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『佐藤優さん、本当に神は存在するのですか?』メモ

公開日: : 観光学評論等

竹内久美子×佐藤優 著 文芸春秋
本当に対談で語られたことなのか、発行済みの著作物をもとに編集部が作り上げて、最終的に対談者が了解したものなのかわからないが、どうでもいいのであろう。印象としては、極めて要領よくまとめてある上に、読みやすいから編集者の手によるものと思ってしまった。竹内さんが自分がうつ病で苦しんでいたことを述べているところがあるが、ご本人の了解がなければ記述されないであろう。私も運輸省の広報誌で、架空の対談を編集したことがある。勿論当事者に了解のもとにではあるが。以下面白いと思ったところをメモする。

キリスト教は神は「有る」からスタート。第一次大戦あたりから疑わしいとなって「無い」ほうに向かう。「無い」の代表が古くはダーウィン、この対談のきっかけになったドーキンス。自立した人間は神という仮説作業なしに世界を理解する努力をするべき。
神という名の偶像を排除することが神学的課題

チンパンジーもゴリラも手話はできる。文法も理解している。英語のヒアリングもできる。声帯の問題から複雑な発声ができないだけ。
手話のできる「ココ」というメスのゴリラは「死=安らかに眠る」くらいまではわかるようだ。チンパンジーも葬式らしき儀式をする

実在したかはわからいないが、そもそもイエスが考えたのは、悔い改めて正しいユダヤ教徒になるということだけ。
それをイエスにあったこともないペテン師的なパウロが終末論を唱えて、新しい宗教をたてた。しかしパウロ教では自分の行状を知っている連中は誰もついてこないからイエスに従う形で作り上げたのかもしれない。
パウロはユダヤ人共同体にいれらないようなことをしたのであろう。その国に合わせるところが創価学会とパウロは同じ。
博愛はストアの発想。ギリシャで流行したストア哲学。キリスト教の隣人愛は万人向けではない。ユダヤ教の時代からヒトを選別して気に入らない奴は虐殺する。

同性愛を明確にとがめたのはキリスト教だけだが、本気で取り締まりを始めたのは産業社会ができてから。人口を増やさないといけないから。4%の割合で発生するのだから同じなのであるが。

日本人は江戸時代サルを食べていた。
連れ子への虐待 報道されるほど少なくなった
人間の場合子殺しが少なくなったから、これほど人口が増加した

女は免疫力の強い男を選ぶ パラサイトが最大の脅威
男性ホルモンの代表がテストステロン しかし、免疫力を弱める

定住に関しての記述
農業があるから罪が出てきたのか、罪を持っているから農業を始めたのか。
佐藤説 西田正規氏が「定住革命」説でいうように、農耕を始めて富が蓄積されるようになってから定住が行われたのではなく、定住の結果として農耕が始まったと考える方が説得力がある。では何のために定住を始めるかというと、支配したいから定住を始める。定住生活が始まると、人が人を支配するから罪と結びつきやすい。
竹内説 定住するから抗争が起きる。チンパンジーは数十頭で群れをなしている。その縄張りから出ると半殺しの目に合う。人類もそうだったのでは。そこに罪が芽生えたのではないか。

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