満州事変(1931年)前の訪日中国人の割合は現在のインバウンド政策時代の割合と変わらない
公開日:
:
最終更新日:2023/05/28
人口、地域、
戦前鉄道省に国際観光局ができる前年の1929年の外客数は34755人であり、うち中華人16300人、米国人8527人、英国人4363人、露西亜人1587人であった。中華人の割合が47%にも上っている。当時は朝鮮、台湾居住者は国内扱いである。
2017年の訪日外客数は2869万人であるが、韓国714万人、台湾456万人以外の者は1699万人である。このうち中国本土が637万人、香港が184人で合計821万人と1699万人に対する割合は48%と1929年の割合と一致する。
国際観光局設立後、1932年の訪日外客数は20960人と大正5年以来最低の数字となってしまい、インバウンド観光政策の成果が疑われる結果となった。観光収支は1933年は130万ドルの赤字であったが、その後1934年270万ドル黒字、1935年380万ドル黒字、1936年510万ドル黒字となり外貨獲得政策の成果が発揮されるようになった。1936年の外客数は約4万2千人で、その消費額は1億7百万円と、当時の海運收入が約2億円であったから、観光収入は貿易外收入の重要な一項目であった。
関連記事
-
-
ヴィアレッジョ スーパーヨットの街
地方創生は無理をしないで伝統を発展させれば、人口6万の町でもトランプさんはヨットを注文してくるのです
-
-
“Future Direction of Tourism Policy Studies” President of Human Logistics & Tourism Laboratory Teramae Shuichi, PhD
Future Direction of Tourism Policy Studi
-
-
書評『日本社会の仕組み』小熊英二
【本書の構成】 第1章 日本社会の「3つの生き方」第2章 日本の働き方、世界の働き方第3章
-
-
2 中国人海外旅行者数の増大、中国国内旅行市場の拡大が及ぼす東アジア圏への影響
○ 海運の世界で発生したことは必ず航空の世界でも発生する。神戸港は横浜港とともにコンテナ取扱個数にお
-
-
自動運転車の普及が、タクシー業やビジネスホテルに与える影響論議 早晩、稼業としての存続はなくなる
『公研』2018.12.No.664の江田健二氏と大場紀章氏の対談の
-
-
◎『バブル』永野健二著
GHQの直接金融主体の経済改革からすると、証券市場と証券会社の育成が不可欠であるにもかかわ
-
-
Is it true only 10% of Americans have passports?
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-42586638
-
-
「太平洋戦争末期の娯楽政策 興行取締りの緩和を中心に」 史学雑誌/125 巻 (2016) 12 号 金子 龍司
本稿は、太平洋戦争末期の娯楽政策について考察する。具体的にはサイパンが陥落した一九四四年七月に発
-
-
『日本人のためのアフリカ入門』『アフリカを見る アフリカから見る』白戸圭一
アフリカ旅行にあたって、白戸圭一氏(毎日新聞OB)の「日本人のためのアメリカ入門」(2011年)「
-
-
テンミリオン計画(日本人海外旅行者数倍増計画) 広瀬真一賞 兼高かおる賞
引き出しの整理をしていたら、オレンジカードが出てきた。当時、海外旅行倍増計画(テンミリオン計画)を作
