「ハイヤー配車サービス「UBER」、韓国ではついに法違反で関係者立件」という報道とそれに対するコメント
ネットで下記の報道が流れている。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/549762/032600028/
韓国ソウル警察庁観光警察隊は3月17日、ハイヤー配車サービスアプリ「UBER(ウーバー)」の韓国事業を担当する支社長と総括チーム長、UBERコリアに協力したレンタカー業者ら35人を、旅客自動車運輸事業法違反の容疑で立件したと発表した。 UBERは韓国でハイヤー配車だけでなく、「UBER X」と呼ぶタクシー運転の免許を持たない一般人が自家用車やレンタカーを利用して客を乗せ運賃をもらうサービスを斡旋していた。これが無許可タクシー業、いわゆる「白タク」に当たると警察は判断した。 UBERは2月、日本でも福岡市で一般ドライバーによる送迎事業「ライドシェア」の検証実験を行い、道路運送法に違反する恐れがあるとして、国土交通省が中止するよう指導していた。 UBERは2、013年8月に韓国法人を設立。2014年8月から、ソウル市と首都圏を中心に「UBER X」を始めた。「UBER X」は、アプリケーションを使って運転手と乗客をマッチングする。配車から運賃決済まで、スマートフォンで行える。 乗客からすると、自分がいる場所まで車で迎えに来てくれて、タクシーより安い運賃で利用できるメリットがある。運転手として登録した人は、空いた時間または帰り道に、同じ方向に行く人を乗せて収入を得られる。運賃は、距離に応じてUBERが決める。韓国では基本料金約270円、1分当たり約10円または1キロメートル当たり約67円だった。 この2倍の金額を払えば、高級自家用車に乗せてもらえる。料金は利用者が多ければ上がり、少なければ安くなる。UBERは、運賃の20%を手数料として徴収する。韓国メディアによると、UBERに登録して手数料を除いても3カ月間で約440万円を稼いだ人がいるという。しかし韓国では、自家用車またはレンタカーに有料で人を乗せる行為は無免許タクシー業に当たり、旅客自動車運輸事業法に違反する。3月10日韓国の国会で、白タク営業をより厳しく規制する内容の旅客自動車運輸事業法改定案、白タクを斡旋する人も処罰できるいわゆる「UBER営業禁止法案」を検討した。
これに対して、私はNewsPicksに次のようなコメントを掲載しているので再掲する。それにしても韓国は観光警察隊があるのですね。
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ニュースアプリにみるタクシー配車アプリ(東京交通新聞2014年12月8日)
最近の学生はスマホが標準装備ですから、既存メディアの危機感も増大しています。私自身も朝起きてスマホで
配車アプリによるタクシー手配行為は旅行業法の手配行為に該当。手配行為は直接運送行為ではない。白タク行為を知っていて駐車場を貸したり、無線や電話の取次ぎをする行為と同じもの。韓国の立法はこの点の違法性を明確にしたのであろう。
もしUberが旅行業法の企画行為(パックツアー行為)として配車行為をするならば、ただちに違反とは言えない。パック旅行のケースでは、旅行会社のUberとタクシー会社等の運送人の間に道路運送法の適用があるのかないのかは大きな議論がある。
あるとすると現在まで行われてきた海外、国内パック旅行の料金はすべて違法となり、多くのパック旅行自体が成り立たなくなる。評判のいいJR東海の「ぷらっとこだま」も違反になる。
料金どころか事業許可さえ不要とも解釈できる。ホテルの自家用車を利用して観光に案内することを海外、国内のツアーの中身に入れることを禁止できるものではない。
日本は法治国家である。この問題は司法の判断を仰ぐか、さもなければ立法的解決をはかる必要があるが、その場合、パック旅行の規制強化をすることになる。観光立国政策に背くことにつながる。