*

「ハイヤー配車サービス「UBER」、韓国ではついに法違反で関係者立件」という報道とそれに対するコメント

公開日: : 最終更新日:2023/05/28 ライドシェア, 配車アプリ

ネットで下記の報道が流れている。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/549762/032600028/

韓国ソウル警察庁観光警察隊は3月17日、ハイヤー配車サービスアプリ「UBER(ウーバー)」の韓国事業を担当する支社長と総括チーム長、UBERコリアに協力したレンタカー業者ら35人を、旅客自動車運輸事業法違反の容疑で立件したと発表した。 UBERは韓国でハイヤー配車だけでなく、「UBER X」と呼ぶタクシー運転の免許を持たない一般人が自家用車やレンタカーを利用して客を乗せ運賃をもらうサービスを斡旋していた。これが無許可タクシー業、いわゆる「白タク」に当たると警察は判断した。 UBERは2月、日本でも福岡市で一般ドライバーによる送迎事業「ライドシェア」の検証実験を行い、道路運送法に違反する恐れがあるとして、国土交通省が中止するよう指導していた。 UBERは2、013年8月に韓国法人を設立。2014年8月から、ソウル市と首都圏を中心に「UBER X」を始めた。「UBER X」は、アプリケーションを使って運転手と乗客をマッチングする。配車から運賃決済まで、スマートフォンで行える。 乗客からすると、自分がいる場所まで車で迎えに来てくれて、タクシーより安い運賃で利用できるメリットがある。運転手として登録した人は、空いた時間または帰り道に、同じ方向に行く人を乗せて収入を得られる。運賃は、距離に応じてUBERが決める。韓国では基本料金約270円、1分当たり約10円または1キロメートル当たり約67円だった。 この2倍の金額を払えば、高級自家用車に乗せてもらえる。料金は利用者が多ければ上がり、少なければ安くなる。UBERは、運賃の20%を手数料として徴収する。韓国メディアによると、UBERに登録して手数料を除いても3カ月間で約440万円を稼いだ人がいるという。しかし韓国では、自家用車またはレンタカーに有料で人を乗せる行為は無免許タクシー業に当たり、旅客自動車運輸事業法に違反する。3月10日韓国の国会で、白タク営業をより厳しく規制する内容の旅客自動車運輸事業法改定案、白タクを斡旋する人も処罰できるいわゆる「UBER営業禁止法案」を検討した。

これに対して、私はNewsPicksに次のようなコメントを掲載しているので再掲する。それにしても韓国は観光警察隊があるのですね。

NewsPicksも含め、記事にある国土交通省の行政指導については、誤りではないか。行政指導は行政手続法ができてからは文書で行う必要があり、そのような文書が出ているとは思われないからである。官僚批判の結果修正されたものである。

配車アプリによるタクシー手配行為は旅行業法の手配行為に該当。手配行為は直接運送行為ではない。白タク行為を知っていて駐車場を貸したり、無線や電話の取次ぎをする行為と同じもの。韓国の立法はこの点の違法性を明確にしたのであろう。

もしUberが旅行業法の企画行為(パックツアー行為)として配車行為をするならば、ただちに違反とは言えない。パック旅行のケースでは、旅行会社のUberとタクシー会社等の運送人の間に道路運送法の適用があるのかないのかは大きな議論がある。

あるとすると現在まで行われてきた海外、国内パック旅行の料金はすべて違法となり、多くのパック旅行自体が成り立たなくなる。評判のいいJR東海の「ぷらっとこだま」も違反になる。

料金どころか事業許可さえ不要とも解釈できる。ホテルの自家用車を利用して観光に案内することを海外、国内のツアーの中身に入れることを禁止できるものではない。

日本は法治国家である。この問題は司法の判断を仰ぐか、さもなければ立法的解決をはかる必要があるが、その場合、パック旅行の規制強化をすることになる。観光立国政策に背くことにつながる。

関連記事

Conditions concerning taxis, ride sharing and car rental in Manila

As our third overseas camp, this time we went to M

記事を読む

no image

GetTaxi  Via (company)  YANDEX

Gett, previously known as GetTaxi, is a global on-

記事を読む

no image

31日日経新聞のMaaS出羽守記事にはがっかり

9月9日から北京のライドシェアDIDIの視察に出かける。その前に、DIDIの若者を紹介してもらっ

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 ロンドン配車アプリ調査② 前提となる予備知識とロンドンの配車アプリビジネス事情どう

○日本との違い ロンドンのタクシー制度は日本と根本的に2点異なることを理解しておく必要がある。

記事を読む

Directionality of the discussion about Uber and Airbnb in Japan

1 Appearance of the sharing economy theory 1)Shar

記事を読む

🌍🎒 🚖シニアバックパッカーの旅 2018年9月12日 チームネクストモスクワ調査⑥ モスクワ市交通局等

モスクワ市の国際局の取り計らいで交通局及び観光局を訪問し、意見交換した。観光局からは最近のモスク

記事を読む

『タクシー定期券』の専門誌報道について

2016年8月29日の東京交通新聞に「タクシー定期券」の報道がなされていた.定期「券」に問題があるの

記事を読む

通訳案内士の禁止行為

通訳案内士協会のHP https://www.guidesearch.info/search

記事を読む

no image

貸切と乗合の相対化~BRIDJ、Kutsuplus、Maaxi等の発生~

乗合(a shared journey)と貸切(an exclusive journey)の相対化は

記事を読む

ライドシェア、ホームシェアに見る各国シェアリングエコノミー論の展開

1 シェアリングエコノミー論の登場  新経済連盟が2015年10月30日に「シェアリングエコノミー

記事を読む

no image
🕌🎒2025シニアバックパッカー国連加盟国192か国達成の旅  リビア トリポリ

https://youtu.be/MDVZuy3TE3o

no image
🕌🎒2025シニアバックパッカー国連加盟国192か国達成の旅 計画作成

国連加盟国192か国を訪問するという計画も残り4か国となっている。その

no image
🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 福建省(24番目)厦門

中国渡航にビザが必要な段階で計画したので、金門島から廈門に渡る

🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 金門島

  昨夜桃園空港から台北駅に鉄道で移

no image
🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 台北

国連加盟国第一か国目は中国。1970年に香港、台湾と旅行した。当時は、

→もっと見る

PAGE TOP ↑