*

「観光」ニ題 カスワードとしての字句観光

公開日: : 最終更新日:2023/05/20 人流 観光 ツーリズム ツーリスト

久しぶりに字句「観光」がマイナス効果を持つ用語として使用されている例を、図らずも本日2月15日の日曜日、ニ題、目にすることとなった。

①烏賀陽弘道著『報道の脳死』新潮社p.88の「観光客記事の空虚」

被災かまぼこ工場再開 読者の需要(生活必需品)を無視し、あえて「お土産品」「名産品」を選んでニュースにする記者の視点は歪んでいる。「東京から取材に来た記者」あるいは「東北以外から支局に転勤して数年の記者」が名産品を珍しがる「観光客の視点」である。こうした発想は、外国報道に持ち込まれると「エキゾチシズム」(異国趣味)と呼ばれる。

②地元名産でボッタクリ 観光客を騙す手口とは (SPA! ) 2015年2月14日(土)http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/spa-20150214-789528/1.htm

「日本各地で“プチぼったくり”の被害が続出している。騙された消費者の怒りは心頭に! もはや“適正価格”が存在しないのであれば、せめて警戒だけでもしておきたい……そこで、観光地で騙されない「ぼったくりの傾向と見分け方」を可能な限り追った」という書き出しですが、以下はとても紹介できるものではありません。しかし少し前までは観光政策とは、空港での客引きの取り締まりであるとか、不当表示防止が中心でした。これらの施策こそ公権力の行使であり、政策にふさわしいのですが、今日観光施策と言うと観光宣伝が中心になってしまっており、大学で観光政策をおしえる講師もそのことを認識していない人が増加しています。

 

関連記事

保護中: 『植物は知性を持っている』ステファノ・マンクーゾ 動物と植物は5億年前に進化の枝を分かち、動物は他の動植物を探して食べることで栄養を摂取する「移動」、植物は与えられた環境から栄養を引き出す「定住」、を選択した。このことが体構造の違いまでもたらしたらしい。「目で見る能力」ではなく、「光を知覚する能力」と考えれば、植物は視覚を持つ

植物は「動く」 著者は、イタリア人の植物生理学者ステファノ・マンクーゾである。フィレンツェ大学国際

記事を読む

no image

「人流」概念 2021新語流行語大賞トップテン

https://twitter.com/i/broadcasts/1dRKZlpyPBMJ

記事を読む

no image

動画で考える人流観光論 観光資源論 贋作の観光資源的価値

第51回国会 参議院 文教委員会 第4号 昭和41年2月17日 https://kokkai.nd

記事を読む

no image

観光とツーリズム②

今日われわれが使用している「観光」概念の誕生には日常と非日常の存在が前提となり、日常の前提には定住が

記事を読む

Is it true only 10% of Americans have passports?

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-42586638

記事を読む

no image

英和対訳袖珍辞書と観光

先週は都立中央図書館が図書整理のため休館日が続き、ようやく土曜日(6月13日)に閲覧に行くことができ

記事を読む

人口減少の掛け声に対する違和感と 西田正規著『人類史のなかの定住革命』めも

多くの田舎が人口減少を唱える。本気で心配しているかは別として、政治問題にしている。しかし、人口減少と

記事を読む

no image

保護中: 『中世を旅する人びと』 阿部 謹也著を読んで

西洋中世における遍歴職人の「旅」とは、糧を得るための苦行であり、親方の呪縛から解放される喜びでもあっ

記事を読む

東京オリンピックを迎える学生・社会人のための観光・人流概論

  新しい教科書を出版しました。私はこれまで観光政策論等を中心に出版してきま

記事を読む

no image

観光学研究者へのお願い 字句「観光」と字句「tourist」の今後の研究課題

これまで、日本語としての字句「観光」の語源等についての分析は、上田卓爾氏等が発表した論文があり、かな

記事を読む

PAGE TOP ↑