2018年3月14日 CATVで クリミナル・マインド 国際捜査班 死神のささやき を見て
公開日:
:
人口、地域、
自画自賛のインバウンド宣伝が多い中、クリミナルマインド国際捜査班の第4話は日本がテーマ。高視聴率を誇るアメリカの番組だけに、日本の印象に与える影響は極めて大きいだろうし、逆にアメリカ人の日本に対するイメージもわかるというものだ。
まずタイトルだが、日本語では国際捜査班、しかし原題はクロスボーダーとなっている。観光がクロスボーダー概念だといつも言っている私としては、我が意を得たりというところである。国境を含めた境界を超えるという意味の方が正確なのである。
築地、青木が原でアメリカ人が連続して3人も自したことから、捜査が始まる。日本人の自殺率が高いことから、不思議には思わないが、アメリカ人にすれば異例だという話から始まる。
捜査に当たってマックだけが拳銃保持の許可が出るという筋書き。私の昔の経験では、石原運輸大臣が訪西独時、先方からSPは拳銃を持ってくるかという質問があり、驚いたことがある。逆に言えばアメリカ大統領のSPはお構いなしに保持しているのであろうし、日本の公安もとがめだてすることはしていないであろうとおもうが、脚本では、NYPDベテランのマックだけが認められたといことで、日本では拳銃使用が厳しく制限されていることが紹介されている。
日本の捜査員との初対面、名刺交換をする。これも日本の習慣の紹介。お辞儀と一緒のシーンである。築地の撮影で、多くの日本人がマスクをしていた。これもアメリカ人には印象深いのであろう。築地や青木が原が紹介されるのは、インバウンドでも有名になったからであろう。アメリカ人はかなり知っているとおもわれる。
捜査の過程で、いつものCSIの得意技が紹介される。科学捜査である。日本の実情がわからないが、これを見た限り、日本のレベルがアメリカと比べて低いという印象になる。この点は残念である。その結果、犯人は寿司職人の息子であることがわかる。
犯人の部屋に捜査班が土足で家に入るシーン。捜査とはいえ違和感があった。日本では、多分個人の家に入るときは、靴を脱ぐのではと思う。そうでなければ、警察横暴の印象になってしまうが、アメリカのドラマだし、多分そのシーンはアメリカでとっているだろうから、土足である。しかし、それ以外は違和感がなかっかたら、いかに日本の生活があめりかかされているかということである。
犯人である引きこもりの息子が誤解の上に自殺した両親の仇をとるというストーリで、エンディングはマックの犯人射殺で終了。引きこもりが日本の社会現象であると解説していた。
両親は拳銃自殺である。シナリオでは昔の日本人は保持していたという説明であったが、少し違和感があった。マックが犯人を射殺することも、アメリカ人には不思議ではないのであろうが、日本では極めて異例であり、それだけで番組ができてしまう。バブル時のジュリアナらしき倶楽部が出てきて、女の子のコスチュームは萌えキャラも今風である。
最後に、捜査班の到着時も帰りの時も、捜査班ご一行が、警視庁の捜査員に別れを告げてそのまま輸送機に入り込んでゆく。出入国手続きがなく、(横田飛行場)から気軽に出る感じになっている。これもアメリカ人には常識的なことなのであろう。
関連記事
-
「第3章 流入する他所者と飯盛女」武林弘恵著『旅と交流に見る近世社会』清文堂
旅と交流にみる近世社会 高橋陽一 編著
-
ホテルアセッセトマネジメントとAirbnb 人の移動の自由・労働者の囲い込みと専門職大学の在り方
これも機能分化である。運送機能の分化を考えてきたが、宿泊機能も分化している。オーナーとオペレーターへ
-
生産性向上特別措置法(規制のサンドボックス)を必要としない旅行業法の活用
参加者や期限を限定すること等により、例えば道路運送法の規制を外して、自家用自動車の有償運送の実証実験
-
ジャパンナウ観光情報協会原稿 2020年3月 コロナウィルスと人流規制
コロナウィルス騒動の中、旅行先のサンサルバドル空港では空港レストラン職員もマスクをしていた。入管係
-
地域観光が個性を失う理由ー太田肇著『同調圧力の正体』を読んでわかったこと
本書で、社会学者G・ジンメルの言説を知った。「集団は小さければ小さいほど個性的になるが、その集団
-
『日本人のためのアフリカ入門』『アフリカを見る アフリカから見る』白戸圭一
アフリカ旅行にあたって、白戸圭一氏(毎日新聞OB)の「日本人のためのアメリカ入門」(2011年)「
-
白バスと白タク論議の峻別
現在の道路運送(昭和26年)が制定されるひとつ前に、昭和22年道路運送法があり、更にその前には自動車
-
『物語 ナイジェリアの歴史』島田周平著 中公新書
アマゾン書評 歴史家トインビー曰く、アフリカはサハラ砂漠南縁を境に、北のアラブ主義
-
「太平洋戦争末期の娯楽政策 興行取締りの緩和を中心に」 史学雑誌/125 巻 (2016) 12 号 金子 龍司
本稿は、太平洋戦争末期の娯楽政策について考察する。具体的にはサイパンが陥落した一九四四年七月に発
-
米国商務省記述の米国観光事情
明日から米国である。商務省の観光事情分析を読んでみた。 http://travel.trade.g