日本の観光ビジネスが二流どまりである理由
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最終更新日:2023/05/30
観光学評論等
日本の観光ビジネスが二流どまりになるのは、人流に関する国際的システムを創造する姿勢がないからです。
弘法大師があの時代に中国に行けたのは、国際通貨の砂金を持って行ったからです。
現在の旅行で活用される国際決済システムは、ドルであり、クレジットカード等で、そのシステムもverifone等の海外の決済システム会社が国際的に展開しているのです。
弘法大師が海を渡るときは決死の覚悟でしたが、その当時の最新の位置情報(多分中国製)は持っていました。
現代の位置情報はGPS、Google等で、観光政策を推進するのであれば、つまらないB級グルメに税金を使用するより、国際的に通用する位置情報システム開発にお金を使った方が意味があります。日本でいえば準天頂衛星などでしょう。
Googleの自動翻訳も観光・人流ビジネスの発展に寄与します。Uber、airbnbもしかりです。
どこの国際観光地にいっても、LVMHの高級ブラン、コーラにマクドナルド、ビールと欧米文化があふれています。
反米国のロシア、中国の空港でも欧米ブランドをドル決済のカードで購入しているのです。
日本も、カラオケやウォークマン、漫画、スシの例にみられるように、
国際的に通用するシステムを開発・輸出することが観光・人流に寄与するでしょう。
日本の田舎のお国自慢をご当地でしてみたところで、田舎の政治家の選挙に役立つくらいです。
ただし、巨大な人口を抱えた中国は、中国人海外旅行客の勢いで、そのGoogleやクレジットカードシステムに向こうを張ったシステムを世界に普及し始めています。
隣にいる日本の観光地はこれを無視しては生きてゆけないでしょう。
外客というと欧米人をイメージする癖が私を含めて抜けませんが、四分の三は極東からの訪問者です。
生き残るためには、着地型ではなく、中華圏の消費者行動に対応した発地(中国)型のビジネスモデルを考えなければいけません。
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