パブリックコメント「道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について」の一部改正に関する意見公募について
公開日:
:
路銀、為替、金融、財政、税制, 配車アプリ
道路運送法の有償性に関する事務連絡の改正が検討されており、パブリックコメントが募集されたので、応募してみた。以下がそのコメントである。識者は承知のことであるが、クルーのチップについて、労働組合の弁護士から白タク行為であるとの訴えがなされた。基本的人権に敏感な民間弁護士からの訴えであるから、役所も重い腰を上げざるを得ないのである。しかも、その一連の動きが専門誌で報道され、白タク行為の疑いがあるという担当局長のコメントがあるという報道までなされたが、国会答弁を確認すると、そこまでは踏み込んでいなかった。それはそうで、パブコメまで募集しているのであるから、コメントや答弁は慎重である。専門紙の勇み足かは分からないが、専門紙も読者の関心にそぐうように報道せざるを得ないから仕方がない。この点は全国紙も同じである。
以下パブコメの内容である。
「私はこれまで、社会経済的に無償の行為などありえないと論文等で主張してきました。従いまして、いわゆる有償運送に関しても、直接の対価であるか否かの法的判断に関わるものだとも主張してきました。昔はホテル、旅館の自家用バスによる駅等への送迎まで有償性があると、行政管理庁(当時)から指摘を受けたことがありますから、時代と共に変化するものでもありましょう。
さて、刑罰に関連する条項については、憲法上の要請である罪刑法定主義に基づき、拡大解釈は抑制すべきこととなっていることは周知のことです。
今回の改正は、刑罰を伴う道路運送法の「有償性」の解釈に関わることであり、当然拡大解釈は抑制すべきこととの認識のもとに行われるべきことであることはご認識のもとにあると思っております。また、基本的人権に関心の高い弁護士等の法曹に従事する者も当然理解されていると思っています。
「道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について」の一部改正案の中にある「謝礼の支払を促す場合など、自発的な謝礼の支払とはいえない場合は問題があり許可又は登録を要することを明確化する。」に関しては、従来の通達よりもよりも狭義となっているとおもわれ、いわゆる拡大解釈に該当する可能性が極めて大きいとの批判を受ける危険性があります。諸外国でチップを支払う場合に、請求書と共に、タブレット上に、チップ欄が表示され、0%、10%、20%、50%、あるいは総計○○ドルといった記述のなかから選択することが普及してきており、いずれ我が国でも普及するでしょう。教会での寄付もタブレット上でクレジット決済で行われるようになるでしょう。これらがチップ等の強要であるかも社会常識の範囲で判断されることであり、犯罪とするような場合は抑制的に解釈することになるでしょう。
従いまして、今回の改正にあたりましても、謝礼の促しに関しも、抽象的な記述ではなく「謝礼の支払いを実質的に要求したり、強制したりしている場合など」と明確に記述すべきでしょう。
現物は下記のとおりである。
意見提出フォーム:提出内容
関連記事
-
-
国際観光収支の黒字に意味があるのか?
観光基本法が全面改正された法制上の大きいな理由は、中央集権規定の廃止であった。農業基本法等戦後成立し
-
-
自動運転車とドローン
渋谷のスクランブル交差点を見ていると、信号が青の間の短い時間に、大勢の人が四方八方から道路を横断して
-
-
タクシージャパンのライドシェアに関する記事(労組関係)
タクシージャパンで、戸崎肇氏及び国際運輸労連ロンドン本部内陸運輸部長浦田氏の講演内容の紹介記事を読ん
-
-
保護中: 『日本が太平洋戦争に総額いくらを費やしたか、知っていますか 』 国家予算の280倍の記事
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52599 毎年、この
-
-
雲の会 露口洋介氏「人民元と中国の金融改革」
11月6日雲の会で露口氏の話を聞いた。 人民元の国際化は1994年に決定されていたが、アジア通貨危
-
-
中島洋『エネルギー改革が日本を救う』(日経BP社)を読んで、配車アプリを考える
昨日2015年3月25日夜、古い友人の中島洋氏と大門近くの居酒屋でお会いした。その時に日経BP社から
-
-
北朝鮮観光「Young Pioneer Tours」について
北朝鮮に旅行中に逮捕され有罪とされた米国人大学生のオットー・ワームビアさんが帰国直後に死亡したニュー
-
-
『公共貨幣論入門』山口薫、山口陽恵
MMT論の天敵 Amazonの書評(注 少し難解だが、言わんとするところは読み取れ
-
-
『平成経済衰退の本質』金子勝 情報、金、モノ、ヒト、自然 について、グローバリゼーションのスピードが違うことを指摘 情報と人流のずれが、過剰観光
いつも感じることであるが、自分も含め観光学研究の同業者は、研究原理を持ち合わせていないということ
-
-
外国人労働者受入と外国人観光客受入は違うのか違わないのか?~「人流による収斂」と「金流による収斂」~
国際観光が政策として叫ばれているが、その政策的意義が考えれば考えるほどわからなくなってきた。それは移