む

no image
ロシア旅行の前の、携帯wifi準備

https://tanakanews.com/251206rutrav

no image
ロシア旅行 田中宇

https://tanakanews.com/251205crimea

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

→もっと見る

PAGE TOP ↑